ご質問の配置は、
1、的球がポケットの近く。
2、手球と的球が遠い。
3、配置としては直線的。
ということでしょうか。
もし的球がポケットのごく近く、つまり、多少狙いが左右にずれてもポケットできるほどの位置にある場合は、正直にまっすぐ狙うのではなく、わざと厚みを左右いずれかにずらすだけでスクラッチは回避できます。ご存知の通り、手球が的球にずれてヒットした場合、手球は左右に逃げますので、それを利用します。どちら側にどれだけずらすかは、「的球が確実にポケットされる範囲内」で、「次の手球位置として都合のよい側」と考えます。
もし、ポケットと的球の距離がある程度離れていて、左右にずらした厚みでは確実なポケットインが狙えなくなる場合。これはまっすぐに狙うしかありませんが、それほど的球とポケットが離れていても手球が後をおいかけてスクラッチしてしまうというのは、「押し球」になっているからです。つまり「手球が的球にヒットした瞬間に前進回転をしている」ということです。
よく「手球の中心を撞くとストップ、上だとフォロー、下だとドロー」と言いますが、手球のどこを撞くかに関係なく、手球がテーブルのラシャの摩擦を受けながら進むうち、徐々に前進回転に変わってしまいます。大切なのは「手球が的球にヒットした瞬間の回転状態」です。
まだ不慣れな方でしっかりとしたキュー出しができていない場合、手球の中心を撞いても、手球が的球にたどりつくまでに前進回転に変わってしまうため、結果としてフォローの動きになることがよくあります。
手球と的球の距離が離れている場合は、中心より意識的に下目を撞くことで、「手球が的球にヒットしたとき、ちょうどドロー回転が消えて無回転になる」ショットができます。どれくらい下をどの程度の強さで撞くかによって手球の挙動は変わりますので、実際の配置を色々かえて、自分なりにショットする中でつかむしかありません。
遠い距離をしっかり引いてくるドローショットは大変難しいものです。
基本としては「キューをできるだけ水平に構える」ことです。手球の下を撞こうとして、シーソーのようにキュー尻を持ち上げる人がいますが、これはミスの原因になりますので、キュー全体を低く構えてください。そして最初はタップの直径1つ程度ほど下げた撞点にキュー先を向け、ためらわずにスパッと撞いてください。初歩の練習としては手球と的球の距離を30センチ程度にするのが適切かと思います。
多少のドローが撞けるようになってきたら、まっすぐの配置で手球と的球の距離を色々かえてみましょう。そして、「撞点下のままでストップショット」になる加減を覚えると非常に有効です。
たとえば、手球と的球の距離が80センチで上記ドローストップがつけたとしましょう。同じ撞き方を40センチの距離で行うと、理論上、手球は「ちょうどもとあった位置」まで戻ってきます。つまり「40センチの位置にあった的球にヒットしたとき、本来ならあと40センチは逆回転が消えない」状態にあったため、そこから40センチ戻るのにちょうどあった分量のドローが与えられるのです。
まあ理屈でいうとややこしいですが、要はなれ!たくさん撞く中でのみ本当の勘はやしなわれます。