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「空白を満たしなさい」
NHKで放映されたドラマ「空白を満たしなさい」の終わりの方で出て来たシーンについてのお尋ねです。 奥さんがときどき見る幻覚?の「わたしは心のみにくい子どもです」というようなのは何でしょうか? もしかしたら、自分が子どもの頃に受けた親からの虐待の記憶なのかな? と思ったのですが、どうでしょうか。 妻側の親の態度が、何か子どもを否定的に観る感じがあったので、そう感じました。 全体として、難しいドラマでしたね。 芥川賞作家の原作だからかな。
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虐待の記憶でいいと思います。 幻の女の子のまっ白なTシャツに、黒い文字で 「わたしは世界一 心の汚い子どもです」 みたいな文章が書かれていましたよね。 近所のおばさんらしき人に、だれにやられたか聞かれた時、女の子は「自分で書いた」と答えたはずです。 だから、あの女の子は、ただの幻ではなく過去の記憶なのでしょう。 文字は、親に書けと強要されたのかもしれませんね。 全員で食卓を囲み、食後に徹生が千佳の両親に、自殺したことを謝罪しました。 この時千佳の母が、徹生が自殺した理由を「娘と結婚したから」「娘のせいだ」と答えるんですよね。 世の中で起こる全ての元凶は千佳のせいだと、ずっと言われて育ったと伝わるシーンだったと思います。 おそらくそれが、Tシャツの言葉なんでしょう。 お前の心が醜いから人を不幸にするんだとか、いろいろ言われて育ったんだと受取りました。 親に愛されることなく育った千佳のことを、徹生が自分が出会った中で「一番心が綺麗」だと話し、千佳以外の人との結婚なんて考えられないとも話しました。 帰りに千佳が振り返った時、両親の前に立つ幻の女の子の白いTシャツから文字が消えてましたよね。 あれは、掛け値なしで自分を受け入れてくれた徹生のお陰で、両親の呪縛から解放されたということなのかなと思いました。 おっしゃる通り、難しいドラマでした。 人はなぜ死を選ぶのか。 生きるとはどういうことなのか。 幸せとはどういうことなのか。 いろいろ考えさせられました。
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- fujic-1990
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「空白を満たしなさい」という題名の割に、結局満たさないで終わったという不満を持ったのは私だけでしょうか。 私は夫はなぜ、どうやって死んだのか謎解きに関心を持って見ていたので、奧さん側の事情は深く考えませんでしたが、思い返してみればなにか親、特に母親はなにかの宗教に染まっていて、それに染まろうとしないで反発する娘が清廉ではなく(腹黒く)思えて不満を持っているのかな、と思いました。 「オマエは黒い黒い」と言われて育ったせいで、自分では反発しながらも「黒いのかな」と思って悩む姿。いわゆる、新興宗教二世信者の苦悩です。 最終回、そんなものを奧さんに感じながら見ていて、結局空白が埋まらず不満だらけです。
お礼
> 新興宗教二世信者の苦悩です。 なるほど。 極めて今日的な題材を織り込んでいるのですね。 > 結局空白が埋まらず不満だらけです。 全く、同感です。 そういえば、原作者はキリスト教の問題を『日蝕』でデビューしたのでしたね。「原罪」意識とかがテーマかもですね。 回答をありがとうございました。
お礼
ドラマの表現に即した解釈と説明に、大変納得しました。 そういうことだったんですね。 カルト二世問題にしろ、キリスト教の原罪にしろ、虐待問題にしろ、何か重なる点が多いですね。 =自縄自縛の息苦しさ。 確かに自殺する人さえも、幸せ(=苦悩からの解放)を求めて死ぬのでしょうが、それを蘇ったときに覚えていないなどはないはずで、荒唐無稽。 しかし、こんなまじめな回答が、本サイトのサポートによって検証されていて、なかなか表示されなかったのはなぜ? と不思議です(笑)