私が学生時代はウールのタイツにジャージ、オーバーズボンというレイヤリングで厳冬期の北アルプスに登っていました。
当時はまだ化繊の良いアンダーはあまりなかったので(オーロンが出たばかりの頃でした)ウール以外の選択肢は現実的ではなかったのですが、今だったら化繊の方が扱いやすいことが多いでしょう。
パンツは当時はウールのニッカーズボンが夏冬問わず主流だったのですが、私は履いたことがないです。高校時代はこれでないと"減点対象"になったので、真夏のクソ暑いときもウールのニッカーでしたが。
オーバーズボンは当時もちろんゴアテックス製品はありましたが、高価で学生にはなかなか買えなかったので、ナイロンのいわゆる「ダブルヤッケ」の上下でした。今風に言えば「ソフトシェル」ですね。
ということで、今ならタイツ+薄手フリースのパンツ+ゴアのオーバーズボンというレイヤリングはたいへん理に適っている組み合わせと思います。
いろいろ選択の余地があるのは2層目のパンツでしょうね。
今は裏地を起毛地にして保温性を向上させた冬用のパンツ等も豊富ですから、それらでも良いでしょうし。
フリースのパンツを厚手にすればインナーのタイツを省略できる、と思いがちですが、やはりレイヤリングは3層が基本かと。
アンダーは吸汗拡散性が要求されますし、アウターは防水透湿性が重要です。その中間のミドラーは透湿性と保温性が重要なファクターとなります。
フリースは速乾性には優れますが、吸汗性についてはインナーほどではありません。なので激しく汗をかくような状況ではうまく機能しない可能性もあるでしょう。
まあ、多くの場合はそれでも支障はないのでしょうが、普通にレイヤリングを考えると、フリースパンツを薄手のものにしてもアンダーにはそれ用のタイツを履いた方が無難でしょうね。
結局、保温性は登る山の気温に合わせてミドラーで調節するのは、上半身か半身に限らずレイヤリングの基本でしょう。
いろいろバリエーションは考えられるので、例えばそれほど気温が低くない山の場合には極厚手のアンダーにミドラーなしでシェルだけ、という手もないわけではないですし、その方が快適なこともあるでしょう。
でも、八ヶ岳は気温だけだと中部山岳地帯ではダントツと思えるほど気温は低い山域です。北八つあたりだと行動にそれほど激しい運動を要求されない場合も多いので、やや変則的なレイヤリングもありだとは思いますが、とりあえずは基本どおりが無難だとは思います。
今はアンダーにしろミドラーにしろ性能が良いものが多いですから、あまり着膨れ感がないレイヤリングが十分可能ですし、無理して2層でやる意義をほとんど感じません。
それぞれのウエアにちゃんと仕事をさせてやった方が良いのでは。
お礼
大変理論的な回答、参考になります。ありがとうございます。 フリースのパンツは工夫して見たいと思います。 ところで、上半身のハードシェルも最近は1枚地のぺらぺらのものを使っている人が増えてきているようですね。ミドラーで温度調節するということで。こっちも工夫の余地がありそうです。