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バッハのパルティータ第二番のシンフォニアの出だしの弾き方
ピアノの初心者です。バッハのパルティータ第二番のシンフォニアの出だしの弾き方が分かりません。 三行目の第一小節です。 右手でミ・レ・ド・レとやるところの左手を、どのように弾いているのが分かりません。 楽譜:http://www.freesheetpianomusic.com/bach/content/Six%20Partitas/BWV8... 動画でいけば、50秒目あたりの左手の部分です。 http://jp.youtube.com/watch?v=fvoh8PDPXIE どなたか、分かられる方教えてください。
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- tattom55
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もう一度確認しますね。バッハが息子のために書き残した装飾音の奏法が現在のところほとんど唯一の文献なのでみなさんそれをお手本にしています。ところがこの文献が当時の音楽すべてに当てはめて良いものかは今でも大いに議論されているところです。現にフランスバロックには当てはめられないものも多いし、ある学者に言わせれば所詮息子の教育のために書いたメモにすぎないのです。そうでないと自由な早さのtrillerはすべて規則違反ということになってしまいますよね。 実際のところ並みいる演奏者たちの解釈は百花繚乱ともいえる素晴しさですよね。(原典版とは異なる解釈を施している楽譜の編集者たちも演奏家と同じ立場にいると言っていいでしょう)オレはそのことを踏まえた上で質問者さんが弾き易いであろう奏法を示唆したにすぎません。自分が演奏会で弾くことになったら全く違う奏法を選ぶかもしれません。 概して初心者向けの楽譜では奏法を推薦したり記号を音符化したりしていますけど原典版には何のヒントも与えられていませんよね。オレも最初にバッハやモーツァルトの原典版に出会った時には一旦アタマを真っ白にするしかない、と覚悟を決めたものです。 バドゥラ=スコダの本はとっても良い参考書ですが、出版されてもうずいぶん時が経ちました。それでも未だに何の解決案も出ていないのです。恐らく回答は出ないとオレは思っています。だってバロック時代こそ即興やアドリブを「必要」としていた時代なのですから。装飾音だけを決めつけるような時代ではなかったはずでしょ?自由でいいし、自由でなければグレン・グールドの演奏を認め、酔いしれるなんてできなくなってしまいますから。 質問者さんもこのことを承知の上で自分がいいと感じる形(弾き易さも含めて)を見つけてくれるといいと思います。 ついでにスコダの名著をもう一つ紹介しますね。「モーツァルトの演奏法と解釈」です。目からウロコの高校時代でした。もちろんその中にある議論や疑問は今でも解決の出ないものなのですが。
- d-Moll
- ベストアンサー率77% (7/9)
No.1です。 なるほど、tattom55さんのご指摘のように、最初のAsを16分音符、残りを32音符にすれば表記音からのtrillでも自然になりますね。「目からうろこ」でした。実際にこの方法で弾いてみましたところ、指使いはとても楽でした。 ところが、もう一度、上の音からのtrillで弾いてみると、指使いはきついのですが、こちらの方がバロック臭さが出ているように感じました(上からのtrill自体がバロック臭いからなのでしょう)。 そこで、いくつかの疑問が生じました。 *左手を三和音の進行で見て行けば、tattom55さんのご指摘通りベースのAsははっきりと出したくなります。しかし、バッハはここを上の重音と下の単音で記譜しています。和音の進行ではなく単音(ベース)の進行で見ると、trillの付いたAsは上からのtrillでも違和感はありません。むしろ、当時はこの修飾法が自然だったはずです。この記譜にバッハの意図はなかったのか? *もし、tattom55さんの方法でよいのなら、「tr」と表記するのではなく、右手と同じく16音符や32音符で表記した方が、演奏者は助かります。バッハは緻密に計算をして作曲しているはずなのに、このような曖昧な表現でいいのだろうか? *そもそも「tr」って演奏者の自由度の高いものなのか、作曲者の意図を忠実に守らなければならないのか? これらの疑問を解決すべく、さっそく楽器屋さんでいくつか楽譜を見てみました。大きな店でしたので、この曲の楽譜を12種類見ることができました。結果は。。。 ・上の音からのtrillを(運指のみで)指示している楽譜2つ ・表記音からのtrillを(運指と音符で)指示している楽譜2つ (音符の指示ではAs,B,As,B,As,B,As,G,As、こんな感じだったような) ・Asには「tr」だけの表記で、次のGの前に括弧内の8分音符で(G, As)と修飾している楽譜1つ ・何の指示もなく「tr」だけの表記は残りの7つでした。 これでは、ますます疑問が膨らんでしまいました。なんで、こんなにいくつもの解釈があるのかと。そこで、楽譜ではなく、解説本を探したところ、『バッハ 演奏法と解釈」(パウル・バドゥーラ=スコダ著、全音楽譜出版社)の本がありました。7500円と値段が高かったので立ち読みで解決させようとしましたが、読んでいてとても奥が深く、立ち読みで解決できるものではないことがわかりました。つまり、バッハのtrillの演奏法はまだまだ議論されていて、正解が出ていない問題であることだけはわかりました。 そう、この質問は、研究者の間で議論されている問題だったのです。つまり、正解が出ていないので、今の時点では演奏者がどう考えるか、ということになると思います。厳密に規則通りに上からのtrillにするか?音の自然な流れを重視するか?音の自然な流れといっても、今の時代の自然なのか?バロック時代の自然なのか?。。。 せっかく深いテーマに触れたので、もう少し深入りしたくなり、7500円は高かったですが、上記の本を買ってしまいました。もう一冊、別のバッハの本も一緒に。
- tattom55
- ベストアンサー率52% (194/367)
このtr付きのAsは前の小節4泊目のB と同じくがっちり和音を支えるバスなので上の音からのtrでは音楽的に弱くなってしまうと思う。バロック期のtrは上の音からというのは原則であって絶対的な規則ではないので音の役割を優先して考える方がいいと思うよ。 オススメは次のように; As,C,F の指使いは4,2,1 、で、最初のAsを16分音符で、次のB,As,B,As,B,As(またはB,As,B,As,G,As)を32分音符で弾く。 上の2音を保持しなければならず運指がきついのでこうしてきっちりはめ込むのが最上だと思うな。
- d-Moll
- ベストアンサー率77% (7/9)
私はこの曲を弾いたことがありませんが、譜面から読み取れることでお答えします。 質問はtrillの弾き方を訊ねているということでよろしいでしょうか? 問題の5小節目ですが、左手の和音は上2つの和音と下の単音から成っていますね。下の単音の旋律は <16分休符-シ♭-シ♭-ラ♭-ラ♭-ソ-4分休符> であって、この旋律の4分音符の<ラ♭>に装飾のtrillがついています。したがって、ここを <シ♭ラ♭シ♭ラ♭.....シ♭ラ♭> とtrillして、次の<ソ>に続く弾き方でいいと思います。これを上の2音の和音の進行と一緒に弾きます。 特に指示がなければ、バロック時代のtrillは1音上の音からはじめることになっているので、この場合、<シ♭ラ♭>の順でtrillして、そのまま<ソ>と下がれば音の流れも自然です。<シ♭ラ♭>を何回繰り返すかは決まってないので、演奏者に任されています。
お礼
大変よく分かりました! ずっと分からずに困っていたので、本当に助かりました。 心から感謝いたします。ありがとうございました。