文字だけで説明するのはちょっとむつかしいのですが、なるべく分かってもらえるように書きます。
電車と自動車ではタイヤの形が違うのです。もちろんゴムか鉄かの違いもありますが、それ以前に形そのもが違うのです。
自動車のタイヤを正面から見ると、長方形ですね。角は丸く太鼓状にはなっていますが、基本的には長方形です。立体としては円筒形です。
一方、電車のタイヤを正面から見ると台形です。台形は線路中心のほうが数学で言う長底、外側が下底です。長底の内側にさらに脱線しないようにつばが付いています。
左右のタイヤは線路中心を心にして対称に作られています。
まあ、台形と言うより円錐形というほうが正確です。
直線の線路を走るときは、左右のタイヤとも対称位置で転がります。
カーブを曲がるとき、車体は直線運動を続けようとする力と、遠心力とで、カーブの外側に押し出されます。このときカーブ外側のタイヤは台形の長底に近いほう、内側は下底に近いほうを転がることになります。
台形の長底と下底とでは、その周の長さが違いますから、車体は円運動を描くことになります。
こうして電車はハンドルや舵がなくてもカーブを上手に曲がっていくのです。
トンガリコーンを横にして転がすと、まっすぐは進まず円を描きますね。物理的には電車もトンガリコーンと同じなのです。