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映画で使われる「色」
映画の中で使われる色が、私たちにどのような視覚効果を与えるのか知りたいです。 例えば「アメリカン・ビューティー」では、バラや血の色である"赤"に"危険"や"魅惑"というメッセージを込めているなと感じました。 他にも、「こういう印象を与えるためにここにこの色を持ってきた!」っていう映画のシーンがたくさんあると思います。 もしそのような効果を使っている映画や、色をテーマにした映画をご存知でしたら教えていただけませんか? よろしくお願いします!
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前の回答者様が「シン・シティ」を挙げていらっしゃいましたが、モノクロの映像の中に、一部だけ着色した部分がある、という技法はおそらく黒澤明監督の「天国と地獄」が発端だと思います。 他にもスティーヴン・スピルバーグ監督の「シンドラーのリスト」にもそのような表現があります。 ただし、キーとなる色を特徴的に配置する発想となると、この例では不十分なようにも思えます。こうした演出をかなり意図的に行っている監督として思い浮かぶのは、「シックス・センス」などで有名なM・ナイト・シャマラン監督です。 すべての作品にキーとなる色が存在していますが、たとえば「シックス・センス」で言えば、赤い風船や、ドアノブが赤色など、重要な意味を持つカットには、赤が配されています。 アメリカ映画には、プロダクション・デザインという役職があります。日本だとセットを含め、大道具、小道具などのデザインは細かく役職わけされていて、美術全体を統括するデザイナーはいない場合が多いのですが、アメリカ映画では全体を統括するデザイナーというのがいる場合が多いです。 この役職の人が監督の指示や、脚本の内容から、作品全体に登場する物品の色の系統や、キーとなる色を決めていることも多いようです。 色の扱いに最も長けた監督というと、僕がまっさきに思い出すのはスタンリー・キューブリック監督です。遺作である「アイズ・ワイド・シャット」では、赤(暖色)と青(寒色)という食い違う色彩を、照明からセット、書割り、小道具、衣装に至るまでに徹底して配することで、人間精神の二重性を暗示しています。 「シャイニング」では、さきほどのM・ナイト・シャマラン監督の作品同様、キーとなる場面では蛍光がかったオレンジ色が配されています。
- isoiso0423
- ベストアンサー率64% (1125/1741)
古典ですが、デビッドリーンの恋愛映画の傑作「旅情」なんてどうでしょうか? オールドミスが休暇でベニスに出掛けイタリア人の男性と恋に落ちるというメロドラマの代表作です。 その中で真っ赤なハイヒールが出てきますが、映画を見て頂ければそれが何を意味するのか、(でもってハイヒールの向こうに打ち上げ花火があがるというさらに凝った演出をしています)、説明はまったくありませんが、感覚的に”ははぁ、そういうことか”と納得してしまうと思いますよ。 有名な作品なのでレンタル店にも置いてあると思います。 http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=25035 同じ監督の後期の作品でアイルランド闘争下の不倫を描いた「ライアンの娘」という作品がありますが、この映画では主人公の女性の衣装の色が次々と変わっていくところにいろんな意味が込められています。 http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=24464 他には「赤」を大胆に使ったスウェーデンの世界的な巨匠イングマールベルイマンの「叫びとささやき」という作品があります。かなり重苦しい内容ですが、機会がありましたら是非どうぞ。 http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=8578
- kanau122
- ベストアンサー率39% (839/2148)
シンシティでは、モノクロの中に赤や黄色の色だけはカラーのままにするという手法が使われていましたよ。 色をテーマにした映画だと、普通の世界からモノクロのTVドラマの中の世界に入り込んでしまうという「カラーオブハート」なんかはいかがでしょうか。
- ribisi
- ベストアンサー率28% (247/864)
あなたの興味は「ミザンセヌ」にあるようです。映画におけるミザンセヌを簡単に言うと、あるシーンにおけるショットでの、画面内の色や形の配置のことです。これは、ある特定の映画のシーンを静止画に置き換え、それを絵画的に観賞すること、と言い換えてもいいかもしれません。 (これに対し、あるシークエンスと別のシークエンスのつながりによって特定の意味を付与するような演出法を「モンタージュ」といいます。たとえば、(A)皿の上のリンゴを写したカット(B)リンゴを食べる男のカット、と繋げることで、皿の上のリンゴを男が食べた、という意味が生じます。) ミザンセヌの作家として著名なのはイタリアのミケランジェロ・アントニオーニでしょう。私は彼の映画を3本しか見ていないのですが、大好きです。質問者さんは色に興味がおありなので、モノクロではなくカラーの作品『赤い砂漠』をお勧めします。 あと、フランスのジャック・リヴェット監督もミザンセヌの作家です。レンタルDVDでは見つけにくいかもしれませんが、『M』をお勧めします。全編にわたって絵画的・スチール写真的な構図を味わえます。 これらですと少々敷居が高いかもしれませんので、黒沢清監督を付け加えておきます。『叫』などは、赤い色が極めて象徴的に使われています。 これらの映画を見て、あとはご自身で感じられてはいかがでしょうか。
- hp_1200
- ベストアンサー率53% (106/200)
色で思い出すのはピーター・グリーナウェイ監督の「コックと泥棒、その妻と愛人」です。Wikipediaには次のように書かれています。 この映画においては色彩に拘り、部屋やシーンが変わるたびに赤、青、黄、緑とセットや衣装の色が丸ごと変わっていく。 コックと泥棒、その妻と愛人 - Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%83%E3%82%AF%E3%81%A8%E6%B3%A5%E6%A3%92%E3%80%81%E3%81%9D%E3%81%AE%E5%A6%BB%E3%81%A8%E6%84%9B%E4%BA%BA 色をテーマにした作品には、クシシュトフ・キェシロフスキ監督の三部作「トリコロール 青の愛」、「トリコロール 白の愛」、「トリコロール 赤の愛」があります。 トリコロール 青の愛 - goo 映画 http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD16648/index.html トリコロール 白の愛 - goo 映画 http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD16650/index.html トリコロール 赤の愛 - goo 映画 http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD16649/index.html 変わったところでは、デレク・ジャーマン監督の「BLUE」は全編青い映像だけの作品です。 BLUE - goo 映画 http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD16673/index.html