まぁ、おおむかしのペリクルミラーを搭載した特別なF-1とか
EOS RTとかみたいに、特別に特別を重ねた銀塩写真の全盛期に比べると
デジカメでは、電子回路の高度化で、わりと安く、そういうことできるようになりました。
今はミラーレス一眼がもてはやされる時代ですが、20年以上昔にも
ミラーが動く分の時間のムダを廃した一眼レフカメラというのはあったんです。
まぁ、昔のタイムラグの話をすると、1980年代のプロ向けカメラで
シャッターのタイムラグは、たしか8msだったと記憶しています。
機械シャッターを備えたCanon F-1での数字です。
電子的な処理は、最初は大きな遅延と共に始まり
(200msの遅延がある機種もありました)
やがて、プロ用製品に匹敵するようになり、やがて可動部が無いという強みから
低価格で、非常に高速な処理ができるカメラが作られるようになりました。
といっても、一眼レフ一式で十万円が安いと言われたような時代に比べての低価格です。
多くの携帯電話付属カメラや、定価1,2万円のカメラであれば
シャッターのタイムラグはわりと大きい物があると思います。
最初から、シャッタータイムラグが小さい機種と決めて
店員に相談すればいいんじゃないかと思います。
より、高性能で高価なものであれば、非常に高速な連射性能で
タイミングの問題を、ほとんどなくすことができます。
1980年代の銀塩カメラでは、一秒に2,3枚が普通、よくて5枚程度でした。
特殊なカメラだけが、秒10コマの連射性能を備えていました。
可動部があることは、速度において致命的な足かせだったのです。
というのを踏まえて、じゃあ1980年代の…もっと昔の写真撮りは
どうやって、その一瞬を捉えて撮ってきたのか?そこ考えてみましょう。
単純なもので、それ動きを読んで、タイミング合わせれば良いって話ですよ。
テニスなんか、相手が打ってから動いても追いつかないんです。予測して打つ。
なら、撮るほうも予測して撮ればいいのです。
F-1が8msという短いタイムラグで作られていたのは
実際には、タイムラグが短いほど、タイミングを合わせやすいし
遅れても、遅れが小さくて済むからなんだと思います。
このタイミングは、機種毎に、また撮影条件によっても違ってきます。
もっともシンプルな方法は、露出設定を手動で固定し(これコンパクトデジカメではできませんね)
AFを切って、手動でピントを合わせて、カメラを三脚に固定し、構図を固定し
被写体の動きだけを見つつ、シャッターを切るという方法です。
タイムラグを生む要素は、最小限に抑えることができます。
デジカメの多くは、カメラ内でデジタル処理された映像を見て構図を考えます。
これ処理時間が短いとは言え、厳密にはタイムラグがあります。
そして、AFは時としてシャッターが合うまで大きなタイムラグを生みます。
自動露出も、処理にかかる時間が0にはなりません。(実質0にはなるかもしれません)
記録写真とかサンプル写真としてであれば、フラッシュによって
短時間露出で動きを止めることはできるのですが…
作品作りや思い出としては、あまり良い絵にはなりにくいのです。
また、中途半端に明るい状況でのフラッシュ撮影は
ときとしてAからZまで移動する間のABCだけくっきり見えて
のこりのD-Zが残像のように見えて、動きが逆に見える写真ができたりします。
対策は、フラッシュを使わない、明るい屋外や強力な照明設備を使うという方法と
逆に、後幕シンクロでフラッシュを焚けるカメラを使うという方法が考えられます。
まぁ、一眼レフカメラじゃないとできないと思いますが。