かつて電気がなかった時代、世界はこれほど明るくなかったのです。
そして「夜」は完全な「闇」であり、その向こうには得体のしれない世界がありました。夜が来ると人は家の中でじっとしているしかなかったし、闇はきわめておそろしいもの、邪悪なものと思われて恐れられていました。(だからこそ「闇と人との仲立ち」として「呪術師」なるものを生み出した文化もあります)
太陽はその逆で、すべての邪悪を払う完全な光、としてイメージされ、人に豊饒をもたらす恵みの源でした。
それが「白」「黒」のイメージの源泉ではないかと思います。つまり、この「白/黒」は「光/闇」のシンボルなのではないかと。
ところで「白」と簡単に言いはしますが、布にしても色にしても、かつて美しく純粋な「白」を手にするのはかなり難しいことでした。白はすぐ汚れてしまいますし、そもそも真っ白にものを漂白するのは不可能に近く、可能であっても非常に高価でした。つまり一般的には「白」というのは手に入らないものだったんです。それもまた、白というものが「美しい」「清らか」という、ただの「色」をこえた「象徴」になった一因でしょう。
黒は「邪悪」などの反面、一部では「謙虚」「清廉」といったイメージももったことがあり、ヨーロッパの修道士などが身につけたほか、ヴェネツィアでは黒以外の服が禁じられたこともあるようです。(「贅沢禁止」とかかわっているらしい)イメージというものはおもしろい。
>>ちなみに、日本では仏教って根本的な影響力はそんなに大きくないですよね…?
これは「影響力」の内容にもよりまして、難しい問題ですね。
でも思ったより仏教の影響というのは大きいのですよ。暦にも、お彼岸とかお盆とかふつうにありますし、お盆はなぜか会社もやすみだったりするし、除夜の鐘も鳴らしますよね。これはみんな仏教です。そういうふうに根づいてしまった文化というのは形を変えてもなかなか消えないものなんです。(ほとんどの日本の家が「お寺にお墓」だったというのも凄いと思いませんか?)
仏教用語で現在知らずに使っている言葉もとても多いです。(「縁起をかつぐ」とか「御陀仏になる」なんて言い回しもふつうにしますね)
そういう意味では「影響力」はたいへん強かったと思います。そもそも全国に寺のない町と言うものがない‥‥明治時代に廃仏毀釈で寺院がかなりの数壊されたことをおもえば、そりゃあ凄い数だっただろうと。
ご参考までに。
では。
お礼
あぁ!そうなんですね。 いろいろ勉強になります。 >明治時代に廃仏毀釈で寺院が管理の数壊されたこと 知りませんでした! これは近代化への道筋で避けられなかったのでしょうか。 政府がこれを行い、それが歴史として残っているということは、仏教ってかなり人々になじんでいたものなんでしょうね。