ニューヨークから失礼します。大分時間がたってからの回答に
なってしまいましたが、一言二言申し述べさせていただきます。
これは私の考えですが、欧米人に比べ、日本人をはじめアジア人
には”立体を見る眼”が養われていません。そのため未だバブル期
に流行したダブダブの、まるで棒に引っかかったボロ雑巾のような、
ソフトスーツと称されたへんてこりんなDouble-breastedダブル
ブレステッドスーツと、本来のclassicクラシック(古いという訳は
誤り、”最上級(の)”という訳が正解、形容詞にも名詞としても
使用可、ゆえに普遍的という意味にも転じる)なダブルブレステッド
とが全く異なるものということに気が付いている人は、残念ながら
一般消費者にはほとんどいないのです。従って一般消費者にダブル
ブレステッドに関するアドバイスを求めることは意味がありません。
よって日本では極めて少数派かもしれませんが、欧米においては、
クラシックなダブルブレステッドは全く流行とは関係なく着られて
います。まず、スーツを着る前に、自分は流行を追いかけるfashion
forwardファッションフォワードなタイプなのか、クラシックに根ざして自分のスタイルを追及するタイプなのか覚悟を決めるべきです。
”若いから着こなすのが難しいとか、年をとってからでないと似合
わないなどとか、あまり周囲の素人の意見になどには惑わされず、
信頼出来るプロやお店にてしっかり基本を勉強していけばよいこと
なのです。スーツを着る上で一番大事なことは、”自分にとっての
グッドフィット”を考え追及していくことです。今、日本で流行して
いるつんつるてんの着丈の上着や股引のようなスラックスは日本独自
の流行なのであって、世界では笑いものになっているのです。
ダブルブレステッドに関しては、私は個人的に襟の巾が広いものが
好みではありますが、例えば顔が細身であれば、細身の襟を試して
みたりとか、肩幅のサイズについては、額の巾に3を掛けた数値を
一応の基準とはしますが、もし男としてのたくましさを少し強調
したいのであれば、それよりやや広くてもかまいません。
もし入手出来可であれば、英国のチャールズ皇太子がクラシックな
ダブルブレステッドについての世界的な着手、現代における名手の
一人ですので、彼の写真(彼のほとんど全てスーツがのdrapeドレープの効いたイングリッシュ6ボタンダブルブレステッドモデル)を
よく見て研究されてみられると良いでしょう。
若い頃から始めていれば、年をとってから格好良くなっていないはず
がないではないですか。
お礼
ご返答ありがとうございます。専門家の方、それも本場で活躍されている方のご意見はやはり違うなと思いました。素人の意見に惑わされるべきでないというお言葉に、自信を持つことができました。チャールズ皇太子はいつみてもエレガントな着こなしで、参考にしたいと思います。クラシックに根ざした自分のスタイルを作っていきたいと思います。また質問することがあるかと思いますが、ぜひご意見をお聞かせください。