こんばんは!
多くの場合、唇のセッティングのズレから起こっているように感じます。マウスピースを当て直すとすぐ直ることも多いので。
しかし、解決の糸口がどこにあるのか、検証してみましょう。
《いつ起こるのか》
まず、ドッペル音がいつ発生するのかを見つけます。・セッティングが問題の場合
・フォルテやピアノの音量変化時に起こる場合
・音域の変化によって起こる場合
・バテなどのきっかけがあった後から起こる場合
・特定の音、音域に対して起こる場合/楽器が問題の場合
・常に発生してしまう場合これらをひとつずつピックアップして考えてみます。[セッティングが問題の場合]
ドッペル音は、「違う2種類の音が発生できる唇の状態」になっている時に起こります。したがって、マウスピースを唇に付けたその時の状態によって発生することがよくあります。
セッティングをする時に、必要以上に口の周りを動かしていたり、マウスピースの当て方によってアパチュアのバランスが悪くなることがあります。
その場合は一度唇からマウスピースを離して再度セッティングをしなおしましょう。
なお、マウスピースは唇と「貼り付いている状態」をキープすることが大切です。特に上唇は支点になる部分ですから、最初に軽くマウスピースを乗せた時に貼り付いているかを確認しましょう。リップクリームや汗などでツルツル滑ってしまうとアンブシュアが安定せず、ドッペル音が発生してしまうかもしれません。[音量変化時に起こる場合]
体内の圧力バランスが悪い時の警告かもしれません。体の中の圧力は、音量変化に使われますが、その圧力が強すぎ/弱すぎると、これから出そうとしている音量に対してのその他のパーツの準備とバランスが崩れてしまい、イメージとは違った唇の振動が発生してしまいます。
特に、ディミヌエンド(デクレッシェンド)をかけようとした時にこれらのバランスが崩れやすく、音量を小さくしようとして、必要以上にお腹の支えを解除した結果、音量だけでなくピッチまでもが急激に下がってしまうので、それを阻止しようと口周辺の緊張感を強くすることでバランスを保とうとしてしまう場合があります。その結果、アパチュアの形が筋力によって変化し、唇の振動する部分のばらつきが生まれてしまいます。
[音域変化によって起こる場合]
音域の変化は、腹筋の力(腹圧が強くなり、横隔膜を押し上げる行為)と、舌やアゴによるいわゆる「シラブル」の変化、それらの様々な組み合わせバランスで行います。
しかし、口周辺の変化によっても音域変化はある程度できてしまい、これを使ってしまうとアパチュアそのものの形状を変化させてしまうことにより音質が急激に悪化(くぐもった音)になってしまいます。それだけでなく、今回のテーマであるドッペル音も発生しやすくなります。
常に音のツボにはまった状態を保つためにも、口周辺を「直接的」に動かして音域をコントロールすることは避けるべきです。(二次的に動かされていることに関してはおおかた問題はありません)
[バテなどのきっかけがあった後から起こる場合]
これも結局アンブシュア、アパチュア周辺の変化によって発生してしまっている状態です。一番良い音を出す状態が作れない、保てないことが原因ですから、まずは無理に吹かないこと。休憩を取って回復してから再度チャレンジしましょう。
バテてきても、口周辺やマウスピースのプレスを強くして、なんとか切り抜けようとする習慣、クセを持ってしまうと多発する可能性があるので気をつけましょう。
よろしくお願いいたします!