肌に必要以上の刺激を与えてしまいますと,その部分に生えている毛が太くなって,肌を保護しようとします。
ヒゲが濃くなる原因は,男性の場合,ホルモンの関係もありますが,これは,男性女性の区別なく,濃くしてしまう原因としてあげることが出来ます。
ということで,まずは,カミソリや電気シェーバーを肌に押しつけないことです。
それから,絶対にヒゲを抜かないこと!
また,切れるカミソリを使うこと!
これらはヒゲを引っ張ってしまい,必要以上の刺激を肌に与えてしまいます。
しかも,ヒゲを強く引っ張り続けていますと,ブヨブヨした変に太いヒゲになってしまい,私たち理容師でも剃ることが難しいヒゲに変化してしまいますので,充分注意するようにしてください。(特に,電気シェーバーを使う際には,切れ味の落ちがわかりにくいですから,気を付けてくださいね)
カミソリを使用してヒゲを剃る方法を説明しますね。
まず,剃る直前に,40℃くらいのお湯で洗顔するか,または,41~42℃のお湯に浸して水分が滴り落ちない程度に絞ったタオルで剃ろうとしている部分を温めるか,必ず,どちらかをするようにしてください。
また,洗顔やホットタオルの前に,石鹸の泡を付けるとより効果的です。(石鹸は,軟化剤として使いますので,擦る必要はありません)
なお,石鹸は,泡立てネットとか泡立てボールなど,または,ヒゲブラシ(1番のお薦めです)を使い,充分細かく泡立たせてくださいね。
ちなみに,肌を温めるのは,肌を充分引っ張ることが出来るようにするためと,はがれかけて硬くなっている角質やヒゲを軟らかくしてカミソリの刃が引っかかりにくくするためです。
剃る直前には,必ず,シェービングフォームか,または,石鹸の泡を付けるようにしてください。
これは,剃った場所をわかりやすくするためと,ヒゲを軟らかくするためです。
なお,シェービングフォームよりも石鹸の方がヒゲが軟らかくなると,私は感じています。
というのも,シェービングフォームを付けてヒゲを剃りますと,私の場合,バリバリッと音がして,かつ,剃っている部分が痛く感じてしまうのですが,石鹸の泡を塗った場合,ジョリジョリという音はしますが,ほとんどまったく痛くありません。
つまり,それだけ,肌に刺激を与えないで済むということですから,支障がない限り,石鹸を使うことをお薦めしたいですね。(なお,石鹸は,化粧石鹸か洗顔石鹸を使うようにしてください)
カミソリの刃は,出来る限り寝かせてください。
もし,カミソリの刃が肌に対して立っていますと,つまり,肌に対して90度に近い角度になっていますと,肌を切りまくってしまうようになってしまいます。
特に,切れ味が良い刃を使っている場合,肌に触れただけで切ってしまいますから,出来る限りカミソリの刃を寝かせて肌に触れさせてください。
なお,理想は肌に対して15~20度くらいの角度なのですが,カミソリによっては,特にT字シェーバーがそうですが,この角度にすることが出来ない場合もあります。
その場合は,出来るだけこの角度に近づけるようにしてくださいね。
ちなみに,TVコマーシャルや雑誌の広告で見かけるT字シェーバーの角度は,商品をよく見せる角度であって,ヒゲを剃る角度ではありませんので,勘違いしないようにしてくださいね。(あれよりももう少し「柄」を立たせた方が良いですね)
なお,T字シェーバーを使う場合,現在,1枚刃のものは販売されていませんので,必ず,複数枚です。
ですから,カミソリの角度としては,2枚以上の刃が肌に触れる角度にしてくださいね。
カミソリを肌に当てる直前に,これから剃ろうとしている部分の肌を充分引っ張るようにしてください。
というのは,肌を充分に引っ張りませんと,カミソリの刃の直前で肌がだぶつくようになり,刃から見ますとカミソリの刃が立っていることと同じになってしまうからです。
つまり,肌を充分に引っ張って剃りませんと,肌を切りまくったとしても不思議ではないということですね。
ということで,剃ろうとしている部分の肌は,充分に引っ張ってから剃るようにしてください。
ただし,モミアゲ直下など,場所によっては,カミソリの刃を肌に軽く触れさせてから,肌を引っ張る場合もありますよ。(この場合は,絶対に,カミソリの刃を肌に押しつけないことと,カミソリを動かさないことを守ってください)
カッターナイフなどの使い方を思い出してもらうとよくわかると思いますが,カミソリは,絶対に横に動かさないようにしてください。
横に少しでも動かしますと,肌,簡単に切れてしまいますよ。
ですから,絶対に,横に動かさないことです。
なお,ワイヤーガード付きのものがありますが,あれは,刃が肌に触れにくくなっていますので,上手に剃ることが出来る人が使用しますと,剃り残しが出来てしまいます。
また,そのために,カミソリを肌に押しつけるようになってしまいますと,肌を傷つけやすくなってしまいますし,さらに,ワイヤーガードと刃の間にヒゲや産毛が挟まるようになってしまい,ヒゲや産毛を強く引っ張ってしまうようになることから,ヒゲを抜くという行為ほどではないと思いますが,しかし,毛穴の中が炎症を起こしてしまう可能性が高いと考えられます。
ということで,ヒゲの専門家である私は,あまりお薦め出来ない代物ですね。
冒頭部分の繰り返しになりますが,カミソリの刃は,絶対に,押しつけないでください。
軽く肌に触れる程度(私たちは,15~30g程度の力と言っています)で,剃るようにしてくださいね。
もし,カミソリの刃を押しつけるようにして使いますと,肌を充分引っ張っていても,肌がゆるんでしまい,だぶつくようになりますので,どうしても,肌を切りやすくなってしまいます。
ですから,絶対に,カミソリの刃は,肌に押しつけないことです。
これも冒頭部分の繰り返しになりますが,カミソリの刃は,出来る限り,切れ味の良いものを使用してください。
切れ味が鋭すぎる刃の場合は,刃を充分に寝かせて使用することで,肌を切ることを回避出来ますが,切れ味が落ちた葉を使用しますと,ヒゲはもちろんですが,産毛でも刃が止まってしまい,横滑りするようになってしまいます。
横滑りすると言うことは,意図しなくても,横に動かしたのと同じですから,肌を切りまくったとしても不思議ではありません。
ですから,カミソリは,替え刃や使い捨ての場合は,一般的なヒゲの人は,15~20回程度使用しましたら,必ず,交換してください。
Solingen(ドイツの地名ですが,ここではその地方で作られたカミソリのことを指しています)のように研ぐタイプのカミソリは,その回数を目安に研ぐようにしてください。
なお,ワイヤーガードなどの肌を切らないためのガードは,カミソリを横,または,それに使い角度で動かさないことと,切れ味が鈍った刃を交換することで,必要がなくなりますし,また,ガードがあることで,刃が肌から浮いてしまうことで肌に刺激を与えやすい上に,剃り残しが出来てしまうなどの問題がありますので,私個人,ヒゲの専門家としては,あまりお薦め出来ないですね。(ただし,顔剃り初心者でよく顔を切ってしまう場合は,使用を考えても仕方がないと思っています)
剃り終わりましたら,必ず,洗顔するか,または,ホットタオルで顔を優しく拭いて,シェービングフォーム,または,石鹸の成分を取り除くようにしてください。
その後,必ず,スキンミルクやスキンクリームなどを塗り,スキンケアすることを忘れないでくださいね。
もし,忘れてしまいますと,肌が空気の刺激を売れるようになってしまい,その刺激のためにヒゲが濃くなる可能性がありますからね。
カミソリに女性用とか男性用というものがありますが,あれは,用途(主に使う場所)の違いや,持ちやすさや好みによる形状の違いなどで,区別していると考えて良いと思いますよ。
ですから,女性用(主に,体毛を剃るためのものです)を男性がヒゲ剃りとして使用しても構わないのですが,その幅が狭いということもあり,たぶん,男性では使いづらいですね。
なお,私たちプロが使用するカミソリには,男性用とか女性用などというものは存在しません。
また,私たちプロが使用する替え刃は,ホルダーに付ける枚数が違うだけで,刃そのものはみなさんが使用しているものとまったく同じです。(まぁ,刃の幅の違いがあるかもしれませんが・・・)
もし,刃そのものを強いて区別するのであれば,あれは,女性の産毛でも剃れるように調整されていますので,女性用ということになるでしょうね。(ヒゲよりも産毛の方が剃りづらいのですよ)
最後に,もし万が一,カミソリを床などに落とした場合は,必ず,刃を確認してください。
そして,もし万が一,ほんの少しでも刃が欠けたようになっていましたら,必ず,刃を交換するようにしてください。
ほんの少しでも刃が欠けているのを目で確認出来るようですと,その部分で,肌を引っ掻いてしまうようになることから肌を傷つけやすくなったり,ヒゲや産毛が引っかかってしまうことでヒゲや産毛を引っ張ってしまいますので,ヒゲが濃くなってしまう可能性があります。
もちろん,落とさないようにすることが大切ですが,万が一,落としたときには,必ず,確認するようにしてくださいね。
補足
なるほど~、女性用と男性用とでは毛の資質の違いからカミソリも違うのですね。では、男性用のであれば特にやめておいたほうがよいカミソリなどはないでしょうか?またはお勧めのカミソリなどありましたら、お教えして頂けますととてもありがたいです。 とっておきの裏技についてですが、おすもうさんは睾丸を体内にいれているのですかぁ。以前から大事な部分、どうしているのかな?と思っていたのですがそんな事をしていたのですか。知りませんでした。毛にも効果があるそうですが、少し怖いですよね。他人に入れるの手伝ってもらうわけにもいかないし・・・