日本音楽事業者協会(音事協)は業界の親睦団体なので、退会によって明確なペナルティが存在するわけではありません。もちろん何かしらの圧力や嫌がらせを受けることもありません。
「綺麗事を言ってるけど、本当はあるんじゃないの?」と思うかもしれませんが、もし非加入(退会を含む)によって圧力や嫌がらせを受けるのであれば、すべての放送局やメディア、芸能プロダクションが加入するでしょう。しかし実際はそんなことになっていませんから、特に不具合はないと考えて良いと思います。
とはいえこういった団体を退会することで、業務にさまざまな影響が出るのは事実です。それは圧力や嫌がらせといった話ではなく、たとえばテレビ局側が団体に気を遣って、退会した芸能プロダクションのタレントのキャスティングを見送るとか、そういう受動的な理由による影響です。これは芸能界だけでなく、他業種の親睦団体を想像していただければおわかりでしょう。
すなわち退会によるペナルティや圧力、嫌がらせは存在しませんが、「親睦」の関係から外されることで何らかの影響が出る可能性は高いと思います。もっともその「影響」がどのくらいになるかは、業界内における芸能プロダクションの力やタレントの人気に左右されますので一概には言えませんが。
ちなみに同協会は肖像権を含む芸能人の権利を管理・保全することを推進しているので、脱退すると肖像権の交渉が複雑になるかもしれません。これまでなら同じ会員同士ということで簡単に許諾の取れていた権利が、細かい条件や交渉を必要とするでしょう。そういう意味では芸能プロダクションよりも、放送局のほうが大きな影響を受けるかもしれません。