弦楽器の人間ではありませんが...
答えは、気温が変わると音速が変わるからです。
音速 a (m/sec.)は k x ( t + 273.15 ) ^ 0.5 で求まります(ただし、k=20、tはセ氏気温)。すなわち気圧が同じとして、セ氏15度の室内では約340m/sec.となり、セ氏25度の室内では約345m/sec.となります。
で、この、求まった a を波長 d (m)で割ると、周波数 f (Hz)、つまり音の高さが求まります。したがって、
f = a / d
= 20 x [ ( t + 273.15 ) ^ 0.5 ] / d
となります。
あとは、d によりますが、これを固定して考えると、
気温15度:20 x [ ( 15 + 273.15 ) ^ 0.5 ] / d
気温25度:20 x [ ( 25 + 273.15 ) ^ 0.5 ] / d
このようになります。つまり、気温が高いほうが、ピッチが高くなります。たとえば、波長1mの音を考えると、d=1ですから、気温15度のとき340Hz、気温25度のとき345Hzという計算になります。後者の方が、ピッチが高いですね。
高い弦の方が影響が大きいとのことですが、これは波長が短くなるからです。波長30cmの音を考えると、上記の例では、
気温15度:1131.7kHz
気温25度:1151.1kHz
となります。波長1mの音のときは差が5Hzでしたが、今回は20Hzもの差ができています。つまり、高い音の方が気温による影響を受けやすいことが分かります。
確かに、温度が変われば物体の膨張収縮が起こりますが、その変化率より、音速の違いの方が影響が大きいはずです。また、湿度による影響もありますが、多少古い楽器の方がその影響を受けにくいのは確かです。しかし、それとて、音速の違いを上回るほどにはならないでしょう。
お礼
アンサンブルをやっています。全員ぴったり同じように狂えばいいのですが、狂い方の激しい楽器とそうでない楽器があります。音速で全員一律に上がり、楽器の膨張でそれぞれ違った度合いで上がる、ということでしょうね。正確にはわかりませんがなんとなくわかりました。ありがとうございました。それでは音叉も正確には、何度の気温の中でA、というような規格があるのでしょうね。