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殺人罪ってどういうこと?
ある質問で、質問者の方が、『遺族にとってみたら故意であろうと過失であろうと、家族を殺された事には違いないんだから、過失致死の場合も殺人罪にすべき』と書かれていました。 現代の刑法は故意犯処罰・罪刑法定主義が大原則ですし、刑法理論を学んだ者としては故意犯(殺す意思をもって車でYをひき殺したX)と過失犯(車を普通に運転していたら、不意に猫が飛び出してきたので、慌ててハンドルをきったら不注意にもBをひき殺してしまったA)とを、同じ殺人罪に問うのは暴論だと感じるのですが、法理論を抜きにして考えると、先の質問者さんのお考えも一理ある意見に思えてきました。 そこで質問なのですが、上のような過失で人を殺してしまった場合にも「遺族感情を考えたら殺人罪に問うべき」という意見について賛成ですか?反対ですか? 理由もうかがえれば幸いです。
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反対です。 社会としての問題と個人としての問題を混同しています。現代の社会的には故意犯、過失犯の違いは必要なものですし、一つ間違えば他の制度まで連鎖的に崩壊する気がします。法治国家によって守られている部分もあるのに、そのことには触れず、社会上求めても仕方のないことまで求めるのは問題だと思います。 また、被害者の立場になって考えてみろ、という人は被害者とは無関係の第三者です。これが被害者や遺族によって主張されているのなら、お気持ちはお察ししますくらいしか、かける言葉はありませんし反論できるものではありません(但し、それで加害者を重く処罰する制度改革をすることとは別です)。しかし、第三者の場合は、被害者としての気持ちを想像するだけで全面的に分かった気になり、死刑を適用しろ、刑を重くしろなどと、加害者や司法に大して怒りをぶつけますが、判決が出たら後は知らんぷりです。第三者による主張は全く説得力がありません。 基本的には被害者への救済は加害者への量刑を重くすることによってではなく、マスコミからの二次被害防止、被害者給付制度の拡大、精神的・心理的ケアの促進、社会的な犯罪防止への取り組みによって行われるべきだと考えます。
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反対です。 過失も故意も関係なく、結果を持ってのみ罪を問うということであれば、たとえば喫茶店でコップを落として割ったら、器物損壊で逮捕です。 町を歩いていて、ぶつかって誰かが倒れたら、暴行罪で逮捕です。 そんな社会では安心して生活できません。
お礼
ご回答ありがとうございます。 そうですね、私もそう思います。(過失犯処罰規定がない限り)過失は処罰されないのが原則ですね。 ただ、過失致死の場合、遺族は被告人が罰金や数年の懲役にしか問われないというのは怒りの持ってき場がないでしょうね。民事を提起しても結局、金の問題になってしまいますし・・・
補足
>皆さまへ 質問に少し補足させて下さい。 (2) 単なる自動車運転致死罪でなく、危険運転致死罪(飲酒運転など)になるような悪質な行為様態で人をひき殺したような場合にはどう感じられますか。 殺人と同視できるようなひどいケースであっても、人を殺す故意がない以上は殺人罪と過失致死罪はわけて考えるべきだと思われますか?
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お礼
ご回答ありがとうございます。 おっしゃる通りですね。 >第三者による主張は全く説得力がありません。 これは私も常々思います。第三者はブラウン管(最近は薄型テレビですか)のこちら側から加工された断片的なニュースを観ているのに、あたかも自分が当事者(あるいは逆に事件を客観的に見られている)かのように感情移入や錯覚をしてしまい、マスコミ報道を鵜呑みにしている自分の偏りに気づいていないという事は往々にしてあることだと思います。