こんにちは。
変則的なオールドバレンシアですね。
807-8Aのドライバーに16Ωのダイヤフラムを使う事も不可能ではありませんけど。
スピーカーは使用帯域において最も低いインピーダンスをもって公称インピーダンスとします。最も高いインピーダンスは数倍とか数十倍になることもあります。
アンプのほうは、推奨するスピーカーのインピーダンスを表示してあります。
アンプの電圧出力が最大16Vだと仮定しましょう。
16Ωスピーカーなら1Aの電流が流れて、16Wのパワー
8Ωのスピーカーなら2Aの電流が流れて 32Wのパワー
4Ωのスピーカーなら4Aの電流が流れて 64Wのパワー
という事になりますが、スピーカーに流れる電流は、アンプのパーツ(出力トランスや真空管・トランジスタなど)にも流れます。実際には更に自己消費分も上乗せされます。
許容電流以上が流れる事を過負荷(過電流)といいます。過負荷になると冷却が追い付かず著しく発熱して焼け切れたりします。それを最も有効に利用した部品がヒューズなのですけどね。回路部品がスピーカーに2Aまで供給できる場合、8Ω32WまではOKなのですが、4Ωに対して2Aだと16Wまでということになります。更に都合が悪いことには4Ω16Wでは4Ωスピーカーに供給される電圧は8Vなので、最大供給電圧に余裕があり過負荷に歯止めを掛ける事ができません。頼みのヒューズは電源ON時のラッシュ電流に備えて数倍の許容電流に設定されていることが普通です。
したがって、安全の為に、アンプの推奨インピーダンス ≦ スピーカーのインピーダンスである事が求められます。
メーカーが発表するインピーダンスには、ただ効率が良いというだけではなく、安全使用のための表示であることにご留意ください。
16Ωウーハーと8Ωドライバー組み合わせのスピーカーシステムの場合、最も低いインピーダンスは8Ωということですので、8Ω用のアンプが推奨組み合わせという事になります。
充分出力の大きな16Ωアンプであれば、上記の計算に見られる通り通常使用範囲に於いて過負荷にならず使用は可能でしょう。もちろんリスクを承知し自己責任で使う事になります。
16Ωアンプの有益な効果もありませんが、アンプの個性に関する部分が吉と出る場合も凶と出る場合もあるでしょう。
さて質問外の余談ですが、バレンシア、記載されたパーツまんまだったら、音楽にとってのど真ん中の中域がウーハーとドライバー両方から出る重なる部分が多い計算になります。同帯域異種スピーカーの組み合わせをスタガーと言ったりもしますが、量的に大きくなるだけでなく、人間の聴感覚が絡んで聞く位置で音の印象が変わりやすい方式ということになります。
アンプ変えるより、聞く位置や角度や高域レベル調整を変える方が面白いんじゃないでしょうか。
もとよりオーディオマニアに811Bホーンのじゃじゃ馬ぶりは良く知られていますので、調教する面白さも楽しむスピーカーだろうと思います。
807-8Aも、前使用者がそういったロデオを楽しんだ名残なのかも知れませんね。
お礼
とてもよくわかりました。やはり変則的ですよね。中低音の量感が凄いので、聞く位置や角度や高域レベル調整を変えてみます。じゃじゃ馬を手なずけることができるようやってみます。