親戚がカギ屋をやって居て、ひと頃手伝っていましたので、素人ですが耳学問でカギには結構ツヨくなっています。お役に立てればとひとこと。
添付のサイトの「ガードア」という外国製の補助錠のお値段が、取り付け工賃込みで、幾らなのか分かりませんが、一番心配なのが、鍵(正しくは錠、またはシリンダー)の交換費用がご検討になってるほど削減につながるかどうかです。
現在、既に補助錠も取り付けられていてワンドア・ツーロックになっているのか、それとも現在は単に錠がひとつだけなのか(主錠だけ)が書かれていませんが、もしシリンダー補助錠を最初から取り付ける。あるいは、現在既に取り付けられているシリンダー補助錠のシリンダーだけをより高性能なものに交換するなどという場合の総経費よりも、こうしたテンキーロック式の補助錠を取り付けるほうが、たぶんですが、かなり高くつくと思えるからです。
私がお勧めするとしたら、ずばり、国産の有名メーカーのシリンダー補助錠です。余談ですが、世の中、カギといえばギザギザの刻みのあるものでなくて、丸い擂り鉢状の窪みがある、いわゆるディンプルキーと呼ばれるものでないとダメだ、その他のカギでは防犯性能が不足だと言われていて、皆さんそれを信じているようですが、それは大ウソ、マンション業者あたりがマンションを売る宣伝文句にそんなことを言っていたとかが元になって、誤って伝わったデマです。
ご記憶にあると思いますが、ひところピッキング事件が多発したころに、その対策として防犯性に富んだいろいろなシリンダーが多くの錠前メーカーで開発されましたが、その多くが、ただ耐ピッキング性能など防犯性能ばかりを高めたために、逆に高性能なものは価格もとても高くなり、しかも、あまりにも精密に過ぎるために、逆にこの日本の高温多湿な環境に対応できず、故障が多発する製品も多数出てきました。後発メーカーのディンプルキーや外国製の超高性能シリンダーの一部がこうしたものに該当します。
では、どのようなものが手ごろな値段で、しかも防犯性能が高いか・・・。それはひと口に言って、錠前業界の主要メーカーが主力製品として市場に供給しているものだと言い切れます。たとえば錠前業界で最大手のM社のU9シリンダーなどは、例のピッキング事件の前から既に、耐ピッキング性能などに優れた高性能シリンダーとして公的な認定を受けている製品ですし、大量生産によって価格も比較的安価です。
このシリンダーなどは、価格も手ごろなわりには、あれほどひどかったピッキング多発事件の中で、実際にピッキングを試みられたという報告はあったものの、それで開いてしまったという話はまったく聞いていません。このシリンダーがついた補助錠などはお値段も驚くほどお手軽ですし、性能は十分、私の自宅にも取り付けていますし、ぜひお勧めしたい製品です。とにかく錠前だけは信頼できる大手メーカーの製品からお選びください。
話がそれましたが、それではカギ(キー)を使って戸締りをするのと、キーとテンキー操作(暗証番号の入力のこと・テンキーとは10個の数字ボタンのこと)を併用するのと、どちらが良いか・・・・、私は、テンキーのボタンを押して暗証番号を入力する方式はあまり高く評価していません。
いつも決まった位置にあるボタンを押す固定ボタン方式ですと、どうしてもいつも押すボタンだけが汚れて、そこから番号を読み取られるということが実際に起きています。また、そうした危険性を回避するために、操作のたびに番号ボタンが位置を変えるように改良したハイテクテンキー方式もありますが、これですと、防犯性は高まるものの、操作のたびに押したい番号ボタンを探す手間がかかります。
さらには、わずか4桁の暗証番号なんて、その組み合わせ(変化数)は最大わずか1万通りしかありません。シリンダー錠の変化数が今日数億通りぐらいは普通であることを考えたら、1万種類しかないのでは心もとない気がします。
そしてさらに、市販のテンキー式の錠前の多くが作動用の電源として電池を必要とすること、電池の状態の定期的なチェック、これが案外面倒になってくると聞いています。
でも、1.鬱陶しいか、それとも 2.魅力的か、それは、あとはご質問者様のお好み次第です。操作の上でどちらがいいかは、すべて人それぞれの感覚の問題ですから。
あと・・・アドバイスを幾つか・・・・
アパートということですが、賃貸住宅の場合は、錠の取り付けやシリンダーの交換などは家屋の改造になりますので大家さんの承諾が要ります。また、近年では大家さんが大家さん側の負担で補助錠を取り付けるといったことが多くなっています。また、経費を半々に負担するということも多いですから、ぜひご相談になってみてください。
私が自宅にも採用し、一番スマートだと思っているのは、ツーロックの、主錠と補助錠のどちらもシリンダーのカギ番号を同じにした「同一キー」式です。一本のカギ(キー)でどちらも施錠操作ができますが、ピッキングなどに対する性能は変わりません。
話が専門的になりまして、分かりにくいかと思いますが・・・
●シリンダーとは、カギ(キー)を使い持ち主を判別する機構の部分。
●テンキーとは、10個のボタンに暗証番号を入力する判別機構の部分。
●錠とは、戸締りをする機械全部の名称で、戸締りをする本体にシリンダーやテンキー装置など判別機構が組みつけられる。
●主錠とは、取っ手のある本来の錠のこと。
●補助錠とは、主錠の補助として上のほうに取り付ける錠。
●カギとは、本来キーのこと。世の中では錠のこともカギというけれど、これでは紛らわしいので、ドアに取り付けられるのは錠、手にするのはキー(鍵)と区別します。
錠前の取り付け、シリンダーの交換、こうしたことはほとんど街のカギ屋さんに依頼するものですが、すごく大まかに言って、工賃や出張料が製品代とほぼ同じぐらいか、さらには思ったよりも高いこともありますから、前もってしっかり総額の見積額を聞いておかれるとよろしいかと思います。
街のカギ屋さんは全国どこにでも見られますが、職業柄、悪人は居ないと思いますが、商売上の品性に格差があるのは仕方がないこと。カギ屋さんを選ぶなら、大手錠前メーカーが全国規模で信用ある店だけを認定したネットーワークもありますので、よくご検討の上、そういうしっかりしたお店をお選びください。
http://www.miwa-lock.co.jp/SD/sdmap.htm
お礼
興味深いご回答ありがとうございます。 実は大家さんをやってます。 最近の賃貸アパート検索に、 オートロックなどという検索項目があったりして、 自分の物件の鍵交換は大家持ちなので、 この際と思いデジタルキーの検討をしていました。 現状はディンプルキーの主錠のみで、 その上のほうにデジタル式の補助錠を設置しようと思っています。 印象効果も狙っています。 補助錠はあくまでも補助と考えたいと思います。 ありがとうございました。