CA(客室乗務員)は乗客を捕まえ、拘束できる?
先日、国内線の機内で女性客室乗務員たちが乗客の男性を捕まえ、拘束しているのを目撃したのですが、客室乗務員たちの勇ましい姿に感激したのと同時に、そこまでやる必要があったのかな、とちょっとした疑問も感じたので、質問したいと思います。
それは某航空会社の国内線で、乗客はかなり少なく、私は一番後ろから3列目に座っていました。客室乗務員は全部で5,6人(もっといたかもしれません)で、全員女性でした。気温は少し高めだったので、客室乗務員たちは途中から半袖の制服で仕事をしていました。
そんなポカポカ陽気で乗客も少なく、ゆったりと機内でうたた寝を始めようとした時、機内の一番後ろで、若い男性が客室乗務員に大声で何か言っているのが聞こえました。何となく酒に酔っている感じでした。すかさず別の客室乗務員がやってきて男性客を笑顔でなだめていましたが、男性客は落ち着くどころか興奮しはじめ、手を振りかざしたり足で蹴る仕草をはじめました。別の客室乗務員もやってきて、男性客の周りを3人の客室乗務員が取り囲み、暴れようとする男性客を制止したり、笑顔で必死になだめたりしていました。近くには私しか乗客がいなかったので、「何かお手伝いしますか?」と客室乗務員に聞いたところ、「いえ、私たちで対処いたしますので」と笑顔で返してくれ、そのまま座席で見ていることになりました。
しかし男性客は落ち着くどころか興奮を増していて、ついに客室乗務員たちの制止を無理やり振り切って通路を走り出し、私の横を通り過ぎて前の方にいた乗客に向かって何か言いながら拳骨を振り挙げました。さいわい、客室乗務員たちが「やめなさい!」とダッシュで飛んでいって男性客を取り押さえたので、その乗客に危害はなかったみたいです。男性客は客室乗務員に両手首を後ろにまわされてがっちりつかまれたまま、ぐいぐい機内の後ろへ引っ張られていきました。「手をはなせ!」などと抵抗する男性客の正面で、別の客室乗務員が男性客の両肩を手で押さえながら「落ち着いてください」となだめていました。3人の客室乗務員はみな若く、美人でしたが、男性客をこうして捕まえる姿は勇ましいものでした。
客室乗務員たちは男性客を機内の一番後ろにある、客室乗務員が作業するスペースまで引っ張っていき、そこであらためて2人の客室乗務員が男性客の両腕(両脇?)をがっちり挟み込んで捕まえ、もう1人の客室乗務員がしっかり男性客の目を見ながら落ち着くようなだめ続けていました。男性客は相変わらず「はなせ!」と叫びながら体全体を激しくねじ曲げて、2人の客室乗務員の腕を振りほどこうともがき続けていましたが、2人の客室乗務員の力は強く、男性客をがっちり捕まえて放しませんでした。それと同時に2人の客室乗務員は男性客の肩を時々ポンポンとたたきながら「落ち着いてください」などとなだめていました。
そんなことがしばらく続きましたが、男性客は暴れるのをやめません。そうこうしているうちに何かの伝令があったみたいで、その後、3人の客室乗務員はついに男性客の両手を黒いバンドで縛り始めました。後でその客室乗務員に聞いてみると、それは結束バンドというものらしいです。初めての光景でビックリしたのですが、3人の客室乗務員はますます激しく抵抗しはじめた男性客をがっちり押さえつけながら、後ろで男性客の両手をバンドでていねいに縛り付けていきました。
それから3人の客室乗務員は縛り付けた男性客を捕まえながら一番後ろの座席に連れていき、座らせた後、今度は白いテープのようなもので男性客を座席に縛り付けはじめました。後ろで両手を縛られている男性客はむなしい抵抗をしていましたが、3人の客室乗務員が男性客の肩や足を座席に押さえつけながら体を縛っていきました。3人の客室乗務員はよく見かけるような黒いストッキング姿ではなく、薄いベージュのパンストを穿いていたので、縛り付ける際にしゃがむと男性客にスカートの中の下着が見えてしまうと思い、「やりましょうか?」と声をかけたのですが、「私たちだけで大丈夫ですよ。ありがとうございます」とこんな状況でも笑顔で返してくれ、プロだなあ、と感心しました。
3人の客室乗務員は男性客を縛り付けた後も、交替で男性客と話を交わしたり、後ろでしっかり監視の目を光らせていました。時々、男性客が抵抗したり泣き出したりすると、すぐに客室乗務員が飛んでいって男性客の体を押さえつけ、しっかり男性客の目を見ながらなだめていました。
ずっと後ろを向く形で首が痛くなっていたので途中で観察を打ち切り、やがて飛行機が着陸しました。警察でも来るのかな、と思っていたのですが、誰も来ず、今度は4人の客室乗務員が男性客の座席を取り囲み、男性客の体をしっかり押さえつけながら、縛り付けてあったテープを剥がしていきました。男性客はめそめそ泣いていましたが、4人の客室乗務員はお構いなしに「立ちなさい」と座席を立たせ、2人で男性客の両腕を挟み込んで捕まえながら、男性客の両手首を縛っていた結束バンドをていねいにほどいていきました。そしてバンドをほどき終わった客室乗務員が男性客の両手首をそのまま後ろでぐいっとつかみ、3人の客室乗務員で男性客が逃げられないようにしっかり捕まえていました。
私がずっとその様子を観察していると、先に降りるよう言われたので、荷物を持って飛行機を出ました。なので、それからのことは分からないのですが、男性客は客室乗務員たちに捕まったまま警察に連れていかれたか、事務室かどこかへ連れていかれたのではと思います。
はじめての光景でビックリすることが多く、かつ彼女たちの客室乗務員としての動きに感銘してしまい、つい長くなってしまったのですが、一方で、あそこまで乗客を縛り付けて拘束するのもちょっとやり過ぎな感じもないではなく、客室乗務員の仕事というのはそこまでやらなければならないものなのでしょうか?