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BFO、クリスタルマーカーの使い方
古いBCLラジオを入手しました。おそらく短波受信時に使うものと思うのですが、「BFO」の連続可変器とクリスタルマーカーのスイッチが付いています。恥ずかしながら、この使い方が分かりません。そもそも、どのような目的で、如何に使いこなすのか、ご教示お願い致します。
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懐かしい名前を聞きますね。もう30年くらい前になるでしょうか、一時BCL(Broad Band Cast Listening)が流行したときに発売になったラジオについていたものです。 BFO:(Beat Frequency Osillater 日本名では「うなり信号発振器」) 短波を受信していると、一般の振幅変調(AM)とは異なる、抑圧搬送波単側波帯(よくあつはんそうはたんそくはたい 以下SSB)という信号を受信することがあります。これは文字で書くと面倒ですが、AM信号から搬送波と片側の側波帯を取り除いたもので、一般にはプロダクト検波と急峻な特性の持つフィルタが必要です。そのままでは「モガモガ」としか聞こえません。これを簡易的に復調するために中間周波数で搬送波の代わりとなる信号を発生させ合成させます。この信号がBFOです。BFO信号を加えるとふつうの検波方式でも感度は落ちますが復調できます。また、このころのラジオは中間周波数に455KHzを使用しているものが多く、BFOもこの周波数となります。ただし、先ほどの説明で「片側の側波帯」と書きましたように、どちらの側波帯を除去するかわ送信側で決めますので、どちらも受信できるようにBFOを可変できるようにしてあります。お持ちのラジオはこのBFOが可変できるつまみが付いているのでしょう。単にスイッチだけの場合は自動的に切り替わるようになっているのかもしれません。10MHz以下はLSB(Lower Side Band)、10MHz 以上は、USB(Uper Side Band)を使用するのが慣例でした。なお、SSBはアマチュア無線によく使われています。 クリスタルマーカー: 最近のラジオは周波数をデジタルで直読できるのがあたりまえですが、当時はそんなことはとてもできませんでした。送信する方も受信する方も「このあたり」で周波数を使っていたといっても過言ではありません。しかし、それでは不便な(送信する方は、ある程度精度がないと免許が下りない)ため、「電波のものさし」が必要でした。これがクリスタルマーカーです。水晶発振子をちょっと変わった発振回路で発振させ、信号を取り出すと基本の周波数の整数倍の信号を広く含んでいます。たとえば、1MHzの水晶を発振させると1,2,3,4,5・・・・MHzの信号を取り出せます。これをラジオの近く(あるいは内部)に置くと、強いビートが受信できます。発振器の電源を入れたり切ったり手動でできますので、電波なのかどうかははっきりと確認できます。さすがに1MHzくらいはダイヤルで読めますので、これでたとえば3MHzに合わせ、以下、1MHzの信号を分周させて100KHzの信号で900KHzに合わせ、3.900MHz。次に25KHzの信号で3.950KHzというように周波数を探しました。 以上の説明でおわかりのように、短波放送、あるいはアマチュア無線を簡易的に受信するための回路です。出始めはソニーのスカイセンサーシリーズだったと記憶しています。このころは、デジタルカウンターがあこがれの機器でした。
お礼
PMN様 十全なご回答ありがとうございます。その仕組みがとても良くわかりました。アナログ時代の知恵、工夫も素晴らしいですね。手探りのチューニングの楽しさが忘れられてしまったのは残念です。出来れば30ポイント差し上げたい位の良回答を頂きました。