確かにパイロットは厚遇されていますが、それは「楽」と言う意味ではありません。パイロットは訓練も厳しいですし、肉体的にも精神的にも重労働です。陸の歩兵(普通科隊員)に言わせると「所詮機械に守られて戦う連中」と言う事になるでしょうし、実際旧軍時代の歩兵にはそんな感情があったようですが、これは兵科の違いによる環境の差に過ぎません。太平洋戦争中、ある海軍航空隊の基地に配属されて来た主計科(補給担当の部署)の下士官が、パイロットに特別の高カロリー食が配給されている事に文句を付けて、これからは歩兵と同じ食事にすると言った所、あるパイロットが「丁度整備が済んだ機体の試運転があるので一緒にどうぞ」と言ってこの下士官を複座機の後席に乗せて離陸し空戦機動を一通りやった所、その主計下士官は二度と食料配給に文句を付けなくなったそうです。優雅に飛んでいるように見えても大変な重労働と言う事ですね。基本的にこの環境は現代でも変わらないと思います。F-15戦闘機で空中格闘戦訓練を行って帰還したパイロットがフライトスーツを脱ぐと、G(遠心力でかかる重力)によって手足の毛細血管が破裂し、紫色に鬱血している事も度々あるそうです。
さらに、整備員や武器科隊員などもただ整備や装備品の管理をしているだけではなく、小銃の取り扱いなどを含む普通科の訓練も一応行うようです。本職の歩兵ではないので肉体的には普通科より楽でしょうが、技術職ですのでそっちの方面で苦労があるでしょう。確かに海と違って狭い艦内に何週間も閉じ込められる環境ではないですが、航空自衛隊の基地は騒音などの関係で大抵僻地にあります。例えば首都防空部隊の百里基地が所在する茨城県小川町は失礼ながら相当な田舎で、基地周辺に娯楽施設は殆どありません。こうして見ると、トータルでは空もそれ程楽ではないのではないでしょうか。
お礼
貴重なご意見ありがとうございます。 昔自衛隊に勤務していた陸軍の友人から、「陸、海、空軍でも空軍の連中は顔つきが違う。俺たちの顔と比べると顔の筋肉が緩い」という話を聞いた事があったので今回の質問をさせて頂いたのです。 確かに自衛隊となると陸、海、空で異動はありますし。基地規模での異動になるので、県から県へが普通でしょう。 技術面での苦労というのも確かですね。普通の航空パイロットよりも高いレベルが求められるでしょうし。 ありがとうございました。