これらはVHSの上位互換テープです。酸化鉄の性能を上げてより高い画質で記録できるようにしたものです。
D-VHSは主にデジタル放送を想定して作られたものです。酸化鉄の性能を上げてテープの単位面積あたりに記録できる情報量を上げ、さらに記録方式もデジタルにすることで、ハイビジョン本来の画質で記録したり今までのビデオではできなかった番組とデータ放送の同時録画をしたりできます。
S-VHSは単にVHSの画質を向上させたものです。ただテレビ放送本来の画質と歌われていました。VHSの解像度は240本ですが、S-VHSだと解像度が約400本と約1.6倍にもなります。
ただS-VHSテープの割高感から今ひとつ浸透しなかったようで、VHSテープにS-VHS並みの画質で録画できる「S-VHS ET」も登場しました。
VHSのデッキでS-VHSやD-VHSのテープの使用やS-VHSデッキでのD-VHSテープの使用はできますが、画質はデッキに依存します。それでもVHSテープにランクがあるように画質の向上はあるかもしれませんが、「気持ち」程度でしょう。
なおD-VHS方式で録画したテープはD-VHS対応デッキでしか再生できません。S-VHS方式で記録したテープもS-VHS簡易再生機能のないVHSデッキでは再生できません。最近のデッキはほぼS-VHS簡易再生機能を備えていますが、86年以前のビデオデッキにはこの機能はなく、87年以降でも機種によってはない場合がありますので、古いビデオでS-VHSテープを使用する場合は注意が必要です。
おまけ:ハイビジョン放送を記録できるW-VHSもありました。ただVHSと名がついているものの普通のデッキではテープを使用することすら不可能です。テープが酸化鉄でなくメタルテープで、サイズも若干違いがあるそうです。