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公務員共済組合の法的性質と職員の身分について

国家公務員や地方公務員が組合員となる共済組合に関する質問です。 1, 共済組合の法的性質は、公法人という民間団体なのでしょうか? 2, 共済組合の職員の身分は、公務員ではなく民間人なのでしょうか? 3, 共済組合の正規職員は、 公務員と同様に、所属する共済組合の組合員になる一方で、 公務員とは異なり、雇用保険の被保険者になると聞いています。 これは正しいのでしょうか?

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回答No.2

国家公務員共済組合や地方公務員共済組合は、国家公務員や地方公務員に係る福利厚生(各種共済・給付等)の事務を行なう、ということを目的とする民間法人です。 そのため、「民間法人たる組合に使用され、その事務に従事する者」は、国家公務員や地方公務員ではありません。 民間企業と同様、その組合に「直接的に雇用された者」です。 国家公務員共済組合法および地方公務員共済組合法においては「役員および事務職員」(役職員)と呼びます。 国家公務員共済組合法第十三条および地方公務員共済組合法第十九条を根拠とし、「みなし公務員」とされます。 みなし公務員とは、身分的には公務員ではない(このため、共済組合の組合員でもない)ものの、刑法その他罰則の適用においては公務員として扱われることを言います。 上記により、組合の「役員および事務職員」(役職員)は、健康保険(協会けんぽ)・厚生年金保険・雇用保険に加入します。 民間企業の従業員と同様の身分になるわけですから、当然の帰結だということになります。 また、これも当然のことですが、共済組合の組合員とはなれないわけですから、Q3の認識(所属する共済組合の組合員になる、といつた認識)は明らかな誤りです。 一方、前回までのQ&Aの繰り返しになりますが、組合の「職員」という表現をしてしまうと、「民間法人たる組合に使用され、その事務に従事する者」(役職員)のことを指さなくなってしまいます。 国家公務員共済組合法第二条第1項第一号および地方公務員共済組合法第二条第1項第一号において、「常時勤務に服することを要する公務員」(常勤の公務員)を「職員」(同時に「組合員」)として定義しているためです。 既に見てきたように、「民間法人たる組合に使用され、その事務に従事する者」(役職員)は、常勤であるかないかを問わず、公務員ではないのですから、「(公務員たる)職員」としてしまうと矛盾が生じますよね。 ですから、「職員」という表現を用いてはなりません。 あなたと私の間に齟齬があるのは、法令の条文に厳格にしたがった上で説明した「職員」の定義や認識が、あなたに理解できていないからにほかなりません。 あえてきつく言わざるを得ないことをお許しいただきたいのですが、法令の条文を見ない・理解してないままで、あれこれと考えていても、正直申しあげて、意味がないと思いますよ。 その他、国家公務員共済組合法第十二条第1項および地方公務員共済組合法第十八条第1項の定めにより、各省庁や地方公共団体の長は、いわば「組合専従職員」として、所属する公務員を組合の事務に従事させることができます。 この場合に限っては、これも当然のことながら、「民間法人たる組合に使用され、その事務に従事する者」であるようには見えても、法的には別扱いです。 常勤の公務員であれば、当然、共済組合の組合員となるわけで、健康保険・厚生年金保険・雇用保険は適用されません。 いずれにしても、ひとつひとつ丁寧に法令の条文を読み解いてゆけば、おのずから回答が得られます。 つまり、あなたの疑問は、ことさらむずかしく考えるようなものでもないと思います。  

noname#250090
質問者

お礼

ありがとうございました。 非常に詳しいですね。 すごい方がいるものです。私の知識では足元にも及びません。 共済組合の組織内で働く人(共済組合にかかる事務を行う共済組合が雇った従業員)は、 その共済組合の組合員にはなれない(民間労働者として協会けんぽに加入する)、 ということを、私は知りませんでした。 民間企業の従業員が加入する健康保険組合の場合とは異なるんですね。 健康保険組合の組織内で働く従業員は、その健保組合に加入していますよね。 つまり、その健康保険組合自身も適用事業所になっているはずです。 日本の社会保険システムは本当に複雑です。 もう今は無くなってしまいましたが、過去には都市健保なるものもありましたよね。 かつて札幌市を除く大規模都市のほとんどが、 「都市健保」と呼ばれる健康保険組合を持っていて、 市役所の職員は共済組合の長期給付だけ適用され、 医療保険は健康保険組合に加入していたそうです。 さらに、その旧都市健康保険組合の中で働く事務方の人々は、 地方職員共済組合団体共済部(長期給付のみ)の組合員となり、 公務員と同等の年金制度が適用されていたと聞いています。 上記についても回答者様は当然、私より詳細をご存知だと思いますが、 ここまで制度が複雑怪奇だと、 単なる社労士試験合格者レベルでは理解できないことが沢山あるし、 単に制度に興味があるだけという程度では正確に調べることすら困難です。 今後も社会保険に関する質問をすると思いますが、 また何かあったら色々と教えてください。

その他の回答 (1)

回答No.1

A1. はい。そのとおりです。 国家公務員共済組合や地方公務員共済組合は、その性質から見たときには「公法人」だと言えます。 ただし、この「公法人」は、法令上で厳格に定義されている用語ではなく、単に「公共を司る公務員等に対する事業を行なっている法人」という意味合いに過ぎません。 すなわち、国家公務員共済組合や地方公務員共済組合は、法人であるものの国や地方公共団体(都道府県、市区町村)自体ではないため、「公法人」といった文字にまどわされずに、1つの民間団体(というよりも「民間の法人」)だととらえることが必要です。 A2. 国家公務員共済組合や地方公務員共済組合における「職員」は、国家公務員や地方公務員のうち、常時勤務に服することを要する者をいいます。 つまり、常勤である公務員のことをいいます。いわゆる「正規職」を意味します(臨時的雇用等の者を除く、という意)。 したがって、共済組合の「職員」の身分は民間人ではなく、あくまでも「公務員」です。 根拠は、以下のとおりです。 ■ 国家公務員共済組合法 ○ 組合員とは? 国家公務員のうち、常時勤務に服することを要する者 (= 職員である者)[臨時的雇用者等を除く] ・ 国家公務員共済組合法 第三十七条 第1項[組合員の定義] ・ 国家公務員共済組合法 第二条 第1項 第一号[職員の定義] ■ 地方公務員共済組合法 ○ 組合員とは? 地方公務員のうち、常時勤務に服することを要する者 (= 職員である者) ・ 地方公務員共済組合法 第三十九条 第1項[組合員の定義] ・ 地方公務員共済組合法 第二条 第1項 第一号[職員の定義] A3. 誤りです。 雇用保険法の該当条文における適用除外の規定(法第六条第六号、法施行規則第四条第1項各号)を理解なさって下さい。 ここでは「国、都道府県、市町村その他これらに準ずるものの事業に雇用される者のうち、離職した場合に、他の法令、条例、規則等に基づいて支給を受けるべき諸給与の内容が、求職者給付及び就職促進給付の内容を超えると認められる者」を適用除外としています。 言い替えれば、「職員として受ける諸給与が求職者給付及び就職促進給付の内容を超えない」というのならば、公務員等(= 国、都道府県、市町村その他これらに準ずるものの事業に雇用される者)として雇用保険の被保険者になることができます。 ただし、具体的には法施行規則第四条第1項各号で定められていて、現実は、常時勤務に服することを要する者(= 職員)は適用除外となってしまいます。 ですから、実際には「臨時的雇用等である場合に限って雇用保険の被保険者になれる」ということになります。 早い話が、「いわゆる正規職員であれば、常時勤務に服することを要する者、すなわち、共済組合の組合員となるが、同時に、雇用保険の適用除外となるので、雇用保険の被保険者にはならない」というわけです。 一見、ややこしく思えますが、A1やA2でお示しした「共済組合における組合員や職員の定義」を踏まえていただければ、すぐおわかりいただけるとは思います。  

noname#250090
質問者

お礼

ありがとうございます。ちょっと難しいです。 A1については納得しました。 A2とA3が理解し切れませんでした。 ちなみに、私が申し上げた「共済組合の職員」というのは、 共済組合の組合員(加入者)という意味ではなく、 共済組合という組織内で働く労働者という意味です。 共済組合に加入するのは主に公務員ですが、 共済組合という組織で働く労働者は公務員ではない、 と聞いたことがあります。