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カウボーイビバップについて
先日、アニマックスでカウボーイビバップの最終回を見たのですが、エドがいなくなってますよね・・・? 両親の元に戻ったと聞いたのですが、その経緯を教えていただきたいです。 丁度その回を見逃してしまったので、とても後悔しています・・・;
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Session #24:Hard Luck Woman 海辺の風景、空、そして口から水を迸らせる白亜のライオン像…。暗い部屋の中で何度もビデオを巻戻し、今夜もフェイは無くした過去の手掛かりを探していた。 「…みずゅ、ざぁ~」 いつの間に現れたものか、隣で寝ぼけたエドが言う。一瞬ぎょっとするフェイだったが、彼女はすぐにその意味するところを悟った。 「知ってるの、これ?」 翌朝、火星に向かっているはずのビバップ号はなぜか地球にいた。 「“みずゅ・ざぁ~”のところに案内してくれたら、いいものあげる」 フェイはエドをレッドテイルにくくりつけ、ビデオの場所へ導かせる。ところが、エドが連れて来たのはなぜか単なるゴミ捨て場だった。がっくりと肩を落とし、愛機に向けて踵を返すフェイ。すると突然、ごみの影から薄汚い子供たちが顔を出して叫んだ。 「あっ、エドみっけ!」 途端にはしゃぎ回る子供たち。そこへ怒鳴り声とホースの水が降り注ぐ。ずぶ濡れになったフェイが顔を上げると、ホースを構えた修道女が目を丸くしていた。 「エド…まさか、エドなのかい!?」 修道女の話では、エドは5年前からの2年間、彼女の孤児院で暮らしていたらしい。屋根に風ぐるまの群れを乗せたその建物で、彼女はエドにホログラム手帳をプレゼントする。がっしりした体つきの男を映し出すそれは、当の男がエド宛に託したものだった。 「父親だ。ほんの2ヶ月ほど前、エドを探しに来たんだよ。託児所に預けていたのを忘れてたんだとさ」 エド曰く、孤児院には「ちょっとゴハンを食べに寄っただけ」。愛機に戻ったフェイは、その案内でついに旧シンガポール地区へと降り立つ。辛うじて原型を留めていた白亜の像・マーライオン。だがそれを目にしても、フェイは何も思い出せなかった。 「あなた…フェイ?うそ、本当に?」 控えめにかけられた声に振り向くと、車椅子の老女の姿があった。訝るフェイに、老女はハイスクールの同級生サリー・ユンと名乗る。 「びっくりしたわ。幽霊かと思った」 54年前の事故とコールドスリープ。すべてを納得したように話すその口調に、フェイは戸惑いを隠せない。サリーはやって来た孫娘にも彼女を紹介しようとするが、フェイは力なく 「幽霊なのよ…」 と応え、逃げるように駆け出していた。 勝手に進路を変えられたジェットは、戻ってきた女どもを見るなりガミガミと文句を言った。だがフェイは沈んだ目を向けるばかり。 何事かと怪しむジェットの傍らでは、スパイクが5000万の新着賞金首情報を発見していた。アップルデリー・ジニス・ヘサップ・リュウトヘン。それがエドの父親だとは、彼らに知る由もなかった。 その少しあと、フェイは抜け殻のような身体にシャワーを浴びせていた。降りかかるお湯に顔を挙げると、突然いつか見た風景がフラッシュバックする。両親の顔と一緒に乗ったシャトル。月を映したその窓が脳裏で砕けた瞬間、彼女の中ですべてがつながった。 シャワールームを飛び出すと、廊下でスパイクとぶつかる。文句を垂れるその顔に、かけようとした言葉は声にならなかった。 「…ごめん。…あたし、行かなきゃ…」 ようやく呟くと、スパイクの顔を見ないようにして走り去る。 「自分の居場所を思い出したの。あんたも、待っている人がいるんだから、居場所があるんだから、探していくといいわ。それが一番、いいものなんだから」 デッキのエドにそれだけ言い残し、フェイは去っていった。 一方、男どもはアップルデリーの居場所を突き止めて意気揚々。「肉入りのスキヤキでも食やぁ、あいつらも…」と、ジェットの鼻息も荒い。即座に現場へ急行し、あっさり見つかった賞金首に銃を向ける。するとこの男、微塵も怯まずに勝手に言い放った。 「混乱が支配するこの地球で、我々がピース的な平和とノン混乱を取り戻すには何が必要だと思う?それはマップ、地図だ!」 どうやら、彼と助手のマッケンタイヤは地球に落ちた隕石の跡を測量し、隕石が落ちきったあとに役立つ地図を作ろうとしているらしい。だがもちろん、スパイクたちには関係ない話。妙に堂々とした態度に戸惑いつつも、強制連行すべく歩み寄る。ところが、スパイクの格闘技もアップルデリーの圧倒的パワーとタフネスに全く歯が立たない!そこにビバップ号を操ってエドが乱入。彼女は甲板から男を見下ろすと、一声叫んでその胸にダイブした。 「ちち~!」 「フランソワーズ!」 二人が親子だと気づき愕然とするスパイクとジェット。よくみれば賞金額も50.000…。小数点つきの50ウーロンは、エドが父親を見つけるべくかけたものだった。誤解が解けると、アップルデリーは男どもへのお礼に籠いっぱいの生卵を押しつけ、娘に言う。 「どうだ。お前も一緒に来るか?」 一瞬目を丸くするエド。だが次の瞬間、地平線の向こうに新たな隕石が落下し、彼とマッキンタイヤは慌しく去って行ってしまった。 その日の夕暮れ、フェイは赤土の上で風に吹かれていた。坂を駆け上がった先、我が家があったはずの場所で。棒切れで地面に線を引くと、間取りは正確に再現できた。ベッドが置いてあった場所に寝転んで、彼女はオレンジ色の空をいつまでも見上げていた。 ビバップ号のブリッジでは、スパイクが夕日に染まった甲板を見下ろしていた。いっぱいの気持ちをぶつけるように、でかでかと描かれた「BYE BYE」の文字を。食事へ呼びに現れたジェットも、それを見て無言で踵を返す。晩飯のテーブルに載っていたのは、4人と1匹分のゆで卵。ふたりは自分の皿を空にすると、どちらかともなく隣の皿を引き寄せ、黙ってゆで卵を食べ続けた。 荒野に降り立ったエドがビバップ号を振り向くと、アインがまっしぐらに駆けて寄って来るところだった。 「行こう、アイン!」 エドはそう言って前に向き直り、アインと一緒に裸足で駆けて行った。地平線に取り残されたビバップ号の舳先では、彼女がスパイクに残してきた風ぐるまが、風に吹かれて頼りなく揺れていた。 2001年10月発行 太田出版『TALK ABOUT COWBOY BEBOP』 237P-239Pより転記 誤字脱字はご容赦下さい。
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- hiroko771
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第24話だね。 ここで聞くより、100円200円(ネット試聴。通常レンタル)なら出してもいいんじゃない?
お礼
まずは自分で調べてから、ですね; ご指摘ありがとうございます。
お礼
なるほど・・・このような事が・・・ ますます見逃してしまった事が痛いですが^^; ありがとうございました。 今後ゲームも出るようなので、期待できますね!