『ドラえもん』の魅力と言えば、第一に、「何も出来ない少年のび太が、ドラえもんの道具によって、何でも出来るようになる」という点だと思います。
そして、その道具が秀逸なんですね。
「どでもドアがあれば・・・」なんていうこと、多くの人が思うことでしょう。
ストーリー的にも、ただの怠け者を作り出すようなものではなく、最後にのび太が失敗することで、説教臭くならない程度に教訓も残していたりしています。
また、『ドラえもん』は、SFの入り口としての魅力も備えているのですね。
例えばタイムマシンを使うお話の場合、「タイムパラドックス」という現象を、分かりやすく表現していたりします。
「うつつ枕」が登場するエピソードでは、「今いるこの世界が、夢の中ではないと、言い切れない」という、“ドリームパドックス”を垣間見せてくれています。
そのほかにも、分子構造の説明や、宇宙についての説明なども、子供に分かりやすいように書かれていて、
しかも「そういうことがあるんだ」程度の認識だけで楽しめるエピソードに仕上がっているので、安心して読めるのですね。
社会風刺のエピソードなども、風刺されている対象が分からなくても、面白いようになっています。
『Yロウ』というロウソクなんて、かなり大人になってから、意味が分かりました。
と言うわけで、『ドラえもん』は、読み返すたびに、
読み返した時の年齢に相応して、何かしら楽しめる要素があるのだと思います。