>最後のほうの亡くなる直前で、おじいさんがベッドの上で、昔のアルバムを開いて二人の写真を見ているシーンがありますが、あれは二人の写真でしょうか?
物語を読んでいた男性と読んでもらっていた女性、つまり老夫婦の若かりし頃の写真ですよ。老夫婦を演じた二人は、ともに有名な俳優さんなので、映画ファンにとっては「あ、ほんとに若い頃の二人だ!」と思ってしまう(合成写真を使った)シーンです。
>それとも初めの結婚相手と彼女の二人の写真でしょうか?
誰も再婚してませんが。老婦人(アリー)には、かつて「婚約者」はいました。
>結局彼女は彼の所に戻ったんでしょうか?
老アリーは若かったあの日、婚約者と別れて、かつての恋人ノアと結婚しました。
あの時、彼女は、婚約者と一度話し合いを設けて、「愛」を言葉で確かめ合いましたね。その様子を朗読していた老紳士は「そして二人は幸せに暮らしましたとさ」と、物語をいきなり結びます。そうすると、老婦人は「二人って、誰のことよ?」と言いますが、その瞬間、「私たちのことね! 私たち、夫婦だったんだわ!」と記憶がよみがえります。
そして映画はまた回想場面に戻るので観客は察するのですが、金持ちの婚約者と若きアリーは、アリーの両親のように確かに愛し合っていましたが、その深い愛ゆえに相手を許し、アリーの真の幸せを尊重することができたわけです。そして、アリーは、荷物をまとめて、ノアのもとへと行きましたね。
映画の最後のほうで、老紳士が物語が書かれた“ノートブック”(原題は「The Notebook」です)を閉じると、そこには著者の自筆で「これを私に読んで。そうすれば必ず、あなたのもとへ帰ってくるから」と書いてあるのが分かります。映画の中でも語っている通り、あの物語は老紳士が書いたわけではありませんでした。
消え行く記憶の中で妻がノートブックにしたためたその物語を、最愛の妻に読んでは記憶を呼び戻し、また数分後には妻の記憶が遠のく。それを老紳士は繰り返していたのですね。前宣伝では、安っぽいメロドラマなのかと思っていましたが、実際には、謎解きを絡めて深い夫婦愛を描いた名作でした。
お礼
大変丁寧な解説ありがとうございました。 とてもよく分かりました。 しかも本当のふたりの写真だったなんて驚きでいっぱいです! もう一度借りてみてみようと思います。 ついでにいただいた解説の方も印刷して、友達にも勧めてみます。 分からないながらも、本当にいい映画と思いました。 こんな初歩的な疑問で、ばかにされるような返事がくるだろうなあ・・と内心ビクビクしていました(/_;) 優しい解説いただきまして感激しています。 どうもありがとうございました。