プロだからしっかり練習するのだと思います。
声は普通の人は誰でも出せるものなので、トレーニングする必要性がピンと来ないものですが、声も楽器なので、他の楽器と同様頻繁に練習する必要があるのです。ピアニストやバイオリニストが毎日練習するのには、別に違和感は感じられないでしょう。それと同じことなのです。
他の楽器と違うのは、声は生身の人間の体の一部なので、使いすぎると消耗してしまうということです。だから、ボイトレは週に何度という頻度にとどめ、毎日はやらないのです。
自分はアマチュアの合唱団で歌っていますが、オペラでタイトルロールを演じるレベルの二期会のプロの歌手の指導を受けています。毎回練習の冒頭には、約30分間みっちりと発声練習です。いろんな発音で音階を2オクターブの範囲で半音ずつ調子を替えつつ歌って、高速で声を出す練習もします。すごく集中しないとちゃんと声が出せないし、スピードについていけないので、それだけで結構疲れます。それが終わってから、取り組んでいる曲目の練習に入ります。
過去アマチュアのいろんな指導者に教えてもらいましたが、こんなにみっちり発声練習をさせる指導者はいませんでした。素人はすぐ歌いたい曲の練習に入りたがるので、それに迎合して、発声練習もそこそこに取り組んでいる曲の練習に入ってしまうからだと思います。実際、合唱団のメンバーにも、はやく曲の練習に入ってほしいと文句をいう人がいたりします。
一流のプロは人並外れた才能を持った人が人並外れた練習を当たり前にするから一流なんだということが分かりました。
また、一流の人でも、やはりお師匠さんがいて、そのレッスンを頻繁に受けるようにしている人は多いです。第三者として客観的にみて指導してくれる人がいるほうが高いレベルをキープするには有効なようです。
その女性歌手の方も、相性のいい指導者がいて、その人のボイストレーニングを頻繁に受けることで、自分の歌声のレベルの維持向上を図っているのではないでしょうか。