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第九の楽譜 ベーレンライターとブライトコプフの違い
第九の楽譜の主たるものに、ベーレンライター版とブライトコプフ版があると思いますが、楽譜の違いが知りたいです。 (自分で気がついているのは、4楽章トルコ・マーチの前の、コントラファゴットの音が1オクターブ違うことだけです) 違いを明記しているサイトまたは書籍はあるでしょうか。 また、一般的にどちらで演奏されることが多いでしょうか。
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こんにちは。アマチュアオーケストラ経験者です。 >楽譜の違いが知りたいです。 それぞれの版の位置づけや,実際に楽譜の違いは,ここにほぼ網羅されていると思います(かなり専門的ですが)。 http://www.ri.kunitachi.ac.jp/lvb/rep/hujimoto03.pdf また,ベーレンライター版のスコアを購入すれば,そこにも何らかの解説はついているものと思います(私は持っていないのであくまでも推測ですが)。 >一般的にどちらで演奏されることが多いでしょうか。 私の記憶では,ベーレンライター版による演奏が出始めたのは1990年代になってからだったと思います(上記資料によれば出版は1996年)。つまり,それ以前の演奏はすべてベーレンライター版ではないという事になります。 出版以降は,ベーレンライター版の演奏の方が多いでしょう。ベーレンライター版は最新の研究成果を実際に形にしたものという位置づけですから,ある意味当然だと思います。今後もこれをベースにした演奏が当然増えていくと予想しています。 しかし,CDになっている演奏ですと,出版以前に録音した過去の人も含め,どの指揮者も自筆譜や文献を参照しながら独自の研究を行っているため,過去の演奏でもベーレンライター版と同じように変更されている部分があったり,ベーレンライター版の演奏でもブライトコップ版のままになっている部分もあります。「完全なベーレンライター版演奏」や「完全なブライトコップ版演奏」というものは,私の知る限り存在しません。 ---<以下,余談ですが>--- ベーレンライター版と明記している演奏としては, ☆ジンマン指揮 チューリヒ・トーンハレ管弦楽団 ☆アバド指揮 ベルリンフィルハーモニーオーケストラ ☆ラトル指揮 ウィーンフィルハーモニーオーケストラ といったところが有名かと思います。最近はノリントン指揮のシュトゥットガルト放送響の演奏も話題ですが,ベーレンライター版かどうか不明です。 上に挙げた演奏は,いずれも過去のベートーヴェン演奏とはずいぶん違ったアプローチですが,版の選択の問題というよりは,それぞれの指揮者の演奏解釈の問題と捉えた方がよいと思っています。ぱっと聴いて目立つのは速めのテンポ設定ですが,これはベーレンライター版だから,という事ではありません。楽譜上の速めのテンポ指定はブライトコップ版もです。 *ベーレンライター版出版に至るまでの研究の進展が,以前は単なる間違いと解釈されることが多かったベートーヴェンのメトロノーム指定を忠実に再現しようとする動きにつながった,とは言えなくもないとは思いますが。 テンポ以外の部分でも,楽譜の違いそのものが,単に聴こえる音が違うという事でなく,音楽表現に大きく影響している部分は,あまりないように感じています。なので,個人的にはあまり気にしてません。 (実際に全曲楽譜を見ながら聴き比べたわけではないですが・・・) --- 長文失礼いたしました。ご参考になれば幸いです。
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- miyamoza
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金子建志さんの「第九」をお読みになれば? 漫然と聴いているのが恥ずかしくなること請け合いです。
お礼
こんにちは。 「第九」、図書館で借りてきて、ゆうべパラパラとめくってみました。 第九は30回以上ステージに乗っていますが、知らないことが盛りだくさんでした。 これからじっくり読みます。どうもありがとうございました。
お礼
こんにちは。お礼が遅くなりまして… 参考URL、拝見しました。 すごいですね、仰るとおりかなり専門的ですが、頑張って読んでいこうと思います。 なお、手元にベーレンライター版のスコアがあるのですが、ブライトコプフ版との違いは明記していないようです。 (私が持っているのはB5サイズの簡易的なものなので、もっと大きなものなら付随しているのかもしれませんが) とても詳しいご説明、ありがとうございました!