akanerakutenのプロフィール

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  • 登録日2011/05/19
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  • サーベィメータとホールボディカウンターの関係

     次のような説明で正しいでしょうか?   ヨウ素131はまずベータ線を出し、次にガンマ線を出して安定状態のキセノンに変わる。セシウム137もまずベータ崩壊して次にガンマ崩壊して安定する。どちらもベータ線は体外から検出はできないはずだからガンマ線をホールボディカウンターでは測っているはずだ。  ところが、サーベィメータで野菜などを検査する場合、かなり近い距離で検査するのでベータ線もガンマ線も両方とも検知しているはずで、結果的にホールボディカウンターでの計測結果とはかなり異なるはずなのだ。  ベータ崩壊は普通かなりの時間がかかり、こちらが多くの場合半減期の長さを決める要素になっている。ガンマ崩壊は数分で起こってしまうことが多い。  注意しなければいけないのは、ホールボディカウンターではアルファ線の検知はできないし、ベータ線も多くの場合検知できていないと言うことだ。アルファ線は生体内で1mm程度しか飛散できない。ベータ線も多くの場合は数センチ程度だ。つまり、ホールボディカウンターでの数値は実際の内部被ばくの程度よりも低く出るということだ。  ここで、例えばAという放射性元素があり、ベータ崩壊してBという元素になり、次にそれがガンマ崩壊してCという安定元素になるとする。仮にAからBになるベータ崩壊の半減期が10分(600秒)、BからCになるガンマ崩壊が6秒だとする。Aという元素が1000個あったとしたら、10分後にどうなっているだろうか?それをホールボディカウンターで測った場合とサーベィメータで測った場合で考えてみよう。  Aは常にバラバラにベータ崩壊してBに変化するが、10分後には500個のA元素が残っていることになる。そして、一分あたりにB元素が50個ずつ生まれる。Bは6秒で半分の数がCに変わってしまう。ホールボディカウンターで測るのはこのBの量で、もし秒単位で測ると、例えば10秒前に崩壊したものは測ることが出来ない。だから、ホールボディカウンターはCPMというようにcount per mintute、つまり一分あたりの量を測っている。  ここでホールボディカウンターは体外から放射線を測るものであり、原則としてベータ線もアルファ線も測れないことを思い出そう。ホールボディカウンターで測れるのは基本的にガンマ線だけだ。つまり、上の例で言うと一分あたりに出てくるB元素の数だけを計測していることになる。単純化すれば、上の例では50CPMという検査数値が出てくるはずだが、現実には、その時点で500個のA元素と50個のB元素があることになる。  サーベィメータで普通に野菜などを検査する場合を考えよう。ベクレルで測ることになるが、1秒あたりの崩壊数だから、上の仮定では600秒で500個のA元素がベータ崩壊するから、1秒あたり大まかに1個弱のA元素が崩壊してB元素になっていることになる。また、B元素がガンマ崩壊する程度も同期間に同程度起こっているから1秒に1個のB元素がC元素になっているとみなせる。よって、こちらは2ベクレルという数値が出てくる。これを単純に1分間の検出値にすると120CPMとなる。  同じだけの放射性元素があっても、ホールボディカウンターでの数値とサーベィメータでの数値では異なる。これは、ホールボディカウンターはベータ崩壊を多くの場合検知できないからだ。その分、ホールボディカウンターの値は小さくなる。