余計なお世話かもしれませんが、donutさんが、良い例を上げて下さいましたので、
『鬼門』『裏鬼門』のお話を少しします。
意外に日本では、この『鬼門』『裏鬼門』について誤解している人が大勢います。
その前に、『方位術』について、ごく簡単に説明した後で、『鬼門』『裏鬼門』についてご説明致します。
1.『方位術』について
『方位術』と称されるものも、現在数多く存在しています。
その判断方法も様々で、主なものだけを上げても
(1) 全周囲360度を8つに等分(各方位はそれぞれ45度)し、日時の移り
変わりによって、それぞれの方角の表す意味が変わると考えるもの
(2) 全周囲260度を8つに分けることは同じでも、等分にではなく、東西南北
の4方位に関しては各30度とし、他の4方位は各60度と考え、日時の移り変わ
りによって、それぞれの方角の表す意味が変わると考えるもの
(3) 全周囲360度を12に等分し、ある人に対する影響の質・程度を基本的には
固定して考え、その基本象意が、日時の移り変わりによって、強まったり弱ま
ったりすると考えるもの
(4) 全周囲360度を12に分けますが、東西南北の4方位に関しては各45度と
し、他の8方位は各22.5度と考え、日時の移り変わりによって、それぞれの
方角の表す意味が変わると考えるもの
(5) 全周囲360度を24に等分し、日時の移り変わりによって、全人類に等しく
同等の影響力を及ぼすものの、人間各個人の有する性質が異なるため、各個人
に現れる現象としては、その影響の違いに強弱の差が出てくると考えるもの。
などが存在します。
しかし、基本的に大きく分けて2つの判断のための『方位盤』を用います。
それは、人が動く場合に用いる『盤』と、人は動かず、周囲から、ある人に、または、家などに、どのような影響を及ぼすかを判断する場合に用いる『盤』です。
転居など、人が動く場合に用いる『盤』を、『立向盤』と称します。
それに対して、人は動かず、周囲から、ある人に、または、家などに、どのような影響を及ぼすかを判断する場合に用いる『盤』を、『座山盤』と称します。
いわゆる『家相』を判断する場合に用いるのは『座山盤』の方です。
『鬼門』『裏鬼門』という用語は、この『座山盤』の方で出てきます。
2.『鬼門』『裏鬼門』について
『鬼門』『裏鬼門』が、人は動かない『座山盤』の方で用いられることはお判り頂けたとして、
実は、『鬼門』『裏鬼門』という名前は、それぞれ、『陽宅風水』の「八宅派」の言う、『五鬼』『絶命』のことです。
これは、前回お話しした、日本の「家相」は、南向きの家を基本にして出来上がっているという話と関係している話でして、
「南向きの家」=「坎山(八宅派)」の家となります。
この『坎山』の家の場合、北東は『五鬼』、南西は『絶命』で、いずれも凶方となり、それらの方角に玄関や寝室などを配置すると、住む人に、それぞれ「衝突・反抗・焦燥・喧騒・激怒・不和・信頼関係破壊・妄想から犯罪など」「憂鬱・失望・矛盾・誤解・中傷・失敗・精神錯乱・絶望・破財・散財など」をもたらすと考えられています。
ところが、北東・南東・東・南西向きの家(それぞれ「坤山」「乾命」「兌命」「艮命」の家)や、命卦が『西四命』と称される『坤命』『乾命』『兌命』『艮命』の人にとっては、北東、南西は、それぞれ吉方にあたり、むしろ、その方角に玄関などを開いた方が吉力が増すのです。
3.まとめ
以上をまとめますと、
『鬼門』『裏鬼門』とは
(1) 基本的に、「家相」を見る場合に用いるものであること
(2) 人・家によっては、必ずしも悪い方角とは言い切れないこと
以上の点を、承知しておく必要があると思います。
お礼
ありがとうございます たくさんの御説明を頂き感謝しています。 はじめて お聞きする言葉ばかりですが もうすこし勉強してみたい気分になりました。 ありがとうございました