Q/例えば一日中頻繁にHDDにアクセスしてたらすごい速さで消耗していくんでしょうか?
A/何とも言えませんね。一般に呼称の原因は、設計、振動、熱、半導体、製造工程と利用する環境に依存します。
例えば、設計上に不備があれば、当然のことながら故障は早くなります。自動車などで欠陥がありリコールというのがありますが、それはパーツ(部品)の設計ミスや配線ミス、設計上の耐久性不足によるものです。そのため、個体差によってはそもそも長く持たないものもあります。
振動は、ハードディスクにとっては昔から欠点でした。登場した頃のディスクは軽い振動でも故障するケースがあったのです。その理由は、読み書きを行うヘッドが浮遊する非接触磁気オーバーライト/リード方式を使っていたためです。ヘッドとディスク(HDDではプラッタという)との間を一定に保っています。接触するとディスクに塗布された磁性体が摩耗しデータ記録や読み出しが出来なくなるためです。
そのため、強い振動が発生し万が一ヘッドがプラッタに接触すればそのセクタ(場所)の読み出しが出来なくなる可能性があります。もし、ヘッドに磁性体の欠片が付き、ヘッドとプラッタの間の隙間を埋めれば被害は拡大します。尚、最新のディスクには重力方向と加速度を関知するセンサーが付いています。それによって衝撃を未然に検知し、ヘッドを安全な場所に待避させるのです。それでも強い衝撃を与えれば壊れますし、プラッタを回転させるモーターや軸受けなどに使われているグリスやパーツ片などが飛び散れば壊れる原因になることがあります。グリスなどは水分の蒸発により徐々に劣化しますからいつかは壊れます。
(そのため、だいたい、HDDは3~5程度は故障率が低く保てるように設計されています)
熱は、パーツの寿命に影響します。高い温度かで運用すると抵抗回路や半導体は故障しやすくなります。特に、半導体はビットエラーが発生しやすくなるため、高温下で使い続けるのは好ましくありません。ただし、メーカーが規定する温度の範囲内なら寿命期間3~5年は持つでしょう。
半導体は、ハードウェアの制御を行います。初期不良や予期せぬ停電、過電流などが発生し、壊れると加速度センサー、CRC/ECCエラー制御装置、各種駆動を司るファームウェアが破損し、ディスクが正常でも動かなくなります。
製造工程は、製造の過程で内部に大きなゴミが侵入したり、ファームウェアが不正に書き換えられたり、製造装置の不良で精度が下がれば故障の原因になります。初期不良や短期不良はこの可能性があります。
Q/全くHDDにアクセスしないPCと頻繁にアクセスするPCがあるとしたら、1年くらい違ってくるんですかね・・?
A/例えば、料理せずに生魚を何日放置できますか?放置していると火を後から通しても、先に調理したケースより賞味期限が短くなることがあるはずです。使わなければ、内部のグリスは最初のままで固まり、ムラが残った状態なら次の駆動で飛び散り故障するかもしれません。
駆動させれていれば、グリスはさらさらで均等に広がり、長持ちするかも知れませんよ。
人が作る物はなんでもそうですが、ほどよく使うことが長持ちの秘訣です。
尚、寿命は必ずあり、荒い使い方や通常は設計不良や初期不良がなければ設計上の寿命までは持つはずです。それを越えたときに初めて長持ちしたディスクになりますが、それまではハードウェアの規定温度や動作規定で動いていると仮定すれば寿命はほとんど変わることはないはずです。
要は、長持ちさせたいなら、温度を一定に保ったり、衝撃を抑えたりする工夫をしなさいと言うことです。
尚、ディスクの規定温度はパソコンの動作規定温度に準じていると思ってください。それを下回る、または上回る場合は寿命に多少は影響します。それ以外は、不良がなければ影響は少なくなります。
お礼
なるほど。温度が一番なんですね。 別に頻繁にアクセスしてるからといって気にしなくてもいいんでしょうか?