もう少し国語っぽい回答をします ( ^^
多くの人がヒーロー(英雄)という言葉から「カッコイイもの」、「正義の味方」などと勝手にイメージしますが、果たして本当にそうなのでしょうか‥?
前回英雄について「才知や武勇に優れている者」という辞書の定義を書きましたが、単に才知に優れている人(例えば学者など)が英雄と呼ばれることは普通ありません。つまり武勇は当然のこととして、英雄における才知とは、明らかに「軍事上の才知」なのです。
ヒーローと言えば、古代ローマのカエサル(シーザー)やフランスのナポレオン一世などが有名ですが、彼等は共に軍人です。カエサルはガリア(現在のフランスベルギーを中心とした地域)を征服した際に100万人近いガリア人を殺したそうです。また、ナポレオンが行った対外侵略戦争における死者は約200万人と言われます。これらの数字の信憑性はともかく、ヒーローの実像とは、つまりはこういうものなのです。“乱世の奸雄” と呼ばれた魏の曹操も、日本史最大のヒーロー豊臣秀吉も、太平洋戦争で対日焦土化作戦を立案・指揮したカーチス E ルメイ少将(後に大将)も皆一緒です。大きな目的を実現するためには多数の人命を奪うことをも躊躇しない ─ こうした非情さがなければ歴史に名を残すことなど到底適いません。ある意味ヒーローは、冷酷・残忍になれなければ務まらない商売と言えるでしょう。
無論、「真のヒーローはそんなものじゃない」と考えるのは自由ですが、それは単なる理想論に過ぎません。ちなみに次のような西洋のことわざがあります。
一人を殺す者は兇漢(きょうかん)なり、万人を殺す者は英雄なり。
また、ミュージシャンのジョン・レノンは、『ワーキング・クラス・ヒーロー(労働者階級の英雄)』という曲の中でこう歌っています。
丘の上の住人(日本のヒルズ族みたいな存在)になりたいと望むのなら
先ずは笑いながら人を殺せるようにならなくちゃいけない
以上の観点から、アンパンマンとドラえもんのヒーロー適格性を考えてみましょう。
アンパンマンは戦闘を前にしてパワーを温存しておかなければならない時でも、お腹を空かせている人を見れば見捨てておけず、自分の顔を与えてしまいます。こんなお人好しが非情なヒーローになれるでしょうか? 彼はこれまでバイキンマンとの戦いにことごとく勝利して来ましたが、それは作者が彼に肩入れしているからに過ぎません。あんなことをやっていたら、普通はとっくの昔に滅んでいます。ちなみにアンパンマンの生みの親であるやなせたかし氏は、どうやら「ヒーロー = 正義の味方」だと誤解?している節があります。
一方ドラえもんですが、彼はロボットですから、アンパンマンよりは非情になれるだろう‥ と言いたいところですが、実際問題、こちらもアンパンマンと大差がない感じです。たとえ一瞬にして地球を粉砕するほどの大量破壊兵器を保有していても、彼にそれを使用する決断力はなさそうです。
結論を述べます。
アンパンマンとドラえもんは、両者ともにヒーロー失格! ヾ(ーー")
‥ というか、ヒーローなどという血生臭いものになってもらっては困る。
これが私の最終的な答えです。彼等には、いつまでも子供達の “アイドル” であり続けて欲しいものです。
でも、アンパンって、やっぱり嫌いだ‥(笑)