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ミドルエージデート

今夜の貴方のお相手は、ちょうどわたしぐらいの中年既婚女性… どこかでお食事をして、ちょっと散歩して、ライヴのあるナイトクラブでちょっぴり踊って、 仕上げはカウンターバーで…などと、オトナのデート。 どんなお店、どんな場所、どんな踊り、どんな会話、あなたのイメージをお聞かせください。 中年の女なんてイヤだ…と言う方は、書き込まないでくださいね。

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noname#184677
noname#184677
回答No.4

なんか、荒らしてみたいですけどすみません。 温泉バージョンを  晩秋の箱根は、冬の気配がたち込め古い温泉街の駅は、これから週末の行楽を楽しもうという人々でにぎわっていた。 金曜の夕方新宿で待ち合わせ、2時間たらずで箱根湯本の駅についた。ぼくは、できるだけ古風な宿の離れのような場所を選びたかった。それは、彼女の若い夫や、これまでつきあってきた自分より若い男たちとは違った楽しみを与えたいという考えからだった。  しかし ピークを過ぎたとはいえ直前の予約では著名な旅館はとれなかった。二年ほどまえにできたばかりというその宿は、車で五分とかからぬ場所にあった。多少の不安もあったが、思いがけず現代風に改修された品のいい建物だった。  夜の8時近い到着ということで、無理を言って食事の時間をずらしてもらっていた。  ここでは、女性の浴衣と帯を10種類以上のなかから選べる趣向になっていた。N子は落ち着いた藍色の地に白い蝶の紋様を染め抜いたものに、山吹色の帯を選んだ。通された部屋は奥の静かな場所にあり、10畳ほどの和室が二間続きになった広い造りのものだった。  部屋係りの女性はN子を奥様と呼んだ。こういうところでは、暗黙のマナーなのかもしれないが、面映さと誇らしさに似た気持ちが綯交ぜになった。  N子とぼくは、13の歳の開きがある。世間にそういう夫婦はそう珍しくもない。二人で行ったホテルのレストランでも、それとわかる年齢差のカップルは嫌でも人目を引いた。ぼくたちは人目にどう映っていたのだろうか。  N子は、深窓の令嬢とう感じのいかにも清楚な顔立ちである。服装によって実年齢が全くわからなくなる女だった。ぼくは童顔というほどでもないが、初対面の5つ6つ年下の世代から敬語を使われないことには慣れていた。歳ににあわぬ外見については若い時分はたいそう嫌だった。30を過ぎて課長という肩書きがつく頃からは、逆に若い外見が仕事の上で武器になったように思えた。50歳を過ぎてそれなりの経験を経て 若さと有能さが同義語とみられなくなってから、はじめて 自分の容姿に子供じみた甘さが薄れ、少しは内面の自信と輝きをあらわすものに変わってきたのではないかと思うようになった。  N子は手馴れた風に浴衣に袖を通し帯をきれいに結んだ。山吹色の帯が落ち着いた藍染めに映え、可憐な色香を感じさせた。  食事は部屋に運ばれるのでなく、離れの割烹でとるのだという。少しがっかりしたが、行ってみると料亭の個室風のつくりで お忍びの小旅行にはふさわしい感じのものだった。  凝った小鉢に少量づつ盛られた先付けは、それぞれに手の込んだ造りこみがしてあった。雲丹と鱶鰭の茶碗蒸、鰆の西京焼きにはマスタードを効かせたりと流行の和食のアレンジではあるがこういう場所で出されると案外新鮮な喜びがある。 「やっと来てくれたね。」 「また会えてうれしいわ」  そういうときのN子は、必ず少し芝居がかったような笑みをうかべる。 それが本当に喜んでくれているのだろうかとぼくを不安な気持ちにさせる。    お互いに差し向かい座る和食の席では N子の表情が詳しく見えた。正式なフレンチの店以外ののレストランでは窓辺の席にテーブルの角を間にして座ることが多かったし、バーカウンターでもタクシーの中でも隣あって座る。  もちろん正面からN子の顔の美しさを愛でる機会が少ないというわけではない。ベッドの上では好きなだけ無遠慮に隅々まで見つめることができる関係なのだから。 正面から見据えると、黒目がちの瞳が、小動物のように丸く愛らしくこちらを見つめていた。 「最初に逢うまでは 大地康夫のような人をイメージしていたわ」 N子は、伊丹十三の映画によく出る中年の俳優のD名をあげた。個性的で味のある俳優ではある。 「ひどいな。まるで単なるオジさん じゃないか」 「実物みて、けっこう男前ではないかって思いなおしたわ」 「そいつは どうも。ぼくは 君のことはもっとヒステリックで狐みたいな眼鏡かけた女かと思っていたよ」 「非道いわね」  そういってぼくを睨んだ 「実際に会ってみたら リアドロの人形の様に華奢で美しい人だった。」 「あの頃 質問サイトで私は あなたを追っかけまわしてばかりいたものね。」  その言葉は意外だった。そういうものか、と思った。N子があの頃ぼくに興味を持っているだろうというのは考えた。それは単なる好奇心のようなものだと思っていた。好奇心に「追いかけまわす」という言葉はあたらない。  ばくはてっきり自分が追いかけているのだと思っていた。  10時近くまでゆっくりと食事をとって、温泉につかった。広い露天風呂は、打たせ湯や大きな壷の湯浴み、檜の箱のスチームバスなどいろいろ工夫がこらされ楽しげであった。男女の隔てを挟むように、出逢いの湯と書かれた浴室があった。家族風呂と書かないところがこの旅館らしい趣向であった。  客のけはいがほとんどないのをいいことに、女湯と男湯の間に設けられた「出逢いの湯」で身体をあたため、酒の酔いも手伝ってN子を男湯の露天風呂を見せようと連れ出した 「なーんだ 隣と同じつくりよ」 と彼女がつまらなそうに言ったとき 数人の男客が浴場に入ってくる物音が聞こえた。  慌てて、小高い丘の上の東屋に隠れた。そこも小さな露天風呂になっていた。たぶん寝る前にもう一風呂浴びようとやってきたのだろう。幸い男客が露天風呂に出てくる気配もなく、間もなくに引き上げた様子だった。  湯気のむこうに冷たい空気の満ちた漆黒の夜空が広がっていた。  ばくたちはしばらく 湯につかりながら静かに空を眺めていた。  その夜のN子は 湯の温もりが身体の奥まで伝わっていて暖かかった。 かすかな硫黄の香りがした。 ・・・これでブロックユーザーになるのかなぁ。つらいです。

Nannette
質問者

お礼

あらあら、いけませんよ… いいえ、嫌いとか、そんなんじゃないんです。このアンカテは難しいところなんです。このわたくし、 もう以前のことですが、親しくなった方々といわゆる馴れ合いを演じてしまいました。それは規約 に反する行為、ほかの方からは非難されるし、事務局からも注意されるなど、今思えば、大変皆 様にご迷惑をおかけしたと申し訳なく思っているんです。 この質問に対して、とても素晴らしいご回答をお寄せくださった仮称apple様、でも、そのあまりに も卓越した筆致ゆえに、わたくし、馴れ合いと受け止める方が中にはいるかもしれないなどと傍 目を気にせざるを得ないのです。やっぱり女なんですね。 読後感から申しますと、このご回答が一番良かったと思います。でも、男の方は最後はどうして も肌をお求めになるんですね。やっぱり男なんですね。でも、このN子さんはわたくしじゃありませ んね。よくお調べのようですが、現実とはかなり隔たりがありますもの。その意味では安心いたし ましたわ。 それに、箱根はいけません、わたくしの生々しいリアルな話ですが、箱根には持ち家があります。 売りたくても買い手が見つからない今のご時世、つい先だっても湯殿の湯の華掃除に行ってきた ばかりです。暮れから新年にかけて会社の方、お得意様などにご利用いただくためなのです。つ まり、こういうお客様のことをつい連想してしまうと…。もし本物の諜報部員?でいらっしゃるなら、 いっそのこと、gooブログでこのわたくしをお見つけください。もっと自由に情景を描ける場を提供 できるかもしれませんよ。

その他の回答 (4)

noname#184677
noname#184677
回答No.5

業務連絡 文中 セレスティンとあるのはセルリアンタワーの間違いだから、お前が頭を下げて詫びを入れてこいと ホルスタインさまから言われました。 http://www.ceruleantower-hotel.com/restaurant/jzbrat/ ちなみにここの金田中(草)が雰囲気がよくてよく使いました。 マラガは飛行機が遅れて、ミハスの白い村もピカソ美術館をも見逃した悔しい思いでがあります。 老後は、コスタデルソルの一角に住みたいですね。 ダメージという英国映画のラストに出てくる漁村がスペインのこのあたりだったような。

Nannette
質問者

お礼

わざわざお知らせくださいまして嬉しいです。 セルリアンタワー東急ホテル…、フフフ、分っておりましてよ。だって、代官山から5分…、もうここ しかありませんもの。金田中(草)は存じてますが、地階のジャズパーは初耳でした。 老後は…、おやおや、もう老後のご計画ですか、コスタデルソルの一角にお住みになって、毎日 小魚のから揚げと荒削りなフィノと降り注ぐ太陽で余生をお楽しみくださいませ。

  • ok2775
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回答No.3

Nannette様   誠に申し訳ありません。  なぜか、Nannette様の質問にどうしても  回答をしたくなってしまって。ストーカーみたいに  思われてしまうのでしょうか。  このご質問もイメージがぴったり合いました。  それは映画の中のシーンですので自分の創作ではありませんが。  その映画の題名は「恋愛専科」というかなり古いものです。  主演者はトロイ・ドナヒュウとスザンヌプレシュットでした。  二人が観光旅行の途中で立ち寄ったナイトクラブで、リキュール  を飲むわけですが、バックの演奏はアルディラという曲です。  もちろん生演奏で、二人の少ない会話をつなぐように演奏がさざ波  のように流れてきます。すると突然歌手が表れてムード良くこの曲を  歌い上げます。二人の気分も最高調になり目と目を合わせてジーと  聞き惚れておりました。その後二人はムードを壊さないために馬車に  乗って滞在先へ帰って 行くわけですが二人の関係は最後まで純情  そのままでした。  二人がケーブルカーで山を登っていくときもこの「アルディラ」  という曲が鉄塔に付けられたスピーカーから流れてきますが  この場面も自分がケーブルカーに乗っているような気がして  とても印象に残っております。  なんといっても二人の関係が清いという事と、二人で訪れる  観光名所の景色が素晴らしいかったのでいつまでたっても  自分の心に残っていると思います。  すこし横道にそれてしまったと思いますが、会話も踊りも  無くても最高のデートというイメージを回答させていただきました。  

Nannette
質問者

お礼

ご回答有難うございます。 Non credevo possibile,  (こんなこと、とてもぼくには信じられない) Se potessero dire queste parole:  (ぼくが自分の口でこんなことを言うなんて) Al di la del bene pia prezioso, ci sei tu. (美しくとても大切な、そう君だからこそ) Al di la del sogno pia amizioso, ci sei tu.. (まるで夢のような人、そう君だからこそ) Al di la delle cose pia belle (この世のとても美しいもの、そう君だからこそ) ああ、なんて下手な訳詩。よくお出で下さいました、とても嬉しいです。ストーカーなんて、考えもしませんわ。 「恋愛専科」…、見ましたよ、とても前のことですけれど。公開は1962年だといいますから、もちろんわたしがまだ生まれていなかった頃の映画。でも、わたしが女子高ぐらいの時だったかな、名画鑑賞会なんて特別な場でなくて、普通の映画館で見たんです。 トロイ・ドナヒュウ君ってよく覚えてます。いかにもご良家のお坊ちゃまって感じでとても好きだったし、スザンヌ・プレシェットさん、どこか当時美貌女優として有名だったエリザベス・テイラーを思い出すみたいな、ブルネットの髪のとてもきれいな女優さんだった。 そうですよね。この「恋愛専科」はもちろんロマンス映画だけれど、観光映画そのもの、ローマに始まって湖水地方やイタリアンアルプス、地中海クルーズ、もうセレブなイタリアツアー、ストーリーとしては甘~いものだったけれど、それも心地よくて、「アルディラ」もよく口ずさんだものでした。 そういえば、この映画には、ミュージカル「南太平洋」でフランス人エミールを演じていた名優ロッサノ・ブラッツィだとか、ジョン・ウエイン主演の「リオブラボー」で素敵な酒場女を演じたアンジー・ディキンソンも憎まれ役で出てましたっけね。 会話も踊りも無くてもいいんです、あれはただのヒントだけ。わたし、こうした美しい場所と素敵なパートナー、そして細かい泡が鼻をくすぐる高級なシャンパン、ついでに豪華で美味しいお料理、もうこれだけあれば最高のデート。しかもok2775さまとは話題もぴったり、とても楽しいデートを堪能させていただきました、有難うございました、またね~。

noname#184677
noname#184677
回答No.2

円山町のいかがわしい通りを少しいったところに、亜鉛白を意味する名のそのバーはあります。 以前松濤の入り口にあったのがより分かりにくくなり、隠れ家的色彩は増しました。オーナーバーテンダーは、銀座の資生堂パーラー出身で真っ白なタキシードを身にまとい求められるとモルトの薀蓄を少しだけ語ります。 「てっきり怪しげな場所に連れていかれると思ったでしょう」 「ここまできたら行くところは一つよね。どうやって逃げ帰ろうか考えちゃったわ」 「初対面で、円山町のホテルへ連れていうような失礼なことはしませんよ」 彼女は、マルガリータを頼んだ。わたしはトムコリンズのグラスの氷が融けるのを待ってゆっくりとグラスを口に運んだ。彼女につられていささか飲みすぎたようだ。ロングカクテルにチェイサーといういささか格好の悪い姿を恥じていました。 それでも、タクシーをつかまえ彼女を長者丸の自宅に送ろうと思わなかったのはニューヨークのSOHOのデザインホテルの話で盛り上がってしまったからです。 そもそもローガン・グレゴリーのブランドLOGANを彼女も好きでバーニーズニューヨークで圧縮ニットのジャケットを買ったという話から、フィリップ・スタルクの44丁目のロイヤルトンホテルは数年前に全面改装したという話になるました。彼女も私もSOHOで出来たばかりのシックスティートンプソンに泊まっていました。そこのバーカウンターに邦人歌手のHKがいるのを見た話や、この時期のNYは恐ろしく寒く帽子手袋を持たずにいって往生した話でいつしか夜も更けていきます。 化粧を直すと席を立った彼女を待っていると15分ほど過ぎただろうか。迂闊にも私は睡魔に襲われました。 寝てはいけない。 ・・・ 眼が醒めて、彼女がいないことに気が付くと 「お帰りになりました。これを渡してくれと」 バーテンダーがわたした一枚のメモには 今日は楽しかったです。ありがとうございました。またいつかお話の続きを とだけ。 あの時間帯に女性一人でこのあたりを歩いたら物騒なのに・・・まぁ彼女の容姿なら間違っても 取締りの警官に呼び止められる心配もないだろうが・・・。 私は洗面所で鏡に酔眼の焦点を定め、還暦近いながらも10歳は若くみられる自分の顔を眺めました。 そして、女心をつかむ腕が鈍ったことを、頬についた肉のせいだと思うことにしました。

Nannette
質問者

お礼

重ねてご回答有難うございます。 あらら、またお誘い…、そうじゃないのね、初対面で円山町のホテルへ…ってことですから。それにしても、ははあ、諜報部員さんのアジトは、ふ~む、どうやらブシヤ界隈と判明、あとは円山町の “Zinc White" なるバーを特定すればいいか…。 もしよろしければ、わたくしもトム・コリンズを頂きたいわ。マラスキーノチェリーは無しで…、ほほう、諜報部員 Mr.Holstein はN.Yにもかなりの活動地盤を持っていらっしゃる、ひょっとして業界?では Apple とか呼ばれたりしてません?…。 N.YのSOHOって、あれで結構楽しいところですよね、LOGAN 、グリーンストリートの白いお店、ちょっと前に主人がジーンズとジャケットを…、あ、ごめんなさい、主人のことなんか口にしちゃったりして。チェイサー…、えっ、どうして~、いいじゃありませんか、ロングカクテルにだってチェイサーをお飲みになったって、べつに格好悪いなんて思いませんわよ。 ところで、わたくし、 Apple様の文才、もったいないと思います。もしよろしければ、こんな私語や馴れ合いなどは許されない“教えて”ではなくて、それこそgooブログとかgooメールなどをもっとご活用になればよろしいのに、一度ためしに覗いて検索もしてごらんあそばせ、あ、ちょっと失礼…。 ちょっと席を外した間に、あらら、お寝んねなさってるの、お舟を漕いでいらっしゃる、可愛い寝顔…、諜報部員って疲れるのよね~…。ねえマスター、なにかメモ用紙と、それと…、ええ、それでいいわ、有難う…。それじゃこれを彼に…、いいえ、わたくしなら大丈夫、楽しかったわ、あとはよろしくね。

noname#184677
noname#184677
回答No.1

この道では櫻井秀勲先生http://ameblo.jp/sakuweb/ の一門を持って任じる私ですが10年ほど前にいまのカミさんに逮捕されて現在服役中です。 ですからどうしても舞台にペニンシュラ東京だの丸の内のモナリザとか出てきません (だって相手はいつもカミさんなんだから)。 舞台はいささか時代遅れの感のある代官山。 でも忍び逢いには格好のロケーション。八幡通に面した建物のオープンな階段を下ると、その店は今でも地元の人に愛されにぎわっています。 昔のようにテラス席で芸能人が取材を受けているような派手な雰囲気こそないものの、ヨーロッパ中のカフェを観て歩いて日本イタリアンのカフェレストランを開いて成功したオーナーの旗艦店として作ったというその店は、15年以上経っても無国籍風のデザインを施された重厚な内装は古びるどころか却って趣を増しています。 メニューは変わらずカリフォルニア・キュイジーヌ。ウニのパスタは相変わらずここのスペシャリテの一つ。 中庭に面したテーブルに向き合い私は、今日会ったばかりのその美しい人妻に語りかける。 「このあとに書き込む人がロオジエで、今回がここでは、ちょっとがっかりさせちゃたかな。」 「私この店来たことがあるわ。だいぶ前だけど、知人が貸切でパーティを開いたことがあるの  本当になつかしいわ」 「それじゃ、なおさら失敗だ。」 「いいえ、ここのセラーのカリフォルニアワインのコレクションは凄いのよ」 「じゃ、私に任せてくれないか」 グラスのシャンパンで乾杯したあと私は、ヴィンテージに注意しながら牡蠣にあわせて白ワインにキスラ―、赤はフラワーズを選びました。その名の通り気品のあるアロマと豊かなブーケが特徴のカリフォルニアワインの名品です。 彼女は思いがけずお酒が強く2時間かけてゆっくり飲みながらも二本のボトルはおおぶりなワイングラスに注がれるたびに空いていきました。 「パリに住んでいらしたなんてすばらしいすね。私は仕事で行くことはあってもせいぜい10日間」 「昔の話です。あなたこそ沢山の国をお仕事でまわっていらっしゃるのしょう?」 「ええ、実は私はJTBの添乗員でしたから」 「まぁ、本当なの?」 「嘘です。本当は秘密諜報員だったんです。」 「もう、冗談はやめて。  外国の面白かったお話とか聞かせてくださらない? どの街が一番素敵でした?」 「そうですね。やっぱりフィレンツェですね。トスカーナが近くてとにかくワインが美味い。 ミラノもバローロが美味いし、ローマは、・・・まぁシチリアワインとか豊富」 「私はお買いものした思い出ばかりで」 「イタリアの靴も実は丈夫なんですよ。フェラガモのローファーとか10年履いて同じものを買ってしまった」 「イタリアとかスペインとか南欧のほうが食べ物が美味しいのはなぜかしら」 「スペインも飯はうまかったですね。イベリコ豚」 「ああ、マドリッドにあるイベリコ豚の丸焼きをだすお店、なんていましたっけ」 「ボティンでしょ。ヘミングウェイが通ったという店」 「そう、そんな名だったわ。」 話が、ドイツの飯はまずいという話から中欧に飛び、ブタペストのフォアグラの話からチェコのビアホールは結構美味いという話から、イギリス料理の悪口に話題が及ぶ頃、彼女の頬にも赤みが増したようです。 「ところで、イギリスでもっとも不味い料理は何かご存知ですか?」 「ハギス・・・ではないわね。何をたべてもおいしくないけど」 「キドニーパイです。こいつはとんでもない代物ですよ。普通のパイ生地に下にシチューみたいなものがある。肉らしきものがあってナイフをいれ、口に運ぶとしましょう。・・・ところでキドニーが何かは・・」 「腎臓ですよ。私の実家は医者なんでそれくらいはわかります」 「これを刻んで口に含む前に強烈なアンモニア臭でやられます」 「まぁ、イギリス人は味覚だけでなく嗅覚も鈍い人たちなのね。」 「アイラウイスキーを飲みすぎたのでしょう。ところで、腎臓といえば結石がえきやすいかどうかというのを見わける方法を教えましょうか」 「キドニーパイを食べてみる。なんていうのは嫌よ。」 「大丈夫です。キドニーパイでなくここのアップルパイは大変おいしいですから安心してどうぞ」 旧山手通りからタクシーでセレスティンホテルの下階にあるジャズクラブにはものの5分とかからないで到着します。邦人ベーシストSのトリオの演奏は陽気でグルーヴ感のあるものだった。ステージが終わって訪れる静寂の中で、彼女が思い出したように尋ねます。 「さっきの結石をみつける方法って・・」 「ちょっと失礼。」 彼女の手を広げカクテルライトにかざす。掌を下から支え自分の親指を重ねて 幾度も探索し「うーん。・・あつ困ったな・・」 「どうしたの?」 彼女の手を握ったまま、目をみつめ 「大変だ。あなたのことを忘れられなくなりそうだ。」 ・・・などとうことを昔やっていました。 今はもう免許ないんで(^^) ちなみにダンスはフォークダンスしか踊れません。

Nannette
質問者

お礼

ご回答有難うございます。 奥様に逮捕されて現在服役中…とおっしゃるにしては、大変にご自由で闊達でいらっしゃいますこと。 さすがは櫻井秀勲氏の愛弟子、とかく自意識が高くて生意気な中年女を黙らせるに足りるだけのプランをお持ちなことに思わず頬が緩みます。今はさすがに“服役中”の身とはいえ、これまでずいぶん“前科”がおありなんでしょうね、いけない人…。 代官山はお忍び遊びには格好のロケーション、まあそうでしょうね。八幡通に面したというその店もなかなか良さそう。…中庭に面したテーブルに向き合い私は、今日会ったばかりのその美しい人妻に語りかける…、ほうほう、それから…。 …グラスのシャンパンで乾杯したあと私は、ヴィンテージに注意しながら牡蠣にあわせて白ワインにキスラ―、赤はフラワーズを選びました。その名の通り気品のあるアロマと豊かなブーケが特徴のカリフォルニアワインの名品です… すばらしいご選択ですこと、でも、その美しい人妻の方がもしわたくしでしたら、シャンパンはアメリカの方々がとてもお好きだというピペ・エドシック・ピパリーノにしていただきたいわ。 ついでに申しますと、わたくしのパリの住まいはリヴゴーシュ、メトロで言えば6号線の沿線。エトワールからわずか10分ほどの街中ながら、それほど高い階層でもない方々が住まうとても庶民的な下町なんです、けっしてセレブな人間じゃありませんのよ、ほんと、このワインはいい香り。 それに、ちょっと意外かな。東欧にまで足をお運びになり、広く世界をお周りになって何についてもお詳しいご回答者様、あら、あえてイージーにお名前を口にしないことにしているわたくし、ご回答者様はとりあえずMr.Holstein とお呼びすることにいたしましょう、変かなあ。 それで…、あ、そうでした、え~と、そうだ、そんなHolstein様でありながら、フィレンツェが一番お好きだというところが…。いえ、いけなくはありませんのよ、もちろん。でも、添乗員は世を忍ぶ仮のお姿、してその実態が諜報部員でいらっしゃるなら、たとえばマラガだとかキエフだとか…、あ、もう沢山、わたくし飲み過ぎてます。 美味しくない話はやめましょう。あのね、イギリスで美味しいなと思えるのは、シンプソン・イン・ザ・ストランドのローストビーフ、わざわざ焦げ目のあるクリスピーな部分もすこし切り分けて頂いたりして。それに、パリでは、今はジビエのシーズン、鹿肉のステーキも美味しいけれど、キジのディアボロに荒っぽいワインというのも美味しいですわよ。 セレスティンホテルの下階にあるジャズクラブ…、ヘェ、そんなところがあったのね。いえ、セレスティンホテルって、あの日比谷通りの三田の…でしょ。わたくし麻布や三田はとても詳しいんですよ、セレスティンホテルの真向いの戸板女子大で何度もバドミントンの試合がありましたし。 あらら、わたくしすっかり、その美人さんとかになり切ってましたね。ごめんなさい、折角のイメージを壊してしまって…。それじゃ、あ、あの、いけませんよ、もうお手を…。わたくしはこれで、とても楽しうございました、おやすみなさい。

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