髪の毛の専門家,理容師です。
ですから,市販シャンプー剤も石鹸シャンプー剤も長年使用しています。
まず,勘違いをされている人が多いことに嘆きますし,また,それを助長するようなメディアには,残念な思いがします。
「合成シャンプーは体に悪い」というのは「ウソ」です。
シャンプー剤などが悪いのではなく,間違った使用方法をしている使用者が悪いのです。
腕などに石鹸の泡をつけ,そのままにしておくという実験を,毎日,何日も繰り返していますと,その部分の肌が荒れてしまいます。(私は,実験済みです)
つまり,石鹸だったとしても,または,石鹸シャンプー剤だったとしても,その使用方法を間違えれば,体に悪いわけです。
たぶん,「合成シャンプー」などと書かれていたのは,石鹸シャンプー剤(または,石鹸)を売りたいから,または,本を売りたいからですね。
自分で石鹸を作ればわかるのですが,石鹸に含まれる界面活性剤も「合成」されているのです。
「石油から合成するのが悪い」という人もいるかもしれませんが,石油も自分で作る石鹸の材料も,同じ「油」です。
つまり,同じ油から合成しているということです。
「湿疹ができてしまいヌルヌル感がダメ」ということですから,間違った使用方法でシャンプーなどをしていたということは想像しやすいですね。
一応,市販シャンプー剤の使用に於けるポイントを挙げておきます。
1.
シャンプー剤を使用する直前には,約1分程度,頭皮と髪の毛をすすぎ洗いする。
2.
シャンプー剤は,500円玉程度の量(ポンプ式ボトル入りシャンプー剤の場合は,ポンプ1回押しの量)を手にとり,必ず,5~6滴程度の水分を加えてよく馴染ませ,両手で充分泡立たせてから,その泡を頭皮と髪の毛に移して,優しくシャンプーする。
3.
シャンプー中は,絶対に,爪が頭皮に触れないようにする。
4.
シャンプー剤のすすぎは,シャワーを使用して,頭皮を中心に2~3分間を目安にすすぐ。
髪の毛が長い場合は,髪の毛をすすぐ時間をこれに加える。
シャワー設備がない場合やすすぎに自信がない場合は,お風呂に潜って頭皮をすすぐ。
どうでしょう?
市販シャンプー剤を使用しているとき,正しくシャンプー出来ていましたか?
正しくシャンプーしていれば,たぶん,「湿疹ができてしまいヌルヌル感がダメ」といったことはなかったはずなのですが・・・。
さて,質問の回答に移ります。
まず,石鹸シャンプー剤についてです。
メリット
最初から,シャンプー剤を薄めた状態で使用することが出来る。
そのため,すすぎやすくなるため,界面活性剤が頭皮や髪の毛に残りにくい。
デメリット
pHコントロールが難しい。
そのため,最初は良いが,長く間違ったpHコントロールをしていると,髪の毛がゴワゴワしやすくなる。
また,頭皮も弱ってしまうことがあると思われる。
この他には,最初から薄めて使用するため,防腐剤が入っていないものは,薄めてから約1日で雑菌が繁殖してしまう。(防腐剤入りの石鹸シャンプー剤なら,雑菌は繁殖しません)
次に,石鹸についてです。
メリット
使用する分の界面活性剤だけを溶かして使うことが出来る。
そのため,すすぎやすくなるため,界面活性剤が頭皮や髪の毛に残りにくい。
デメリット
pHコントロールが難しい。
そのため,最初は良いが,長く間違ったpHコントロールをしていると,髪の毛がゴワゴワしやすくなる。
また,頭皮も弱ってしまうことがあると思われる。
この他には,直接,石鹸を頭皮や髪の毛に擦り付けてしまうと,石鹸カスと呼ばれる界面活性剤の固まりか付着してしまうことがある。
この石鹸カスが,頭皮に付着したままですと,頭皮が荒れやすくなり,また,髪の毛に付着したままですと,髪の毛が傷みやすい。
お礼
アドバイスありがとうございました。