Q/このため4つの違いを知りたいです。
A/いずれも、PCI-SIGと呼ばれる規格団体で策定されているデータ転送規格(英語のBUSはコンピュータの回線や回路という意味がある)です。
PCIは91年にインテルが基礎技術を提唱し、92年に最初のRev1.0を発行しお目見えした規格です。当時としては最先端の技術を用いており、速度が速いRevの改定などを行っても基礎規格との互換があるなどの利点があり、90年代中盤には急速に普及しました。当時は、パソコン内部のサウスブリッジとノースブリッジと呼ばれるチップセットを結ぶ回線として主に使われていました。
このPCIには、ISAスロットに変わる規格として、拡張スロットとしての使い方も定義されており、PCIバスがパソコン内部の半導体をブリッジ接続するのに使われる回路であるのに対して、PCIスロットはそのバスと繋ぐ形で基盤に拡張カードを取り付けるための端子を意味します。
これが、PCIスロットです。
PCIバスやPCIスロットは同じ意味となります。
PCIには派生規格があり、ノートPCなどで使われるMiniPCIや省スペースデスクトップ向けのLowProFilePCI(PCIのサイズを小さくしたもの)などが規格化されています。
また、サーバ向けで高速転送を目的としたPCI-X(64bitPCI)はパラレル転送でありながら、秒速1GBなどの転送速度を達成しています。この64bitのPCI-Xでは、32bit拡張機器も使うことができるように策定されています。
PCI ExpressはPCI-SIGで策定された最新の規格です。
ただし、これまでのPCI、PCI-X(64bitPCI)とは違い、既存PCIと互換性が全くありません。これまでの転送規格はパラレルと呼ばれる転送方式を使っていましたが、それではスキューと呼ばれる転送のばらつきが大きく速度の向上が難しいなどの点から、この方式から離れ、より高速で長く使える規格を策定するために作られたものです。
この規格ではシリアル転送を用いることで速度を引き上げています。
これによって、スキューが減少しより高速化を果たしたのがPCI-E規格(3GIO)です。PCIとは異なりこの規格ではレーンという方式を用いており、このレーンの数を最大で32回線束ねて通信することもできるように定義されています。また、これまでと異なり、双方向(送受信)が別々の回線を通るため、レーン一つでの通信速度が現在の規格(PCI Express Rev.1,1)では、片方向で250MB/s、双方向で500MB/sの転送速度を1倍速(1レーン)として最大32倍速となります。
また、今月15日にPCI-SIGによって1レーン速度を2倍速化した2,0規格(片方向500MB/s、双方向1GB/s)も策定されています。
PCI Express16xやx16は16レーンを束ねた端子です。
そのため、片方向で4GB/sの通信速度があります。
PCI Express x1(1X)はレーンを1つに絞ったものです。
尚、PCI Express端子には、現在レーン数によって1x、2x、4x、8x、16x、32xが製品化されています。主に、8xや16x、32xはグラフィックス用に使われています。1x~4xはサウンドカードやキャプチャカードなどの増設用に定義されていますが、まだ製品化されている商品がほとんどありません。今後、PCIに置き換わってくると思われます。
お礼
とても詳しい説明ありがとうございます。これでパソコンでTVが見れそうです。