まず、ゴミ箱です。普通に、エクスプローラなどから、「ファイルを削除」すると、削除の言葉とは裏腹に、単に、ゴミ箱というフォルダ(システムが管理するフォルダの一つです。)に、ファイルを「移動」するだけです。
「ゴミ箱を空」にすることで、初めて、ファイルは、削除されます。で、次は、この時のファイルの削除とは何をしているのか?となります。
コンピュータの中のファイルは、フォルダなどに区分されて、見えてますよね。もう少し、中身を掘り下げてみてみると、どのファイルが、どのフォルダにあって、そのファイルの中身は、ハードディスクのどこに書かれているかという索引のようなものが作成されています。実際にファイルを見るときには、まずその索引を見て、その内容を元にファイルを見に行くわけです。
さて、では、ファイルの削除とは何をするのかというと、実は、その索引に、もうこのファイルは削除されましたとマークをつけるだけです。こうすることで、もうそのファイルを見に行けなくするわけです。
今、削除したばかりのこの状態ですと、実は、ファイルの実態も索引のデータも全部そのまま残っています。そこで、データ復旧ソフトなんてのが、結構出回ってます。もし、間違って大事なデータを削除しちゃったら・・・削除の直後であれば、この手のデータ復旧ソフトで復旧できる可能性が極めて高いです。やることは、簡単に言えば、削除しましたというマークを取り消すだけです。
ただし、削除しましたというマークがつくと、そこは空いているということになるので、次に作ったファイルがその場所に書かれるかもしれません。そうなると、復旧はできなくなります。
さて、これ、なんか、「消した」気がしませんね。実際、消していません。
ところで、ハードディスクのデータを「消す」とはどういう意味でしょう?実は、ハードディスクの中身には、たとえ、新品の状態であっても、意味のないデータが書かれています。つまり、本質的に、「消す」ということが出来ないわけです。基本的に、何かが書いてあるところに、別の何かを上書きすることしか出来ません。
さて、「ファイルの完全削除」を唄うソフトは何をしているかと言うと、ファイルのあった場所全部に、別のデータを上書きして、元のファイルの痕跡をなくすということをしています。ファイルが大きくなれば、必然的に時間のかかる処理となります。主に、秘密のファイルの痕跡を完全に消したいと言う時に使います。主に使うのは、新しいパソコンを買って古いパソコンを捨てる時が、典型的な事例です。
実は、さらに続きが有ります。ファイルの完全削除でファイルのあった場所全部に0を書いたと仮定しましょう。普通に、ハードディスクをコンピュータで読めば、0以外には読めません。ところで、特殊な装置を使ってそのハードディスを解析すると、0の前に何が書かれていたかを推測することが出来ることが有ります。
まぁこんなことも、世の中にはあるので、極秘の絶対に漏れてはいけない大事なデータの書かれたハードディスクを捨てるときには、「ファイルの完全削除」をした後で、専門のハードディスクの処理業者の手で、物理的に破壊するということをしてもらうというようなこともあります。まぁ、私達が普通に生活して、普通にコンピュータを使っている程度では、ここまですることはまずありませんが・・・。(個人情報を盗む目的の悪意の何者かにしても、ここまでやって一般市民一人の個人情報を丸裸にしてもコストがかかりすぎで元が取れません。でも、大企業の企業機密や、国家・行政レベルの機密データなら、話は別となります。まぁ、このレベルでの話題です。)
お礼
詳しい回答ありがとうございます。 参考になりました。