オーディオのカテゴリですので、その趣旨で回答します。
VUとVPの違いは、すでにNo.1の回答者がご指摘の通りです。
バスレフポートとして利用する場合は、肉厚のVP管の方が振動しにくく有利と思われますが、VU管でもダンプすれば良く、ハイエンドオーディオといわれる類いのスピーカーでもVU管よりさらに薄いプラスチックのポートだったりするので、事実上違いはないと考えて良さそうです。むしろ、ポートの両端の形状や、ポート自体の断面の形状の方が、音質に与える影響は大きそうです。
いわゆる「塩ビ管スピーカー」に関しても、VP管を使う理由は筐体の振動防止にあるものと推察されます。管の表面をたたくと、VUでは「コンッ」と響くのに対して、VPでは「コッ」といった感じで比較的早く振動が減衰するようです。
しかし、「塩ビ管スピーカー」の場合には、管自体の材質の違いより、その構造の方が問題となります。管の直径と長さの比が大きいと長さ方向に強烈な共振が生じ、極端なピーク/ディップが生まれます。これは、エンクロージャー自体がバスレフ式であろうが密閉式であろうが同じで、要するに「筒状の箱はスピーカーに向かない」という話です。
これを抑えるには、管にテーパーを付けることが有効です。たとえば、TQWP(Tapered Quater Wave-lenghth Pipe)方式が考えられます。TQWPを採用した製品で有名なのはB&WのOrpheusですが、どの程度売れたのかは知りません。
木材などで作った角柱の一端にバスレフポートを設けたエンクロージャーをTQWP方式として紹介する例が多々見受けられますが、これは単に「定在波の少ない大型バスレフの箱」と見るべきであって、TQWPとは呼べないと思います(日本でTQWPとしてポピュラーな、開口端で開口面積を絞る方式も、結局同じ)。
また、尻すぼみの筒にして、その内部を吸音材でダンプするTLS(Transmission Line System)も有名な方式です。メーカーとしては、PMCが積極的に採用しています。筒状のものでは、Yoshii9がこれに当たるものと推察されます。
音響迷路は、他の方式に比べればピーク/ディップが極端ではありませんが、継ぎ手の構造からして塩ビ管では製作しにくいと思います。
ということで、経験と聞きかじりの理論からは、バスレフポートとして使う以外に塩ビ管をオーディオで使う意義は認められないと思います。
お礼
質問のご返答をしていただき大変有難うございました。 頂いた知識をもとに自分の業務に反映させていきたいと思います。 また分からないことがあれば伺いたいと思っていますので よろしくお願いいたします。