ニューヨークから失礼します。当地にてカスタムクロージング(日本語のオーダーメイドのことです。ちなみにオーダーメイドと言ってもイギリスでもアメリカでも通じません。)を主にアッパークラスのアメリカ人相手にさせていただくとともに、服飾評論家もいたしておる者です。
ご質問を拝見して、やはりすぐに思い浮かんだのは、”ビキューナ”でしたが、(ちなみに当地では”ヴァイクーナ”くらいの感じの発音になりますが)そうでないのならば、もしかして当地では”オナカ”くらいの感じの発音で呼ばれている動物で、日本では”グアナコ”と呼ばれている動物のヘアーを織物にして使用した商品では、とも考えたのですが、いかがでしょうか?
”ビキューナ”については、その昔”ビキューナ”の原毛を追いかけて欧米の業者が、アンデス山中の獣道を原住民を這いつくばせて落ちている”ビキューナ”の原毛を採取させた、という逸話もあるくらいのすごい繊維でした。 このところ何十年もの間、ワシントン条約によって、狩猟が禁止されてきましたが、ペルー経済の底上げ、後押しを目的としてイタリアのアニオナ社とロロピアーナ社(彼らは欧州の王族貴族の片棒担ぎの業者です。)が協力する形で、”ビキューナ”の”養殖”がはじまったのです。 はっきりと覚えてはいないのですが、それが10数年前の話でしたでしょうか。その後、日本の某繊維商社が、このプロジェクトで出来上がったコート数着分の生地を日本へ輸入する際、成田の税関の人たちが総出で出迎えた云々というエピソードも残っています。 それと、確かまだ私が日本にいる頃〔1990年代の初め)、銀座の某高級テーラーでは、”ビキューナ”のコートは、ベンツ(高級仕様)と同じくらいの値段、と聞いてびっくりした覚えもあります。 であれば、下着ならば百万円レベルというのも、その通りでしょう。ちなみに、”ビキューナ”については、とても染色がしにくい繊維のようで、ほとんどが原毛の色を生かした深みのある茶系の色なのですが、グアナコについては、カシミアと同様に、ブラック、ネイビー、グレーなどオーバーコート(英語では、コートというと日本語のジャケットのこと。)用の深みのある色調に染色されます。かつてのこうしたオーバーコートは、現代で言えば、マイバッハか何かに相当するような階級差別化のアイテムであったのです。 また、すでにお亡くなりになられた日本の粋人の方がたの中には、高級料亭に出かける際に、専用者からおりて、料亭の玄関へ入るまでの数10メートルの距離を肩に羽織るためだけに”ビキューナ”でコートを仕立てさせた、という逸話も聞いたことがあります。さぞかし、料亭のもてなし方もスペシャルだったことだろうと思われます。
みなさんも冬場に欧米(特にヨーロッパ)にお出かけの節は、いい素材のオーバーコートを持っていかれるとよいでしょう。ホテルやレストランの対応も違ってきます。 当然コートの長さは膝が充分隠れる長さであることが必要です。
以上、はずれていたら御免なさい。
お礼
パシュミナでしょうかね・・ 聞いたのは今から12~3年前、カシミアも高いですが カシミアなんかより桁違いに高い それこそ肌着上下で10万とか(詳しい金額失念しました、ただ、2~3万では驚かないと思いますので、オシャレでなく防寒用途の肌着として考えられない価格帯)だったと記憶してます その数年後に女性にパシュミナのストールがブームになり、比較的安く買えたり、あまりにもストールというアイテムが流行り、化繊でも『ストール=パシュミナ』みたいに呼ばれてる事もあったりして パシュミナでは無いと思い込んでいましたが・・ 今よく考えるとパシュミナだったのかな・・ でも、検索してもパシュミナの肌着って・・売ってませんね 回答ありがとうございました