確かに、名古屋市の共同住宅化率は2018年度で56.8%、東京23区の67.9%(3位)や、福岡市の68.4%(2位)と比べると格段に低く、川崎市と大阪市につぐ6位と「大都市にしては」一軒家が多いと言えます。が、別に金持ちが多いというわけではありません。
土地の価格が安いのが一番の理由です。2021年の基準地価調査では、住宅地の1平米あたりの平均価格が、東京都全域(23区内ではなく)で38万円、大阪市が24万8千円であるのに対して名古屋市はたったの19万4千円で横浜市、京都市、さいたま市よりもまだ安いのです。この価格ですと、一般的なサラリーマン世帯でも少し郊外であれば無理なく買える価格になります。これに加えて、愛知県では親が子の住宅取得を援助する率、額ともに多めという傾向にあるといいます。
こういう傾向があるので、名古屋市では「ファミリー向けの賃貸集合住宅」の供給量は少ないと、SUMOUという企業が分析してますね。ちょうどいい賃貸が少なく、一方で建売や中古一軒家は安め、親の支援もある、となれば一軒家を買うという選択になるでしょう。インバウンド激増で住民の生活が脅かされるような心配もないので、「購入」という得選択をする人も増加中のようです。