こんにちは。私の経験から少々アドバイスをしたいと思います。
私がギターを始めたときは、誰にも相談せず、一人で御茶ノ水に行き、あちこち見て回って買いました(かなり無謀ですよね)。もう29年も前の話です。
アコギで、ケース、ストラップ、本体で一万数千円でした。今から考えれば、弦高は高いし、音はよくないしで、弾く気が全くしないようなしろものでしたが、当時はそんなこともわからず、一人で必死に練習したものです。
一年後、初めてライブなるものを経験したとき(ソロの弾き語りでした)は、ほかの人の持っているギターの音のよさにびっくりしたものです(その人たちは、私のテクニックとギターの落差に驚いていましたが)。その日から、手に入るかぎりのカタログを取り寄せ、ため息をつく日々が続きました。
結局、初購入から二年後には新しいギターを購入することになりました。一本目と同じメーカーで、オール・ソリッド、エボニー指盤、ハカランダのサイド/バック、象牙のナット/サドルのモデルで、本体だけで十五万円しました。
私は、小中学生のころ楽器が下手で、それを克服したいという思いから、ギターを始めました。コンプレックスをはねかえすための挑戦でしたから、必死になれたのでしょうね。必死になったから、いろんなことが見えてくるようになり、音質の向上を求めて新しいギターを購入することになったのです。
最初のギターがたとえ四~五万円、いえ、七~八万円のギターだったとしても、間違いなく買い換えていたと思います。
今ではすっかりエレキおやじになっていますが、この手の悩みは、アコギもエレキも同じだと思います(もっとも、エレキは購入後、パーツ交換で多少のグレード・アップが出来ますが、アコギはナットとサドルと糸巻きくらいしか替えられません)。
最初のギターが数万円のモデルでも、何十万円もするギターでも、あなたがまじめに弾き続けていれば、十中八九、新しいギターがほしくなると思います。まじめに引き続けているかぎり、そのギターにしか出せない音や演奏性を求めて、次々とギターがほしくなると思います。
しかし、中途半端な気持ちでギターを始めると、指先は水ぶくれになるわ、Fのセーハが押さえられないわで、すぐに挫折してしまうことも考えられます(実際、知り合いの家に遊びに行ったりすると、そうした青春の名残とも言うべきギターが、勤めを終えて長い眠りについていたりします)。
そう考えれば、初めは安いギターで充分ではないでしょうか。
しかし、ある程度の品質は確保しておきたいのも当然のこと。そこで、高価なギターも出しているような、有名国産メーカーの安いモデルを買うことをお勧めします。フレット音痴、異常なほどのネック反り、塗装不良、ハンダ付け不良、断線といったものは、かなり少ないようですし、保証もしっかりしていますから(有名外国メーカーのものは、数十万円するモデルでも、塗装不良やハンダ付け不良、弦間隔の不均等、部品の取り付け不良が見られたりします)。アイバニーズ、アリア、グレコ、トーカイ、フェルナンデス、フェンダー・ジャパン、ヤマハ(五十音順)といったところはいかかでしょうか?
また、中古を購入するのも手です。ものによっては、何年か前に十万円で出ていたギターが、まずまずのコンディションで三~四万円だったりますよ。ただし、良し悪しがわからないと思うので、必ずギターのことをよく知っている友人に同伴してもらってください。
いずれにせよ、慣れないうちはネット・オークションによる購入は避けたほうがよいと思います。楽器は、やはり見て弾いて選ぶのが本来のありかたですから。