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フランダースの犬は日本人だけ共感?
「フランダースの犬」日本人だけ共感…ベルギーで検証映画(読売新聞) - goo ニュース http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/entertainment/20071225i302-yol.html 個人的にアンハッピーエンド作品はつらくて見られないのですが、この記事で、日本人って結構優しいんだな・・・と感じました。 「負け犬」とは・・・。 人は誰だって亡くなるのに、生死って勝ち負けでしょうか。 この世がすべてでしょうか。 純粋な子供と犬が、周囲からべたべたと甘えられて、それでも頑張って、周りを恨まずに亡くなったというお話らしいです。 みなさんはどう思われますか。
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みなさん誤解されている部分があるようなのでちょっと書かせていただきます。 「フランダースの犬」は、アニメ化される前から日本では有名な物語です。少なくとも日本では無名なものではありませんでした。そちらのほうも原作に忠実に翻訳されていたかどうかはわかりませんが。
- oro-kamen
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1.フランダースに限らず、「名作劇場」の原作は無名の 作品なので現地で知られていないのは当然の事です。 2.その「食えない食材」を名作に料理したアニメの作家が優れている訳で 3.フランダースが名作劇場の代表扱いされるようになったのは爆笑問題の バラエティからです 4.ドキュメンタリー映画の「主張」を真に受けてはいけません 1.について スタッフが言ってましたが「赤毛のアン」や「トムソーヤ」等を除いて名作劇場は無名の作品を発掘してアニメ化しています。 ・有名作品の映像化権は既に欧米の大手が抑えていること ・作家や権利団体の運用ガイドライン上、当時「3流」評価の 日本のアニメのプロダクションに有名作の権利が降りなかった ・権利料が高い 事が理由です。 ですので原作はヨーロッパではまったく知られていません。当然の事です。 「それがなぜ日本でこんなに有名なのか?」と、この映画監督が興味を持ったのが製作の切欠ですが・・・「製作会社の予算不足」が真相だと映画として面白くないですから。 2.について アニメ化にあたっての大きな改変として、ネロの年齢設定の変更(15才→10才)があります。 当時の15才といえば今の日本の感覚で言えば22歳くらいです。 絵描き志望の22才の青年が保護者の死後も定職につかず、飢え死にする話・・・だと日本でも厳しい評価になるでしょう。 よるべない10才の子供が死んでしまうからかわいそうなのです。 なお、「悲劇」は世界共通のモチーフですが、「かわいそうな話」が受けるのはアジアに特有の様ですね。 「かわいそうな話」では「火垂るの墓」がありますが、さすがにこの兄くらいの年なら「生きる道」と「死ぬ道」があるならプライドを捨てても「自分たちが生きる道=家出しない」を選ぶ位の分別があって当然という評価は国内でも多いですよ。 3.について 「フランダース」は爆笑問題のバラエティ番組で「泣けるアニメ」として何度も紹介されたのがきっかけでブレイクして映画にもなりました。 それまでは有名作品を豪華スタッフでアニメ化した「赤毛のアン」や、ストーリーテリングに優れた「母をたずねて三千里」の評価が高く、フランダースが注目されることはありませんでした。 4.について ドキュメンタリーやビジネス本の新書は突拍子もない理論をこねくりだして客を楽しませるものが多いです。その方が真面目に取材したものより売れますからね。 この映画の場合は「エキセントリックな日本人」を強調して楽しもうという意図です。 「ダーウィンの悪夢」等も問題になっていましたが、常識のある大人は映画や本の内容を頭から信じたりしませんよ。 5.悲しい結末の原作が、なぜ日本でのみ共感を集めたのかは、長く謎とされてきた? 記事では謎といってますが、アメリカ同様、ハッピーエンドに改変しても作品の出来が良かったので日本での評価は変わらなかったでしょう。 (爆笑問題がピックアップする事はなかったでしょうが) バッドエンドの作品イメージが日本で「定着」しているので、ハッピーエンドに改変した映画は日本で受けないと興行会社が判断したのも当然の判断といえるでしょう。 事情がわかっていたら「謎」の部分なんて何もありません。
お礼
回答ありがとうございます。詳しいんですね。 1、やっぱりアニメの制作力が大きいんですね。 名作でなくても、そうできるなら、名作に頼ることないですね。 2、年齢変更があったのですか!確かに、大人だと悲しすぎるけれど、子供だから美しく見えるのかもしれません。 10代にとっては、プライドより生きる道をとらねばならない現実ですね。「ほたるの墓」の場合、主人公の価値観として、どちらがつらい生活か、を考えて、家出をとったのでしょう。きれいに生きるにはつらい時代ですね。今もそうですが。 3、確かに、私も「泣けるアニメ」で、初めて名作という認識をした気がします。というより、「名作劇場」で放送されるアニメは、みんな名作と信じていました。私って・・・(笑 4、本当に良い本は、静かに長く読まれる印象ですね。マスコミより、口コミとか。確かに面白いものも多いですが、ずっと本棚に置いておきたい本はどれだけあるか、ですね。 5、うーん、ハッピーエンドのアニメは少ないから、逆に光って見えたのでしょうか。主人公の姿勢そのものが、美しく見えたのかもしれないですね。 全部見ていないのですが、主人公がこんなに頑張っていて、無欲というか、夢を持って頑張っていて、最後は多少夢が叶って、誰も恨まず亡くなるのは、アンデルセンのアンハッピーな感じと似ています。
補足
訂正です。すみません。 ×ハッピーエンドのアニメは少ない ○アンハッピーエンドのアニメは少ない
- yuhkoh
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それともう一つ、『フランダースの犬』がベルギーを舞台としているが、それを書いたのはイギリス人。そうなれば「こんなベルギー人描写、おかしいよ」という意見も多く上がってくるでしょう(名作オペラとされる『蝶々夫人』も、日本人から見たらその日本人描写に違和感を感じるように)。 発表当時からこの作品はベルギーでは評判が悪く(外国人作家の勘違い作品ぐらいの扱い)、彼らからすれば駄作にすぎないものを日本人は評価する(もちろんアニメに対してとはつゆ知らず…)。それが興味深いので、いかにも「日本人受け」しそうな理屈を付けて分析しているようにしか、この報道だけでは感じとれませんでした。 それと「負け犬」という部分は「フランダースの犬」とひっかけた、日本人記者の名(迷)訳でしょうね。
お礼
最後の文章、笑いました。 2度目の回答ありがとうございます。 イギリス人の方が書いていたことは知りませんでした。 ベルギーを舞台にしたのはどうしてでしょうね。 外国作品を、日本人にうけるように演出した、日本人の力というのが本当のところかもしれませんね。
- yuhkoh
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日本人が共感している『フランダースの犬』は、英国人作家ウィーダが書いた『フランダースの犬』ではなく、それを原作として、フジテレビ「世界名作劇場」シリーズで発表された「TVアニメ『フランダースの犬』」に共感しているのではないでしょうか。 つまり、原作そのものではなく、二次作品に涙する。それは物語のみでなく、それを演出する映像、音声(セリフやバックミュージック)などの総合的なもの。さらには子ども時代の作品に対する思い入れや、また「なるかしのアニメ」と称する番組などで、ある意味、月並みで陳腐ともいえる感動場面の刷り込みなどの影響もあるでしょう。 欧米でもそれこそ『ハムレット』や『シラノ・ド・ベルジュラック』などの、主人公が悲劇的な最期を遂げる作品があるので、日本人だけが悲劇を好むというのも陳腐な分析だと思います(明治時代に日本に来た欧米人も『忠臣蔵』を、騎士道精神に通じる素晴らしい物語だと讃えたといいます)。 原作『フランダースの犬』が、要するに欧州ではさほど優れた作品ではなかった。それを題材としたアニメ『フランダースの犬』が優れた演出で感動を生んだ。日本人が感動しているのは原作ではなく、アニメの『フランダースの犬』だ。この辺をベルギーの監督は取り違えているのではないでしょうかね。
お礼
回答、ありがとうございます。 あぁ、そうですね、確かに原作は外国ですし、刷り込みってありますね。外国にも、有名なアンハッピーエンド作品があるのに、このお話だけで日本人がアンハッピーエンドを好む(私は好みませんが)、 日本人の美学といわれても、ちょっと受け入れにくいです。 私も、この分析を真に受けすぎてました。 外国でも、みんながみんなそう感じているとは限らないかもしれないですね。
お礼
また新たな情報が! 回答、ありがとうございます。 私が幼少の頃の作品だったのでそれ以前から日本で知られていたとは思いませんでした。 翻訳も、原作に忠実かどうかわからないんですね。でも翻訳ぐらいはそのままであってもらいたいですね。 アニメ化の際は、いろいろな配慮で変更があることが多いですから、これもありそうですね。