子供を子供らしく自然に撮るのは是枝裕和監督の得意技なんです。
もともとドキュメンタリーを撮っていた人ですが、フィクション映画『誰も知らない』で脚光を浴びた際には、劇場用パンフレットに、そのあたりがかなり詳しく書かれていました。例えば、初顔合わせでは、まず長男役に小遣いを握らせて、子役だけで買い物に行かせたそうです。同作は、小学生以下の兄弟姉妹だけで暮らした実話に基づいていますから、子供だけになった時に、それぞれがどういう役目を自然と担うのか、子役たちに肌で感じてほしかったのでしょう。
『そして父になる』の劇場用パンフレットには、そこまで詳しいことが書いてありませんが、やはり是枝作品のごたぶんにもれず、スタッフやキャストに配られたスケジュール表に注意書きとして「子役さんたちには台本は渡さず、作品内容・人物設定・その場面の説明・台詞などは是枝監督から口伝えのみで説明していくやり方を取ります」と書いてあったそうです。
また、同パンフレットでは、リリー・フランキーさんも「是枝さんは(略)的確なことをちょこっと言うだけ。人に役を馴染ませてくれる。だから、4人の親たちも子どもたちも、なんか役に近いところがあるんだと思う。それは是枝さんが役者を信用しているという以前に、もっと根本的なところで人間を肯定しているから」と語っています。
「是枝裕和 インタビュー」のようなキーワードでネット検索すると、文章や動画がたくさんヒットします。必ずしもこの作品について語っているわけではありませんが、参考になると思いますよ。
補足
ありがとうございました。 誰も知らないもこの監督だったんですね。 参考になりました。