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哲学者には悪妻がふさわしいですか
ソクラテスは幸福になりたければ良い妻を持て、哲学者になりたければ悪い妻を持て、そういう意味のことを言ったそうです。良い妻がいれば幸福になれるとは思いますが、わからなのは悪い妻がいてなぜ哲学者になれるか、ということです。哲学者というのは当時のギリシャ社会でどんな社会的立場だったんでょう。ソクラテスはただの無為徒食者という話もあります。だったらクサンティッペは否応なく悪妻になると思いますが。
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以下のとおりお答えします。 >ソクラテスは幸福になりたければ良い妻を持て、哲学者になりたければ悪い妻を持て、そういう意味のことを言ったそうです。良い妻がいれば幸福になれるとは思いますが、わからなのは悪い妻がいてなぜ哲学者になれるか、ということです。哲学者というのは当時のギリシャ社会でどんな社会的立場だったんでょう。ソクラテスはただの無為徒食者という話もあります。だったらクサンティッペは否応なく悪妻になると思いますが。 ⇒確かに、クサンティッペは世間的には悪妻とされていたようですが、ソクラテス自身はそういう妻を「まんざらでもない」と見ていた、というか、結構ご満悦だったという風情がありますね。実際、彼はアルキビアデスとかいう友人に「奥さんの小言は聞いていられない」と言われたときに、「馴れだよ。鳥のさえずりのようなものさ」と答えたとか。 ちなみに、クサンティッペの悪妻ぶりはというと、「うちの亭主ときたら、いい歳こいて、のべつ考えごとをしたり青年らと話し合いばかりして一銭も稼ごうとしないんだから」と、苛立ちをあらわにしながら悪態をついたり、頭から水をぶっかけたり、テーブルをひっくり返したり、あげくの果てはソクラテスの着ている上着を人前も憚らずむしり取ったりしたそうです。ところが、当のソクラテスは、それに対して一切気色ばんだり、反抗したりすることはなかったらしいですね。 それには、幾つか理由がありました。 ①二人が結婚したのはソクラテス47歳、クサンティッペ20歳そこそこだったので、彼は妻を娘のような目で見ていたという。 ②彼は自分に稼ぎのないことは十分悪いと思いながらも、それより思索の方が価値あるので働かないわけだが、そんな言い訳が若い、しかも、家計を預かる妻に通じる道理はないことを十分承知していたようです。 ③彼女は、稼ぎのないことを詰る以外には優しいし、また主婦の「皿投げ」的行為は夫に対する愛情の別表現だとソクラテスは感じていたらしいです。 ということで、ソクラテスが「哲学者になりたければ悪い妻を持て」と言ったとき、「哲学者になってブラブラしていると妻は悪妻になるがそれは当然に理だ。しかし、そういう気丈な内助のおかげで、我々は哲学に専念し、思索を深められるのだ」というのがその真意だったのではないかと、(個人的には)考える次第です。 以上、お尋ねに対する回答にならないかも知れませんが、(多分に主観的な)お答えまで。
お礼
なかなか興味深いご回答です。哲学者になりたいなら悪い妻を持てではなく、哲学者には悪い妻がふさわしい、哲学者の妻はどうしても悪い妻になってしまう、そんな感じですしょうか。ほんとに悪い妻ならさっさと離婚したでしょうからソクラテスもそれほど悪い夫ではなかったんでしょう。古代社会でなにもせず思索にふけっている人が存在し得たのは古代ギリシャくらいでしょう。ソクラテスは聖職者でさえない。そういう夫と長い間連れ添ったということはクサンチッペもそれほど悪い妻ではなかったのかもしれません。ご回答ありがとうございました。