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画家としてやっていくための経歴(公募展・コンクール・学歴)について

こんにちは。 最近小説を書き始めたのですが、主人公の一人は画家という設定にしたものの、この世界のことがいまひとつよくわかっていません。 画家としてやっていくためには色々なことが必要かと思いますが、公募展やコンクールでの入賞の経歴というのも世間の人の判断基準のひとつになっているかと思います。 また、その過程として有名な美大や芸大に入り著名な先生について優秀な成績・作品を残す(これも何かの「入賞」歴ということになるのでしょうか?)、留学をするなどということが考えられるのかと思いますが、 『誰が見てもコレは優秀な経歴だ!このひとは売れている画家に違いない!!』 という説得力のある経歴(公募展やコンクール・留学暦)にはどのようなものがあるのでしょうか? 日展や二科展という名前くらいは聞いたことがありますが・・・(^_^;) 設定としては、中学生の頃からこつこつデッサンを始めた「彼」が油彩を描き始めて高三くらいで世間に認められバンバン絵が売れちゃって20歳頃には知名度抜群のいっぱしの芸術家に・・・というユメのようなおはなしにしたいのです~(ごめんなさい怒らないで~) 勿論、実際に絵を描いて生活するのはとても大変なことで、そんな簡単にいい作品がバンバン描けたり、ましてやそれがあっという間に世間に認められて~なんてことはそうそうあることではない、というのはなんとなくわかっているのですが、できればそのあたりは目をつぶった上で、こんな天才がいたらこんな経歴が相応しいだろうというアドバイスがいただきたいのです。 実は亡き祖父が(あまり売れない)画家をしていましたが、私も最近遺された画材を使って絵を描き始めており、小説のネタというだけでなく純粋な興味もあります。 どうぞいろいろ教えてください。

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回答No.9

さて何からお話ししようか迷う所ですが気が付くままカコキしますから纏まり難いし解りにくければ質問してください。 まず所謂、日本の画壇と言われるものは大体、数多くの公募団体に所属する作家と、画廊等の団体、美術評論家等、美術館関係者、他にフリーで活動を行う作家等の芸術を生業の一部と為す人達の事を言いますが、この中で作家についてお話します。 公募団体で活動を行う作家とフリーの作家の数はそれぞれ掃いて捨てるほどいますから,其の人数は定かで有りません。公募団体は歴史も有り比較的大きいと言われる団体は約50~60位(東京都美術館等で団体展を現在の所、行っている。)小さい公募団体まで入れた数は解りませんから美術年鑑ででもお調べ下さい。 この団体の中で最大の団体が日本画から洋画、版画、彫刻、写真、工芸、書道等殆ど全ての部門を持つものが日展ですが、他の団体はこれほどの部門は持ちません。二科、行動、春陽、日軌、モダンアート、一陽、示現、国画、旺現、自由美術、etc..etc..etc...数え切れないほど有ります。 この中で多分どの団体でも同じですが、それに所属する人は、一般、会友、会員(団体によっては準会友、準会員などがある。)などと3種のランクで構成されますが、一般と会友は被審査(会員により審査される)と無審査の会員に分けられます。一般はフリーの人が多く、其の団体に拘束されません。会友会員は暗黙の了解のもと拘束され、他の団体に出品することは有りません。(各会派の設立主旨が異なりますから当然ですが!!) 普通はこの一般、会友の中から数種の賞が与えられます。(会員にも賞がある会派もある。)才能が有る場合は、これ等の賞を受賞するようであれば、一般から会友へ早い作家で3~5年遅い場合は5~10年、会友から会員には3~10年審査する会員が見て納得するような作品を其の団体展で発表する必要があるのですが、勿論年数と言うより作品の質に依るし、才能にも依るし、団体によっても異なります。 この拘束を嫌う事からフリーの作家が多い訳ですが、作品を自分だけで発表し続ける事は気力の点から大変な事ですし、自分に才能が在るのか無いのか基準と成る物が無い為、団体の中で活動する事はある意味、活動の目安となり楽なのかもしれません。 素人さんが、新進気鋭などと言う言葉を簡単に使われますが、上記のように団体展だけでも之ほど多いのです。其の団体の中で新進気鋭であっても他の団体から注目される事は殆ど有りませんし、其の作品を扱う画廊がこぞって同じ作家を扱う事は殆ど無い為、特定の新進気鋭作家がバカ売れする事は、本人にそのプロモーター的才能が有るか、海外で認められる以外殆どありません。(新進作家ではないが、村上隆司、奈良由智等は本人にこのプロモーター的才能があった。・・・・彼等でも売れるまでに何年も要した。) 又、日本では抽象より判り易い具象の作品が扱われ易いのですが,現在の芸術事情としては、其の作品に昔のように技術の優秀性を求めるのではなく、技法、独創性、更に言えば芸術としての存在意義すら求めます。つまり、芸術として画壇が評価する物と売れるものは一般には違うという事です。勿論同じになる事も有りますが、己で其の判断を下せない様な日本的風土の中では外国で評価される方が売れる可能性が高いといえます。 何方かの回答者が若くて日展は違う気がするとはこの事で、現代美術とは言い難い部分でも有りますし、新進気鋭と言えど技術技量の点で老練な作家に全く、及ぶべくもありませんし、新しい作家には、その様な技量技術的才能を画壇はのぞみません。若くしてその様な技術在ったとしても違う方向の作家が注目されると思います。(芸術大学の教官にはもう日展系は少なくなっていると認識していますが?) 売れる絵とは、売りやすい絵(解り易くて有名作家、解り難いが才能ある有名作家、外国で評価された有名作家、プロモーターがしっかり付いた作家等、勿論作家自身に才能が有る事が前提です。其の他話題性のあるタレントの絵も!)事を言います。新進気鋭の作家がこのどれかに当てはまれば売れますが、そうでなければ才能があっても売れません。 次にコンクールの事ですが、一般公募のコンクールと招待作家のコンクールなど様々な形式の物が有りますが、バブルの頃とは違い随分と少なくなったと聞いています。勿論これは公募団体展と違いアマからプロまでどのような作家が出品しても基本的には平等ですが、抽象傾向のもの、具象傾向のもので違いますし、審査員によっても傾向が異なってきます。現在存在するものでは、洋画の場合小磯良平大賞展が平面作家の場合垂涎の的だったと思います。(かっては安井賞でしたがもうない) 又、ビエンナーレ、トリエンナーレとはコンクール形式の事で2年毎のものがビエン、3年毎のものがトリエンです。(ギリシャ語かラテン語) 貴方のカコキで少なからず考えたのですが、私は才能が即売れるようになるクリエイターの分野としてはゲーム、CGの分野だと思うのですが如何ですか?またはっきり言えば、この様な形としてのアートより、コンテンポラリーアート、コンセプチユアリーアート(所謂、先端芸術)に若者は興味があるのでは?と考えます。 他に聞きたい事があれば補足にお書き下さい。解る事であればお答えしますし、また気付いた事があれば補足致しますが、以上述べたことはあくまでも私の主観であり、其の事について責任を取るものでは有りません。 尚私の、別の回答の中で現代美術についての過去ログがありますが是非一度御覧下さい。

a2000
質問者

お礼

大変詳しくお書きいただきまして、ありがとうございます。また、事情により暫くPCが使用できなかったため、お礼が遅くなりまして誠に申し訳ありませんでした。 公募団体の全容についてはいくらネットで検索してみてもまったく雲をつかむような気持ちだったのですが、今回このように体系的にわかりやすく教えていただいたおかげで、非常にスッキリいたしました! 本当にありがとうございます。 また、過去ログもいくつか拝見いたしました。どの質問にもとても親切に答えていらっしゃるlisanakanoのお人柄が窺えるようです。今後とも参考にさせていただきたいと思いますので、どうぞ宜しくお願いいたします。

a2000
質問者

補足

お答えいただいた内容について、何故「日展」が私のような素人でも名前を知っているほどに有名なのかと思っていたのですが、そのようにジャンルが多岐に渡っている為耳に触れる機会も自然多かったということもあったのですね。 >何方かの回答者が若くて日展は違う気がするとはこの事で、現代美術とは言い難い部分でも有りますし、新進気鋭と言えど技術技量の点で老練な作家に全く、及ぶべくもありませんし、新しい作家には、その様な技量技術的才能を画壇はのぞみません。若くしてその様な技術在ったとしても違う方向の作家が注目されると思います。 というお話ですが、「日展」は伝統的なものを重んじているがために「現代美術」的な作品傾向にはなく、また技量技術的才能が重視されているということでしょうか。そして、画壇としても若手作家には日展的価値(高度な技量)を必ずしも求めていないということですね。これが、売れる(人気がある)ことと所属団体がすぐに直結しているわけではないということの一例にもなるのでしょうね。 >会友会員は暗黙の了解のもと拘束され、他の団体に出品することは有りません。 ということは、一度ある団体の会友になってしまうと、長年描いているうちに作風が変化したので今度はあっちの団体にも出してみようかな~などというふうに複数の団体に関係していくということは無いということなのですね。 公募団体は、云わば学会のようなものかと思っていたのですが・・・。 でも、「会員」迄であれば、複数の団体に所属していらっしゃる方もいるようですね。 >芸術として画壇が評価する物と売れるものは一般には違う これも解かる気が致します。特に一般人が絵画に求めるのにはインテリア性も重視されるように思いますので・・・。 「売れる絵とは、売りやすい絵」というお話も頷けました。私の祖父も、「売る絵」とそうでない絵を描き分けていたようです。 さて、いろいろ教えていただいたことを総合するに、他の媒体とのコラボレーションなどで大々的なプロモーション活動が伴わない限り、油彩が専門で地道な創作活動を主とする若手作家が「がんがん売れて知名度抜群」というのはかなり無理がありそうなので、「其の若さにして幾人かの裕福な出資者も付き、絵を描くことのみによってようよう生活を成り立たすことができる程にまでなった」くらいにしたほうがよいかもと考えるようになりました。 今回は割と古風な雰囲気の設定にしたいと思っておりましたので、アドバイスいただきました「先端芸術」はチト内容にはそぐわないため今回は見送りたいと思いますが、せっかくいろいろ教えていただきましたのでこれを生かしてまた別のものも書いてみたいと思います。 本当にありがとうございます。

その他の回答 (13)

  • fitzandnao
  • ベストアンサー率18% (393/2177)
回答No.3

日本でそのようなことは不可能ですね。 なぜなら日本人はお墨付きのない絵は買わないからです。そしてお墨付きは若い人、後ろ盾のない人には与えられません。 アメリカで認められて売れ、日本に戻ってバンバン売るというのならありかも。

a2000
質問者

お礼

油彩、高いですものね。自分が好きという理由だけで数十万・数百万と出す人はそういないのも頷ける話です。 海外で認められれば日本でも人気が出る、というのも事実なのでしょうね。マスコミも取り上げやすいし。 沢山売れるためには知名度も必要で、知名度のためには作品力だけでなくプロモーション力も重要で、なんだか切ない話ではありますが・・・。 ありがとうございました。

noname#107878
noname#107878
回答No.2

 たしかに一応の美大に学び、高名な画家の指導を受け、日展や二科展で入賞し.....、あるいは、過去にはフランスあたりの高名な画家に師事......なんて経歴を持つ方の場合は、その経歴ゆえに作品の売れ行きも知名度も上がりやすい(やすかった)とは言えるかもしれません。  ひょっとしたら、「白い巨塔」じゃないけれど、師事した高名で有力な師匠の推薦やお墨付きといったことも、その活動と実績の背後に存在するのかもしれませんしね。  その一方で、山下 清画伯のように、十分な基礎教育を受けたとは言えないけれど、式場隆三郎先生という精神科医でありまた画家でもある方に見出された天才的な画家もいますし、さんまさんの付き人だったジミー大西君、彼の絵などはなんともいえない迫力があるし、わが国でよりむしろアメリカで高く評価されている、こんな天才画家たちもいるわけです。  また、実際に知っていることとして、祖父がパトロンというか多少の援助をしてさし上げていた高校教師の方などは教鞭を取るかたわら熱心に制作に勤しまれ、日展などに応募しては落選の繰り返し、しかし今日ではこの界の重鎮と評されるまでにおなりになっています。  また、チャーチル会などといった団体に所属して評価と知名度を高めたという方もいらっしゃいます。  つまり、今では高名な画家の先生方もその経歴の面ではいろいろといったところのようです。  さて、わたしも絵を描き小説も書きますので、余計な意見を。  小説って、とにかく少なくとも一冊の三分のニぐらいは読者をフラストレーション(欲求不満)の境地に追い込んでおく......というのがコツのように思います。そうすることで、読者は、このまま読み進んでいれば、いつかは主人公とともに成功の美酒に酔い、喜びと安堵を覚えられると予測し期待するもの。  逆に最初から万事順調、順風万帆といった書き進め方をしますと、読者としてはその先に必ず破綻と悲劇が待ち受けている......と、どうしても予測してしまいがちなものです。  読み進めた結果、そのどちらでもなかった場合の読者の落胆と失望は如何ばかばかりか.......ということになりやすいものですから、よほどの奇想天外な結末が待っていなくてはブーイングの嵐ということにもなりかねません。  それと、本来虚構である小説に現実性と厚みを沿えて「もっともらしさ」を演出することもかなり大切な要素ですが、これが大変。。。  主人公が活躍する舞台の写実的な描写、また、実際にあった事件や流行などの描写を織り交ぜることでその時代を描写すること、あるいは主人公やバイプレイヤーたちの成長過程、学歴、経歴、生活環境、家族関係、交友関係、性癖、言葉使い等々、これらをつぶさに取材して文章に上手くちりばめて行く......。  これがとても面白い作業なんですが、その取材に要する手間と経費はもう。。。わたしなどはただ一行ほどの描写のためにわざわざ取材先のドイツからひと晩だけロンドンに移動したことすらありました。  さらに、絵がテーマとあれば、名画をはじめ、いろいろな作品とその特徴、あるいは画家の苦労や隠れたエピソードなども知っていて、たとえば主人公にセリフとして語らせることも必要ではないでしょうか。  外国の作家が書いたミステリーなどには絵をテーマにしたものが多いものです。これらもまた、ぜひ一度お読みになっては......と思います。がんばって見事な描写の作品をお書き上げになりますよう、陰ながら応援いたしております。

a2000
質問者

お礼

沢山お書きいただき、ありがとうございました。 しかし、やはり「日展」は権威(ヘンな意味ではないです)なのですね? すみません、それすらもよくわかっていないのです。 ネットで調べてみても、個々の~会というのはヒットするものの、それが全体としてどこに位置づけられ世間的にはどのように評価されているのかがよくわからず、画家さんの経歴を見てもズラリと出展記録のようなものが沢山並んでいて、それがどれくらいすごいことなのか今ひとつ理解できないのです。 おそらく、ランク付けということではなくて、その人の創作の方向性を示す手がかりという意味なのかな、とは感じていますが。 他の分野でなら「ハーバード卒=おっ秀才?」くらいのノリでいけるところが、そうはならないのがアートの世界だとはわかってはいるのですが。 あくまで基本的な知識としていろんな経歴のバリエーションの具体例を教えていただけたらと思いまして・・・。 >三分のニぐらいは読者をフラストレーション(欲求不満)の境地に追い込んでおく そうですよね!! 最近やっとそれに気づきました!(^^;) 書いているうちははやく物語を先に進めたくてつい手の内を全部出してしまいがちなのですが・・・せっかちはいけないですよね、気をつけます。 ちなみに、言い訳するわけではないのですが、この登場人物の場合、仕事は順風万帆なれど精神的には非常に不安定で心の内には深い闇を・・・という設定で、私の稚拙な表現力に少しでもリアリティを出したくて経歴設定にアドバイスをいただけたらとここに質問してみた次第です。(しかしこうして文章にしてみるとなんと陳腐な・・・ハズカシイ。語彙力の欠如が。) それにしても、janvierさんの文章は本当に説得力がありますね!読んでいてぐんぐん引き込まれてしまいました。流石。 私も自分のつくった世界にもっともっと「らしさ」が出せるように研鑽を積んでゆきたいと思います。 外国のミステリーはちょっと苦手で、近代純文系ばかり読んでいたのですが、今度トライしてみますね。 とても参考になりました、ありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします。

  • saekirika
  • ベストアンサー率54% (18/33)
回答No.1

はじめまして。 私は高校生で美大を考えている者です。 私が思うに優秀な経歴を持っているからといって売れている...というのは考えにくいのではと思うのですが、美大で立派というと東京芸大でしょうか? あと私学では武蔵美、多摩美...。 公募展やコンクール・留学暦については無知で申し訳ないのですが、有名な画家さんのHPなどを見られて経歴を探してみてはどうでしょうか?

a2000
質問者

お礼

たしかに、優秀な経歴イコール売れているというわけではないですよね。 逆に言えば、経歴などなくても素敵な絵を描いてファンも沢山いらっしゃる方もいるわけですし・・・。 ただ、素人がわかりやすい形での判断基準のひとつにはなるのかなあと思いまして(^.^) 他の方のHPも、見てみます。 ありがとうございました。

a2000
質問者

補足

それから、私も入賞歴や経歴などより作品そのものをみるべきだと思いますし、そういった形での評価をまったく受けていなくても、観た人が感動し「好き」だと思うことが一番大切なことだとは思っております。 この場合、あくまで設定上リアリティを増すためのツールとしての経歴、ということで・・・。 誤解を恐れて(^.^)、補足してみました。