私に言わせれば80年代だけがダサかったのです。そう思っている人は少なくありません。あの不自然に分厚い眉毛、妙に濃い化粧、ガチガチに固めた頭髪。80年代が青春期だったので、これらの出どころはすべて知っています。そして出どころ自体はそれなりに洗練されていました。それを一般に向けて“変換”した段階でダサくなったのです。それも世界的に。
80年代には本当に着るものに困りました。80年代に花嫁衣装を着た私たちは、今、結婚する人たちを心の底から羨んでいます。英語圏では80年代の典型的なロック・バンドのスタイルを「プードル・ヘア」と呼んでバカにしています。
確かにいつの世も、30年くらい前のトレンドというものは、常にダサく感じるものではあります。40年以上前の物に比べて「なつかしさ」が希薄ですし、20年前のものに比べるとギャップが大きすぎます。しかしそれを割り引いても、80年代はちょっとやりすぎだったのです。それも洗練されていない方向に。
前置きが長くなりました。「なぜ変わってしまうのか」がご質問でしたね。それは「飽きるから」です。50年代のコルセットやフレアスカートに飽きて、60年代にローウェストのミニが流行り、60年代のお人形のようなファッションに飽きて、70年代に自由主義的なヒッピー・ムーヴメントが起こり、70年代のヒッピーに幻滅して80年代のアレが来て、80年代があまりにもダサいことに気づいて、今に至ったのです。そう、ちょうど今は「ああ、ダサいのから抜けてよかったわ」という時代なのです。そのうちまた変わりますよ。「80年代ってレトロね」という世代が大きくなったらね。
お礼
>>80年代には本当に着るものに困りました >>今、結婚する人たちを心の底から羨んでいます という本音とっても解ります 正直、あの頃の服って個性的すぎますよね 流行が人を苦しめる一面は確実にありますよね