非常勤講師の話が出ましたので,少し補足を。
特に最近は少子化が進んでいることもあり,あまり先生を増やそうとしなかったり,非常勤でまかなおうというところがよくあります。
もともと,学校というところはなかなか教職員の定数を増やさないものです。公立では法律で決まっていますし,私立でも附属中を開設するなどして生徒数が増えないと教職員も増えないのが普通です。
となると,専任の教員が定年などで退職した時が狙い目ということになります。
ところで,たいていの私立では,専任の先生は定年後も5年間ぐらい講師として残ります。これは特別講師などと呼ばれ,給与も一般の非常勤よりはかなりいいのが普通です。そうはいっても講師ですから,専任のポストは1人分あいたわけです。そこでどうするか,ここに学校の姿勢が現れます。
たいていの学校では各教科ごとに専任のほかに非常勤の先生がいます。非常勤の先生とはいえ何年も勤めていて,その学校の校風や教育方針や生徒の特徴などを熟知している先生もいます。もちろん種々の事務的な手続きもわかっています。生徒たちにも慕われていたりします。そういう非常勤の先生を改めて専任として採用すれば,授業にせよそれ以外にせよスムーズに新年度を迎えることができます。
しかし,こういう学校はかなり少ないです(あることはある)。
多くの学校では,実際には,専任のポストが空くと,新たに大学の新卒を対象に教員を募集します。今いる非常勤はどうなるかというと,追い出されるわけです。もちろん,法的には今いる非常勤の人が改めて公募に応じてもいいのですが,どうかすると公募していることを非常勤には黙っていて,新採用者が決まってから教えたりします。
あるいは,教えることは教えるが,いったん本校の非常勤になった人は専任にはなれないという不文律があったりして,いずれにせよ長年なれ親しんだ学校を去らざるを得ないことになります。
なぜそんなことをするかというと,要するに非常勤を専任にすると,今までの経験年数が上乗せされるので,高い水準から給与をスタートしなければならないからです。
教育という観点からいうと,非常勤を格上げしたほうがいろいろメリットはあるのですが,それを犠牲にしてでも経済的な理由を優先している学校が多いようです。
このような学校の非常勤になった場合は,何年勤めていてもいつかは追い出されるので,教えながらも就職活動をしなくてはなりません。
こういったことを調べるのは非常に困難ですが,もしその学校に特に親しい知り合いの先生がいるような場合はたずねてみるとよいでしょう。
教員採用はなかなか厳しいので,とりあえず非常勤としてスタートする人が多いのですが,後者のような学校に当たるリスクもあるということは気に留めておいてよいと思います。
(長文になってしまってすみませんでした。)
お礼
すごい!!自分感動す。詳しければ詳しいほど参考にしやすいです。私立高校の内情にも触れてあったのがより具体的で分かりやすかったです。どうもご丁寧にありがとうございました。がんばって就職決めます。