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逆縁のとき親は火葬場へ行かない。
タイトルのような言葉があったと思うのですが、なぜそういう風習があるのでしょう? 民間信仰か、仏教か神道に根拠があるのか? ご存じの方お教え下さい。
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- neil_2112
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基本的には儒教的な「イエ」観念が下敷きにあると思います。 かつての日本の葬儀というのは、「イエ(家)」観念がベースにあります。死者儀礼は単に死者の霊を弔うという宗教的な意味だけでなしに、上の世代から下の世代へと「イエ」の中でいのちが継続されていくことを儀礼的に保証している、という側面が強くあるのです。 つまり、ある個人が亡くなっても、その個人が生きた証が次の世代へと受け継がれていくことを確認する場として、葬儀は重要な意味を持っていたわけです。(その証というのは、田畑であったり、山林や家屋、村集団のなかでの人間関係、そして先祖をまつる権利と義務…といった諸々の事柄です) しかし残念ながら逆縁ではそれができません。 親の「生きた証」をその子供が確認し、さらに次の世代に引き継いでいく、というプロセスに狂いが生じることになります。したがって、逆縁というのは死に方のなかでも特に良くないと考えられてきました。 親より先に死んだ子供は葬式を出さなかったり、遺体を棺に入れずにコモで巻いて埋めたり、あるいは家の墓に埋めずに「サンマイ(三昧)」などと呼ぶ村の集合墓地に埋めたりしたことがよく知られています。通常の(つまり順縁の)葬儀でない、という意味合いをはっきり示すためにも、わざわざ通常の葬儀と異なるプロセスを踏む必要があったのでしょう。 (儒教の国である韓国でも逆縁の子供は、少なくとも親が存命の間は納骨できないのが通例だそうですから、やはりイエ観念について日本と似た感覚があるのでしょう。) さて、逆縁の葬儀の具体的な問題は、葬列での「位牌持ち」がいないことです。 土葬の時代には、葬儀のあと葬列を組んで墓まで行列をしたことはご存知でしょうか。道中の持ち物として、いろいろな装具が役割に応じて割り振られますが、位牌は後継ぎが持つものと相場が決まっていました。他のことは多少適当でも、これだけは誰も変更できない、葬儀の最重要項目でした。 後継ぎが親の位牌を持つということは、社会的には、亡くなった親の家督を引き継いで今後村の正式なメンバーとして参加するための、いわばお披露目のような役目も果たしたからです。 つまり位牌は単にホトケ(霊魂)の依り代という宗教的意味だけでなくて、それを持つ者が今後イエのホトケを祭祀する責任者になることを始めとして、故人の広い意味での財産を受け継ぐことを示すものだったのです。 ですから昔は、今のように子供の位牌を親が持つ、ということは考えられないことだったのですね。 ともかく、逆縁においては親の役目は想定されていません。位牌を持つことなど論外でした。従って、ご質問の「逆縁では親は火葬場にいかない」というのは本当は、「逆縁では親は墓場にいかない(=位牌を持つことができない)」というのがもともと(?)の表現だったのです。火葬が主流になってもその時のタブー感覚が残されていて、言葉が変化して生き長らえたのですね。そのお蔭で意味がよくわからなくなったわけですが。 ついでに言うと、「逆縁は親が悲しむから火葬場に行ってはいけないのだ」という説明は、俗流の解釈ですね。江戸時代の昔から、親が泣こうが泣くまいが関係なく一律に、親は墓に行かないのが全国規模の風習なのですから。 ※以前、似た内容の質問に回答していますので、参考になるようでしたらご参照ください(子供の逆縁について書いています)。
- gokurakuyama
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NASTYさん、こんにちは。 中国の教えでしたか『親の死に水を取らない。親を見送らない(親より先に逝く)のは、とんでもない親不孝者だ』という考えがあるそうです。 現実には、自分の寿命なんて自身でもどうにもならないのですから、ひどい教えですが・・・・・。 まあ、自分の命を粗末にしてはいけないという教えからくるものでしょうが。 したがって、親が自分の子供の葬儀の世話をするという事は「子供に親不孝」の行為をさせるという事から、親はもうこの世にいないのだ。という意味を含めて「子供の葬儀に参列しない(したがって火葬場へも行かない)」のだと聞いた覚えがあります。 又、当たり前ですが親は先に子供が亡くなれば一番悲しい事でしょう ですから、火葬場へ行けば最後の別れで大泣きするというので、又、先ほどの教えで「親を泣かせる親不孝な子供」にさせないで・・・・。 というような意味も聞いた事があります。 現実に名古屋の話ですが、私の家内の父(義父)はおばあさんより先に逝ったので、おばあさんは葬儀一切に参席しませんでした。
- mimidayo
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http://www.gishiki.co.jp/fukuri/chishiki/chi_kink.html 親よりも子が先に亡くなった場合、火葬場に行かないというのは、関東や東北の地域でもあるようです。(他にもあるかもしれません) http://www.sousai.com/hp/library/benri/nagare14.htm ここによれば拘らない・・とかかれていますので、どうなんでしょうね。
お礼
URL、参考になりました。ありがとうございました。
お礼
ありがとうございました。 すると、儒教の影響なのですかね。 おばあさんの話、嘆息してしまいました。