昨日の日韓戦、あまりの無様な敗戦が大きく浮き彫りになりました。 これほどの大差がつく伏線はどこにあったのでしょうか? 何故、両国にこれほどの大差がついたのでしょうか? それは韓国サッカー協会と日本サッカ-協会の統治能力の差であると断言出来ます。
U-20、ユースのワールドカップはどの国にとっても重要なイベントであり、強化の礎(いしずえ)です。 日本は’95年の大会から七大会連続して出場し、殆どの大会で決勝トーナメントに進出し、ユース大国という名をほしいままにして来ました。 そして’09年の大会に向けて強力なメンバーを育てて来ました。
MFには07年にも出た香川を筆頭に金崎、水沼、山田、安田。 FWに柿谷、原口、山崎、松井と錚々たるメンバーで史上最強との呼び声でした。 このメンバーの司令塔は金崎(大分)でポイントゲッターが柿谷と香川、原口という陣容でした。
ところがアジアユースには中心である金崎と香川と浦和の山田、安田、原口が出場出来ない。 それもクラブ事情とのこと。 何とか無理を言って、香川だけが予選リーグだけ出場。 このゴタゴタを見透かしていたチームがあります。 韓国です。 順当に行けば両チームは頭ひとつ抜けており、準決勝で対決。 のはずでしたが、そこは韓国。 わざと予選を二位で抜けて、準々決勝で香川の抜けた日本と対戦。
ここで日本を叩けば、日本に世界大会への出場権はなくなる。 さすが韓国の手腕は凄い。 金崎、香川、浦和の若手もいない、飛車角落ちの日本を赤子の手を捻るように簡単に破ってしまったのです。
本戦に出た韓国はベスト8まで残り、優勝したガーナに敗れましたが、2-3と大善戦。 この時の主力が今回のチームに何名か入っています。
ユース代表からのナショナルチームへの底上げが今回、韓国チームが『アジア史上最強』と言われる所以です。 因みに、このユースの監督はフォン・ミョンボ(湘南でプレー)さんです。
金崎、香川それに浦和レッズの若手トリオと言われた逸材がソッポを向いてユースの予選に出ない。 こんなわがままが許されるほど、日本サッカー協会の統治能力は低いのです。 ですから、彼ら若手が大きな飛躍のチャンスを逃しただけでなく、日本チームは底上げのチャンスをも逃したのです。
フォン・ミョンボさんは将来この国を背負う優秀なメンバーを育てています。 特徴は殆どの選手が185cmを越える巨漢ぞろい。 これは十年後を見据えての強化策です。 2022年、自国でワールドカップを開催する時には優勝を目指す。 そう言ったビジョンで選んだ選手たちです。 昨年、優勝したガーナと白熱した試合を展開し、大会一の好試合を展開した若手です。 今、まさに伸び盛り。 ゴルフの石川遼君のようです。 彼らは南アフリカでも大活躍するでしょう。
これに比べて悲惨だったのが日本のユース達のその後です。 金崎は大分が二部落ち。 世界大会に出ていれば、今頃はヨーロッパで本田圭祐と並ぶ活躍をしていた筈。 それがJ2でドサ回りの日々。 浦和の若手もその後は伸び悩み。 やはりきっかけを失うと凋むのも早い。 ユースの中心と目された巨漢FWの宮沢も自チームがJ2(札幌)では陽も当たらない。
09日本ユースも史上最強との呼び声の高かったチームだけに本当に惜しまれる。 そして、各チームのわがままを野放しにした協会幹部に昨日の完敗の責任がある。