残念ながら、まず無理なのは、質問のタイトルにある「簡単に焼く方法」と言うことと、「必要な部分だけ取り出し、映画のチャプターを選ぶようにサムネール画像で選択しながら見たい」ということに大きな矛盾があります。
100本以上もあるミニDVから「必要な部分だけ取り出す」ということだけで大変な作業となりますので、以下のどの方法がご自分にとって「簡単」の範囲なのかご判断されると良いでしょう。
ご要望のことを実現するために必要な作業を整理すると、以下のようになります。
1.「必要な部分だけを取り出す」
2.「サムネール画像の選択」
3.「ハイビジョン画質のミニDVも同様に扱う」
これらの実現方法は以下の通りです。
必要な部分だけ取り出すためには、映像を編集する必要があります。
映像の編集で最も一般的な方法はPCに取り込み(これをキャプチャーという)、編集ソフトを使って不要部分を切り取ります。このためには、DV端子が付いたPCが必要になります。キャプチャーはテープの録画時間と同じ時間がかかりますので、100本もあればかなりの時間がかかるでしょう。
キャプチャーした映像は、DV-AVIという形式のファイルになります。1時間で約13GBの巨大なファイルです。
DV-AVIというファイルは、miniDVテープと同じ記録方式なので無劣化の画像です。この無劣化の状態で編集を行いますが、ファイルサイズが大きいので、それなりのスペックのPCが必要でしょう。
不要部分を削除して、必要な部分だけ残したファイルが完成したら、次にDVDやBD(Blu-ray)の形式に変換します。この変換をエンコードと言います。DVDの記録方式はMPEG-2というファイル形式です。BDの場合、MPEG-2(TS)またはAVCHDという形式にエンコードします。
このエンコードがDVD/BD化の肝です。記録形式を変換するため、ここで画質劣化が発生します。
この部分は、使うソフトウェアの良し悪しや、設定などによって出来上がりの画質が違ってきます。MPEG-2の場合は、独特のノイズが出ます。
このノイズを抑えるためには、できるだけ高画質になる設定でエンコードしますが、その分時間がかかります。
また、エンコードには高いPCスペックが必要です。エンコードで最も定評の高いソフトウェアであるTMPGencの場合、CPUがCeleronでクロックが2Ghz以下のパソコンだと、1時間の映像を最高画質でエンコードするように設定すると10時間はかかります。Pentium4のPCでも、5~6時間はかかるでしょう。複雑な設定をせずに、できるだけ早くエンコードするように設定すると、その分画質は落ちますが3時間ぐらいです。
高画質にエンコードしたいなら、1本の1miniDVに半日費やすか、腕の良いダビング業者に頼むかどちらかです。そうすると、前出のMPEG-2独特のノイズはほとんど気にならないレベルで仕上がるでしょう。
エンコードが終われば、「サムネール画像を選択」して、メニュー画面を指定しDVDディスクにデータを書き込みます。この作業をオーサリングと言います。 オーサリングはエンコードと別のソフトになっているものもありあます(1つのソフトでエンコードとオーサリングができるソフトもある)。
オーサリングは、複雑なメニューを作らない限り、1時間の映像だと1時間前後で出来るでしょう。
これでご要望のDVDが完成します。
ちなみに1時間撮影したminiDVテープをDVDに納めるためには、上記のすべての時間がかかりますので、1~2日作業だと考えてください。はっきり言ってかなり大変です。
「映像遊びは、金と時間がかかる」と言われるように、時間的余裕があってハイスペックなPCを購入するなど、かなり投資しないとできないです。
なお、この方法に挑戦されるなら、CPUがCore2 DuoのPCをお持ちのことを前提に、ソフトはCyberLink の PowerProducer を使われると良いでしょう。 DBに焼きたいのであれば、別途DBドライブを購入します。
これ以外の方法だと、以下の2つです。
1、DV端子付きのHDD/DVD(BD)レコーダーを使う
ビデオカメラをHDD/DVDレコーダーにDV端子で接続し、HDDに映像を取り込みます。 レコーダーで不要部分を切り取りDVD(BD)に焼きます。この場合、エンコードやオーサリングはレコーダーがやってくれますのでPCで行うより手軽です。ただし、DV端子(iLINK端子)付きのレコーダーが必要です。BDに焼くならHDD/BDレコーダーが必要です。
2、DVD-RWのVRモードで丸ごとダビングする
通常のDVD-R(ビデオモード)の場合、DVD作成後に編集できません。ところが、DVD-RWにVRモードでダビングしておくと、DVD作成後に編集することができます。この編集は、映像はHDDやPCに取り出してから行うのではなく、DVDディスクのままで編集できるので、最も手軽です。
私の場合、miniDVテープが大量にあったので、DVD-RWにVRモードでダビングしてくれる業者を探し、そこにお願いしてminiDVテープを全て丸ごとDVDにしてもらいました。
そして、このDVDが納入されてから、家のHDD/DVDレコーダーやPCソフトを使って、見たい部分だけのプレイリストを作ったり、決定的場面にチャプターを付けたりという編集を行いました。プレイリストを作っておくと、見たい部分だけ抜き出すことができますし、それ以外の部分もディスクに残っているので、後で別の部分を見ることもできます。
なお、家のHDD/DVDレコーダーのリモコンで編集するのは大変なので、私はPCにプレ・インストールされていた PowerProducer というソフトで編集しました(どのPCも映像編集ソフトがプレインストールされていますので、それが使えないか調べましょう)。なお、Ulead から DVD DiskRecorder2というVRモード編集用の1万円ぐらいのソフトも出ています。いちいちHDDにデータを取り込む必要がないので、手軽に編集できます。なお、ハイビジョンの映像は、ブルーレイのBDAVという形式でダビングしてもらいます。こうすると同じくプレイリストなどが作れます。
ただし、このやり方の場合、お持ちのHDD/DVDレコーダーがDVD-RWのVRモードに対応していないと再生できません。ちなみに現在市販されている機種のほとんどはVRモードに対応しています。
おそらく、最も「簡単」な方法は一番最後のやり方です(ただし、VRモードのメニュー画面は再生機に依存するので、サムネール画像は無理かも)。
一度テストでminiDVテープを1本出してみて、どんなものか試してみると良いでしょう。
お礼
大変丁寧な説明ありがとうございます。 今後のために、印刷して取っておきます。 私が想像していたより遥かに難しく時間がかかる事がわかりました。 ダビング、編集という物が少し理解できました。 さて、私にできそうなのは最後の二つの方法のようです。 ホームページで見ると何とかできそうなので、がんばって見ます。 ありがとうございました。