いいなあーと思うのは、ブータン王国の前国王ジグミ・シンゲ・ワンチュク陛下。
もともと鎖国していた国を開国するにあたり、観光客の質を重視したり(ヒッピーとかがたくさん入ってきて麻薬が蔓延し、国が乱れるよりも、たとえ観光による外貨が減ろうとも量より質できちんとマナーを守ってくれる少ない数の観光客だけにしぼった)、その少ない観光客には、子どもたちに意味なくお金やお菓子などを与えないように事前にお願いしたり(働かずにモノをもらえることを覚えてしまうと、将来国のためにならない)、もともと専制君主制だったところに自ら議会を作るように法を定めたり、その議会が国王を罷免する権利を有することを自ら与えて、暗愚な国王が即位した際に国を守れるように整備したり、王制そのものを廃する権利さえ、議会に与えました。
そして、まだ53歳の働き盛りなのに、自ら後進(息子ですが)に道を譲って禅譲しました。
議会の初選挙の前には、多くの国民が「自分たちは王様を信じているし、王様の政策に満足している。議会なんてなくてもいいからこれからも王様が率いていってください」と訴えたそうです。
ブータンに行った際、多くの店や家に王様のポスターが貼られていて(日本の近くの北の国のように強制ではありません)、「ウチの王様だ、かっこいいだろ」「すばらしい王様なんだぞ」と、みんな笑顔で自慢げに語っていたのが印象的でした。