こんにちわ、これは1940年代のはじめごろにジャズから発生した単語ということになっています。
jam session とか、jamming in という用法から出て来ました(最初はバンドマンだけの隠語でした)。
このジャムとは、もともと交通渋滞などのごっちゃになった状態を示すjamと、パンにつけるjamがぐちゃぐちゃに練り混ぜられて融合している様子をうまく体現したセッションのあり方といえます。
1940年代、ジャズは大改革期にありました。
つまり古いダンス伴奏音楽だったスイングビッグバンドジャズから、まじめに音楽だけを高度に追求する「モダンジャズ」(ビーバップ)に向かう大構造改革の時期でした。
なかば仕方なく飯の種で演奏しているビッグバンドの仕事が終わる深夜から朝方にかけて、本当にジャズの可能性を追求したい腕を磨きたいプレイヤーが、「ギャラはいらないから俺達に勝負させてくれ!」と深夜営業のクラブが主催する「勝ち抜きジャズ合戦=つまりこれがジャムセッションの元祖」に参加したくて列を成した時代がありました。
あるプレイヤーは、白人有名バンドのメンバー、あるプレイヤーは名もない黒人ローカルプレイヤー(だが腕前はプロ以上!など)・・・といった通常では考えられないごっちゃごちゃの夢の編成、それも今夜限り偶然の組み合わせ、リハーサルもなし、ぶっつけ本番、という「ジャムなぐちゃぐちゃ要素」たっぷりのセッションが、ジャムセッションです。
最初はミュージシャン同志の自己鍛練として自発的な一発その場セッションでしたが、そのうち、「こんな意外な夢の顔合わせは商売になる!」と目をつけたプロモーター(ノーマングランツという人が有名です)が、「ジャム」と銘打ったコンサートを実施する等して段々変質して来ましたが、
「一回限りのぶっつけ本番顔合わせ」とか、「ミュージシャンどうしの自発的な勉強の場としてのセッション」という意味は、21世紀になった今でも脈打っている「JAMの精神」です。
だから、固定されたバンドのメンバー同志がいつも同じ面子で練習やコンサート出演することを「jam」とは絶対に言いません。
(もし本当に言っていたら、それは言葉の意味を知らずにノリで軽く口から出任せの単語として間違った使われ方をしていると理解してあげてください^^)
補足
お詳しいご回答ありがとうございます。ご説明いただいて納得し感じ入ったのですが、再度質問です。 ところで自身も音楽をやることもあるのでよくバーなどの生演奏のライブを見学しに行きます。 今週も知り合いのジャズバンドが演奏をするのですが、前々から「You'd be so nice to come home to」(帰ってくれてうれしいわ)を「飛び入りで唄わせて♪」とお願いしていたのですが、彼に「考えておく」と言われたので「あー断られたな」と思っていたのですが、今日連絡があり「ステージ2回のあとのJAMでやらないか?」というお誘いがありました。 えーっと!思いあきらめてたので嬉しかったのですが、当方セッションなど初めてす。そしてJAMについて知らなかったのでここで質問してわかった上で返事をしようと思った次第です。 つまりはこの返答は「本番はダメよ」という意味なのでしょうか? 本ステージ後のフリータイムのお遊びでなら、という意味でならこちらも少し気が楽ですが、どういった雰囲気になるのでしょう!?