妊娠とは、排卵された卵子に精子が侵入して受精が完了、その後増殖した子宮内膜に着床、胎盤形成にいたり完了します。まず、この受精が起きることが必要です。
安全日と言うからには、まず受精が起き得ない日しか該当しないでしょう。受精が起き得ない、ためには、排卵された卵子がない、あるいは、精子が存在しない、少なくともこのいずれかでなければなりません。性行為がない状態、あるいは正しくコンドームを使用した性行為であれば、後者の条件を満たします。また、経口避妊薬 (俗に言うピル) を正しく服用していれば、前者が存在しません。
さて、精子の寿命は、3 日程度はある、と言われています。すなわち避妊手段を伴なわない性行為から 3 日程度は、後者の条件を満たしています。同時に排卵された卵子の受精可能期間も同じようなものですから、排卵が起きた日を中心として前後 3 日、すなわちほぼ一週間 (誤差があります) が、妊娠可能期間になり、この間以外は、妊娠成立の可能性はありません。
しかしここで問題になるのは、排卵日がわからないのです。実際に排卵が起きた後であれば、この日にあったであろう、との推定はかなりの確度でできますが (この一つが 「荻野理論」 で膨大な症例数から、排卵後、妊娠が成立しなかったとき、特段の問題がなければ 14 日目に月経開始を見る)、事前予測ができません。オギノ式、と言うのは 「荻野理論」 の誤った利用法で、月経開始日から次の月経開始日を 「予測」 して、さらに排卵日を 「予測」 する、と二重の推測を行なうことになり、不確実になるのは当然です。
排卵日が事前に正しく決定できれば、安全日が存在する可能性はありますが、これがわからない以上、安全日を算出することは不可能です。妊娠成立の確率が相当に低いときとしては、月経中は考えられます。通常であれば月経中のホルモンバランスから考えると排卵の可能性は殆どなく、また、仮に受精したとしても着床すべき子宮内膜が剥脱中なので着床は非常に困難でしょう。
しかし確率論的には、0% の状態は存在しません。
お礼
詳しい解説ありがとうございます